結晶石
清掃活動が終わって少し時間があったので俺は見つけた石をマテラおばあさんに見てもらうために〈梟の目〉に向かうことにした。
「少し時間が空いたから俺はちょっと石を見てもらいに魔道具屋に行くけどキキはどうする?」
「私もさっきの石はきになりますし、ついていっていいですか?」
「もちろん、じゃあ行こっか」
「はい」
そうして程なく〈梟の目〉についたので
「こんにちわー、マテラさんいますかー?」
「はいよ、おや、ジンじゃないかい、今日はどうしたんだい?」
「ちょっと見てもらいたいものがあって」
「見てもらいたいもの?どんなんだい?」
「これなんですけど」
そう言って清掃中に見つけた石を取り出して見せるとマテラおばあさんは驚きの表情になり
「アンタ、これ結晶石じゃないかい!!どこで見つけたんさね!?」
「え、普通に清掃活動をしてたら…なんかすごいものなんですか?」
「これは地脈の魔力が固まってできる結晶でね、純粋な魔力の塊なんだ、石ころサイズでも金貨で取引されるようなもんだよ、それを清掃活動してたらってどうやったんだい?」
と興奮気味で聞かれたので隠すような事でもないので包み隠さずに全部話すことにした。
「全く、そんな方法でしかも町中で見つけたとか前代未聞だよ、あんたの真面目さが功を奏したかねぇ」
「偶然だとは思いますけど…それよりこれ何に使えるんですか?」
「魔道具の動力とかになるかね、これがあるだけで大きな街にある魔除けの結界の魔道具を数年賄えるはずさ、他にも召還系の魔法で上位の触媒になったりするとも聞くね。正直アタシも話で聞いてるくらいの使い方しかわからないよ」
「そんな貴重なもんなんですか、あとで皆にどうするか聞かないとなぁ」
「え、ジンさんが見つけたんだし、ジンさんの自由にすればいいんじゃ?」
「一人で受けた依頼で手にいれたならそうしたけどね、クランで受けた依頼で手にいれたアイテムだし、値段が値段だからね、要相談の案件だよ」
「なんだい、あんたクランに入ったのかい?そこのはこの前連れて来た子達とは別の子だね、クランメンバーかい?」
「はい、『フリーダムシーカーズ』っていうクランを友人が作ったのでそこに入りました。この子はキキっていってクランのメンバーです」
「そうかい、たまにはアタシも依頼するかもしれないからその時は頼むよ。キキといったかい?アタシはマテラ、ただの魔道具屋の婆だよ、よろしくね」
「キキっていいます、こちらこそよろしくお願いします、料理の修行中ですのでたまに食べてもらって感想頂きたいです。」
「いつでも来るといいよ、辺鄙な場所にあるからね、話をするだけでも楽しいもんさ」
「はい、たまに寄らせてもらいますね、その時はお願いします」
「マテラさん、俺もちょっと教えてもらいたいことありますからまた今度来てもいいですか?」
「遠慮なんかしないでいいさね、ただしタダじゃないからね?」
「もちろん、じゃあ今日はそろそろ帰りますけどその前にトランプ5セット貰ってもいいですか?」
「相変わらずなんだねぇ。いつも通り銅貨50枚だよ」
「はい、これお代です、じゃ失礼します。またよろしくお願いします」
「私も失礼します、今度ゆっくり商品を見せてもらいに来ますね」
「まいど、また来るんだよ」
見つけたモノが予想外のモノだったし、一度宿に戻ることにした。




