暗雲
クロウさんに刺身の作り方を教えてあげてもらった帰り道
「二人とも今日はありがとね、俺は何もしないで食べてただけだったよ」
「仕方ないですよ、捌きかた知らない人がやるわけにもいかないですしね」
「そうそう、適材適所ってやつだね。ジンはどちらかっていうと戦闘系のタイプでしょ?」
「一応そうなるのかな…あんま強くはないけどな」
「そこは楽しんでるならいいんじゃないかな?僕も釣りプレイだから戦闘は苦手だしね、それにジンが最前線の攻略組って言われるようなタイプだったらこの展開はなかっただろうしね」
「偶然だけどな、まぁ攻略も楽しそうだとは思うけど」
「確かにね、あれはあれで楽しそうかな」
そんな話をしながら歩いてたら宿に着いた
「お、着いたな。カイ、今日はありがとな、これからも頼ることもあるかもしれないからフレンド登録いいか?」
「もちろん。僕からもお願いするよ。キキさんもいいかい?
「はい、これからもよろしくお願いしますね」
そうしてカイとフレンド登録をして別れて宿に入ると皆集合していて、アリナさんが話かけてくる
「おかえりなさい、いきなりだけどそっちはどう?」
「協力してくれたプレイヤーとキキのおかげで店主も刺身を美味いと思ってくれたのでいい感じかなと」
「そう、良かったわ」
「こっちは皆集まってますけど何かあったんですか?」
「えぇ、その事で話あるから疲れてるとは思うけど二人とも話を聞いて貰ってもいいかしら?」
「はい」
「わかりました」
アリナさんが聞いてきたのでおとなしく座って話を聞くことにする。
「私達が町での噂話を調べてたのは知ってるわよね」
「はい」
「それを調べててわかった事がね、今モンスターの軍団がスタットの町を目指して侵攻してきてるらしいのよね」
「え!?でもそんな雰囲気微塵もありませんよ!?」
「そうなのよね、けど回りのプレイヤーも含めた人達からの聞き込みの結果確実にモンスターの総数は増えてて日ごとにスタットの町に近づいてるっぽいのよ」
「何かのイベントとかですかね?」
「わからないわ、だから明日は朝からギルドに全員で行こうと思ってるんだけど大丈夫かしら?」
「はい、そういうことでしたらもちろん。それと今の話を聞いて思ったことがあって、もし皆が了承してくれるならギルドに明日その事も聞いてもらえますか?」
「それはいいけど思ったことって?」
俺が思った事を話すと皆は驚いてはいたが了承してくれたので明日聞いてもらう事になった。
「じゃ今日はらこれくらいかしらね。明日は朝イチでギルドに言って聞いてみましょ」
そうして俺達は眠りについた




