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季節高校生  作者: GORO
季節の章ー春ー
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サバイバル 1




夏休み。

終了まで後一週間。


熱中症になりかねない暑さの中、学校の課題を仕上げ後は休みを堪能する。

そんな、予定を立てていた……はずだった。







「………誰か、どういうことか説明しろ」


陽射しが脳天を直撃する中、藪笠芥木はTシャツ短パンのラフな姿で今、よく待ち合わせる公園広場に来ていた。


この熱中症になるかもしれない暑さにも関わらず、辺りのブランコや滑り台には友達同士と遊ぶ、子供の姿が見える。



一見、何の変鉄もない光景。

ただ。



全、三十人の集団を除けば…。



藪笠自身、状況を今だ理解していない。

学校の自身が通うクラス、その男女合わせて三十人の姿があるのだ。

もちろん、鍵谷、島秋、浜崎の姿もあるのだが、


「おい、鍵谷!」

「ん? …なに?」

「………何? じゃねえよ。何でクラスの奴らがこんなにいんだよ」


今朝。

早朝から鍵谷真木の電話で呼び起こされた藪笠。

寝ぼけていたからかして反論し忘れたが、鍵谷からの電話の内容は時間も何の説明もなく。

一言。




『今すぐ来なさい!』




………正直、機嫌が悪い。


「……………大丈夫よ、直にわかるから」

「は?」


その言葉を耳にして、眉を潜める藪笠。

と、そんな時。


『あー、あー、集合! 集合!』



運動会でよく見かけるバカデカマイクを手に、一人の男子が声を上げた。

何があるのかを知っている者は、揺らぐことなくその呼び掛けに集まり、何も聞かされていない藪笠も一応と着いていく。

皆の集合を確認したマイクを手に持つ男子は、咳払いをつき、



『えー、おはようございます。今回、A班のリーダーをつとめさせてもらいます。川皮光夫です』

「…………A班?」

『続いてB班リーダーの泡切水樹です』

「……………」

『そして、C班リーダー、厚木拓葉だ!!』

「………………なぁ、島秋」


集まるさい、付近にいた島秋 花に話し掛ける藪笠。


「どうしたの、藪笠くん?」


藪笠と同じく、半袖半パンの島秋は藪笠の側に近づき、視線は一応、リーダーたちに向けている。

藪笠は腰に両手をつき、盛大に息を吐くと、





「遊びでもするなら、俺。帰っていい?」

「っごほ!? な、何言ってるの、藪笠くん!?」


あまりの垂直な意見にむせながら、声を上げる島秋。

しかし、藪笠は至って冗談ではなくマジだ。


「いや、だって。………暑いし」

「ぅ、………た、確かに。で、でも遊びっていったら遊びかも知れないけど、これは一応。秋の文化祭の決定者を決めるのにやるんだよ!」

「………………聞いてない」

「いや、だって…………その時、藪笠くん休んでたし、……………この前に言おうとしたんだよ?」


この前。

多分、プールへ一緒に行った時の事だろう。


「っ………」

「それに、提案者………玲奈ちゃんだから」

「………………………………はぁ!?」


直後。

耳を疑いたくなりたい言葉を聞いた気がした。

確かに、自身のクラスは男女揃ってテーションはやんちゃだ。

しかし、あの浜崎だ。


いつも冷静で、沈着、ドがつくほどのSである彼女が言ったとは……。



直ぐ様、浜崎に視線を向けようとした。

だが、突如、上空から何かが藪笠に向かって飛んでくる。


「っと!? っと…………………ん? 水鉄砲?」



降ってきた物を捕まえ、視線を向けると、そこには水が満タンに入ったプラスチック製の水鉄砲だ。

何で? と首を傾げる藪笠。

すると、そんな藪笠に対してタイミングよく、



『今から三チームにわかれてサバイバルをするのよ』

「!?」


マイクから聞こえた、男とは違う女の声。

……………と、いうよりも浜崎だ。

視線を向けると、さっきまでリーダーと言っていた三人の側に彼女の姿が見える。

さらに、そのラフな服装の上には白い正方形の紙が前後と貼られたゼッケンを着ていた。


そこで、何をするかも理解できた。


「……………お前、……ゼッケンに水鉄砲って、………全部用意したのか?」

『ええ。まぁ、家でゴロゴロしてるよりはマシでしょ?』

「………………」

『ちなみに、勝手に帰った奴は後でクラス全員で家まで乗り込んでお仕置きだから』

「お前、悪魔だろ」


勝手に言ってなさい。と、鼻で笑う浜崎。

………かくして、藪笠を無理矢理入れ込んだ、夏休み最後の祭り。




文化祭決定者を決める男女サバイバルが始まったのだった。




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