ギルドにて
熊の巣に毒を放ってきた人達をつれてウェスティンの町まで戻っている俺たち
「しかしこいつらNPCみたいですね。世界にはこういうのも居るってのはわかりますけど俺らが遭遇するとはおもいませんでしたよ。これつれてギルドまでいくと目立ちますね」
「そうねぇ…一応裏道を通っていくつもりだけど誰にも見られないってのは無理でしょうね。」
「ですよねぇ、まぁ大会で目立ったみたいだし、そこまで気にはしてないんですけどなるべくなら目立たない方向でいきませんか?」
「えぇ私もそうするつもりよ」
そういいながらウェスティンの町の門についた、運がよく門回りにはプレイヤーはいなく、門番のNPCがいるだけだった。
「まてそいつらは何だ?」
「依頼の途中で捕まえた毒薬を使ってた奴らよ。なんかアジトがどうのこうのとか言ってたからギルドで尋問してもらおうと思って連れてきたわ。」
「わかった。そいつらが逃げ出しを企てたときのために俺も少しついていかせてもらいたいがかまわないか?」
「目立たないようにしてくれるなら構わないわ。」
「それはもちろん構わない。ではいこうか。」
町に賊が逃げ出したら一大事だもんな、そりゃついてくるわな。
ギルドにたどりつくとプレイヤーはそれなりにいて俺たちに注目しているようだった。
「どうしましたか!?その人たちはなんですか!?」
「そのことで話をしたいから別室か何か使えませんか?」
目立ちすぎるのもよくないのでそう提案する。
「わかりました。こちらにどうぞ。」
そういって2階の別室に案内される。
そうしたところでちょっと威厳があるっぽい人がきて
「なんか人をつれてきたって?今そんな依頼は出してなかったはずだがどうしてだ?」
「熊の脅威の排除の依頼です。そうしていたらこいつらが毒を使って熊を巣で殺してからそこを何かの隠し場所に使おうとしているようでした。なので盗賊のグループかなんかじゃないかとおもって連れてきました。」
「そういうことはわかった。それで熊の脅威の排除の方はどうしたんだ?その口ぶりじゃ討伐はしていないんだよな?」
「はい、脅威の排除ということでしたから必要ないと判断しました。」
そう言って子熊が負傷していてそれをかばうために威嚇をしていたことを話した。
「だがそれじゃ完全に安全じゃないんじゃねぇか?」
「そうかもしれません、でもあの熊達は自分達を守るために威嚇だけしていたんじゃないですか?その辺はどうなんですか?直接の被害はでていますか?」
「出ていたらどうするんだ?」
「………俺が倒します。」
「ははは。わかった教えてやる。確かに直接の被害はでてない。だからその熊どもがこっちに何もしてこないってんなら許容範囲だ。」
「試しましたね?」
「あぁ。中途半端な気持ちだったら迷惑だしな。きっちりと試させてもらった。理解してくれ。」
まぁギルドの立場ならしょうがないだろうな。
「はい、そうするのが普通だとも思いますし。それでこいつらなんですけど。」
「おう、こいつらは何なんだ?」
「熊の巣をアジトから近いしお宝の隠し場所にはちょうどよさそうだとか言ってたんでなんか盗賊団か何かじゃないかと思って連れてきたんですよ。」
「おいおい、普通の冒険者でもそれくらいはあるかもしれないだろ?普通の奴らだったらお前しばらく牢屋行きだぜ。」
牢屋行きは嫌だなぁ…でもたぶんそれはないだろうな。
「こいつら気化毒をつかってましたけど気化毒って普通に流通するものなんですか?」
「何!?それは本当か?」
そこで初めてアリナさんが口をはさむ。
「本当よ。私も実際くらってるしね、正直ジン君がいなかったら危なかったわ。」
「毒の実物はないんだよな?」
気化毒だだからなぁ実物はないんだよなぁ…
「毒の実物はないけどそいつらが投げてわれた瓶ならあるけどそれじゃダメかしら?」
アリナさんが瓶の残骸を拾っていたらしい、証拠になるかはわからないけどないよりはましだろう。
「そいつを貰ってもいいか?何か調べられるかもしれないからな。」
「構わないわ、でも何かわかったらあたしたち二人にすぐ教えてもらってもいいかしら?」
「あぁお前らには知る権利があるだろう。明日には何かわかるだろうから明日の朝イチでギルドにきてくれ。そこの二人もギルド預かりでいいか?」
「ジン君いいわよね?」
「もちろん、むしろお願いしたいくらいですよ。俺たちよりうまく情報をとってくれるでしょうし。」
「感謝する。そういえば自己紹介がまだだったな俺はこのギルドのサブマスターのフェクトってんだ。以後よろしくな。」
「ジンです。よろしくお願いします」
「アリナよ。よろしく。」
「じゃぁ今日はこれでお開きでいいか?熊の脅威の排除の依頼は達成だな。イロもつけとくから。うけとっていってくれ。」
イロがつくってことは口止め料も含んでるのかな…とりあえず報酬をうけとりにいくと
「こちらが今回の報酬になります。それとジン様はFランクからEランクへの昇格となります。おめでとうございます。」
お、ギルドランク昇格したか、これもイロなのかどうかわからないな。というか報酬銅貨3000枚のはずだったんだが銀貨1枚もらえたぞ。実はかなり大ごとなのか?
「ジン君、今日はまだ時間大丈夫?これはちゃんと結末を見ないと気がすまないわ。」
「俺も同感です。とりあえず宿で部屋をとって一旦ログアウトをして、リアルのことをすましてきます。」
「そうね、私もリアルのことをすまして再ログインするわ。じゃぁ宿まで一緒にいきましょ。」
そう会話をしたとに一緒に宿にいって別々の部屋をとってそれぞれログアウトをしたのだった。




