決着
ユースの攻撃でHPがほとんどなくなっている俺。普通に役を使っての強化したスクロールの魔法だけだとユース相手には【受け】や【緊急回避】のスキルで決定打にならないでジリ貧だった、なので俺は罠を仕掛けていた。
「これで終わりだ。トランプ野郎!」
ユースが勝ちを確信して攻撃を仕掛けてくる、それに対抗するべく俺は罠を発動させる。
「罠手札開示!フラッシュ!」
ユースの攻撃をしのぎながら仕掛けていたスクロールを解放する。今回はフラッシュでの発動なためスペードの9~JとKとジョーカーだ。
先日アシャーレとサージとの狩りでフラッシュは使って効果は範囲の拡大とわかっていたからだ。
フラッシュで強化された〈ファイアランス〉は罠として設置したスクロールの範囲内に降りそそいでいる。ユースは【受け】と【緊急回避】でどうにかしようとしているが俺は更に手札をきる。
「手札換装!ストレート!」
別のデッキの手札に換装し、クラブの10~Aでストレートを発動させる。
「な!?くそがぁ!」
そう悪態をついているがトラップのダメージもあったユースには耐えられなかったようでHPゲージをどうにか削りきったのだった。
[【トランプ】のレベルが6にあがりました。ストレートフラッシュが解放されました。]
[【罠術】のレベルが3にあがりました。]
とシステム通知が来たので戦闘終了の合図だった。
「そこまで!勝者ジン!」
決着後ユースは
「ちっ!負けかよ。敗者がなに言っても無様なだけか。えーとジンとか言ったか?今までバカにして悪かったな。【トランプ】でも充分戦えるって思いしらされた。」
ユースがそんなことを言ってくる。あれ、絡まれるかとおもったんだが。実はこいつ、そこまで悪い奴じゃないのか?
「わかってくれて良かったよ。まぁ俺は運がよかったからなんだけどな。」
「大会の後で話聞かせてくれないか?秘密だっていうなら聞かないが。」
「別に構わないさ。そういえばまだ自己紹介してなかったな。対戦表でわかっているだろうが俺はジンだ。よろしくな」
「ユースだ、よろしく頼む」
そんな会話が終わると審判の人が
「熱戦を見せてくれた二人に拍手を!ではこれで対戦を終了します。」
控室内に戻ってきた俺は一息つく、勝てたには勝てたが代償は結構でかかった。もう隠しておける戦い方はなくなったし、何より最後のデッキを越えての換装のをした場合は換装前のデッキが何枚残っていようと強制で全部破棄されるみたいだ…。考えて使わないと文字通り俺の手札が足らなくなる。
収穫は【罠術】と【トランプ】のコンボが発動出来たことか。この大会ではもう通用するかわからないが、普段の狩りとかでは有効になるはずだ。
そんな事を考えていると
進行役のGMが入ってきて
「皆様お疲れ様です。二回戦までが全ておわりました。ゲーム内で1時間の休憩といたします。ゆっくり体をお休めください。」
と休憩時間にはいるのだった。




