3回戦決着
「〈エア・ダッシュ〉」
俺が勝ったと思っているとカーセからそんな声が聞こえてきた。
どうも爆発的に速度を早める魔法らしく気付いた時にはもう目の前だった。
「くっ!手札かんそ…」
「遅いです!」
咄嗟に手札を補充して発動させようとするが間に合わずカーセの攻撃が直撃し、俺のHPゲージはくだけちった。
「そこまで!勝者カーセ様!」
そう審判が宣言する
負けたか…負け覚悟の参加とはいえ悔しいな。そう思いながらカーセに話しかける。
「おめでとう。完敗です。」
「いえいえ、運が良かっただけですよ!」
「そうかも知れないがまだ引き出しあるだろ?結局【土属性魔法】は使ってもいないしな。」
「まぁそうですけど最後は私も賭けでしたよ、〈エア・ダッシュ〉で避けれなかったら負けでしたから。」
「あの魔法は【風属性魔法】かい?」
「ええ、〈スピードアップ〉より効果は高いですが効果は一瞬しかないって魔法なんで使いどころが限られるんです。今回は上手くいきました。最後の攻撃が初見じゃなかったからですけど。」
「やっぱ途中で見せたのがまずかったか、とはいえはじゃないとここまで戦えなかったしなぁしょうがないか。次も頑張ってな。」
「はい、ありがとうございます。」
そう言って俺は闘技場を後にする
その帰り道で
「どうすれば勝てたのかなぁ。装備が揃ってたら違ったりしたのかな」
と自然と一人言が口から出ていた。カーセにはああ言ったが思ってる以上に悔しいらしい。
そういえば負けたショックでシステム通知を確認してなかったので確認してみると
[【トランプ】がレベル7にあがりました。ブラックジャックが解放されました。合成発動が出来るようになりました。]
[【換装術】がレベル4にあがりました。]
と通知が来ていた。
久しぶりにブラックジャックの役がきたな。でもこれワンペアとどう違うんだろ。思いつくのはワンペアより効果が高くなるってことか、後合成発動てのはなんだろ…また実験しないとな。
「さて俺も見学サーバーに移動して他のとこもみてみるかな。」
そう思って見学サーバーに移動する。
「あ、ジン君、こっちこっち。」
と声がかけられる。
「アリナさん、お久しぶりです。」
声をかけてきたのはアリナさんだった。
「見てたわよ。結果は残念だったけど凄かったわ。」
「そうですかね?なんていうか。いきあたりばったりだったかなとも思います。」
「まあ本人からしたら色々考えちゃうか。でもジン君の試合って結構注目だったのよ?」
「まぁ登録スキルが珍しいですからね。珍しいものみたさでしょうね。」
「それもあるけど、それを使いこなしてるっていうのが大きいと思うわよ?このままだと人気投票で上位入賞もできそうだと思うわ。」
「そうなったら嬉しいんですけどね。それは置いておいて、大会を楽しみましょうよ。」
「そうね。」
「珍しいスキル構成の人が残ってるといいんだけどなぁ」
そう言いながら見学を始めるのだった。




