体育?2
体育?2
ドガッ!!
バガッ!!
と、ゴムボールが地面をえぐる。
「はぁ、はぁ、クッソ………」
藪笠は地面に膝をつき、何とか凶器を奪い取ることができた。
そして、一方で、
「えー、解説の花さん」
「はいはい!なんですか、浜崎さん?」
「今の状況はいかがだと思いますか?」
「そうですねー、ぶっちゃけ藪笠君の体力しだいですね」
実況解説をしてい、
「って何してんだコラァァァ!!」
「え?」
目を丸くさせる浜崎と島秋。
「え?っじゃねえ!!頼むからあのバカ止めろ!!」
「無理」
「無理だよ」
「………お前らな………」
わなわなと拳を震わせる藪笠。
コイツらの脳天に鉄拳をくらわしてやろか、とまでも思ったが。
しかし、今はそれどころではない。
「……鍵谷」
「何よ」
むっ、と睨みつける鍵谷。
そんな鍵谷に藪笠は、
「この試合、何か賭けしないか?」
賭けを要求した。
理由は簡単だ。
早く終わらせて機嫌を取らす。
「俺が勝ったら今日から1ヶ月、ちょっかいかけてくるなよ」
のってこいよ、と鍵谷を見る藪笠。
一方、藪笠の言葉に顔色を曇らせる鍵谷は、
「…………じゃあ」
顔を伏せ、
「じゃあ、私が勝ったら今度の休み、付き合ってよ」
直後。
周りから殺気が吹き荒れた。
「…………」
「藪笠、早く」
いや、周りから殺気が、と後ずさりそうになる藪笠。
しかし、そんなこと気にしていても仕方がない。
「わかったよ」
藪笠はゴムボールを固くに掴み、
「ぉおおりゃぁぁぁあ!!」
鍵谷目掛けてゴムボールが発射された。
しかし、
ガシッ、と鍵谷はゴムボールを体で包み込むようにキャッチし、
瞬時に。
「もらったぁぁあ!!」
藪笠に向かってゴムボールが発射された。
反応が遅い。
とった!!と思った。
直後。
「え!?」
藪笠はニヤッと笑うと、片手でゴムボールを掴みとり、片足を軸に体を回転させ。
刹那に、
「むぎゃ!?」
藪笠からのボールは鍵谷の顔面に直撃した。
照準がずれた。
まさか、肩を狙うつもりが顔面にあたるとは……。
直撃冷や汗をかく藪笠。
そして、一方で
「うにゃぁぁぁ………」
目を回し、そのままダウンした鍵谷。
「……………あー」
藪笠はゆっくりと後ろに振り返り、
「これって……俺の勝ち?」
その数秒後。
六十発のゴムボールが藪笠に降り注がれた。