2回戦開始
PVPイベント2回戦、ちょっとした因縁のあるユースが相手だった。
「【トランプ】野郎がまだやってやがったのか、運良く1回戦は勝ったみたいだが。俺はそうはいかねぇぞ!」
「あぁたしかに運よく勝てたのかもな。幸運は2度続かないからお前を倒せたら実力ってことになるな?」
「生意気言いやがって、すぐに地べたに這いつくばらせてやるよ。」
そういってユースは両手剣を構えていく
ユースの《オリジンスキル》は両手剣だったな。登録スキルは他に【受け】、【ダッシュ】、【緊急回避】だったな…1回戦のチンケと違ってバランスもよくて簡単にはいかないだろうな。
「それでは2回戦開始!」
「おらぁ!!」
開始と同時にダッシュで俺に肉迫して攻撃してくるユース。俺もそれは予想していたからぎりぎりで回避に成功する。それと同時に一枚床にスクロールを地面に仕掛けておく。
「隙あり!」
狼のナイフで防具に覆われてないとこを狙うが
「そんなん効くかよ!!」
ユースはナイフの攻撃を意に介さず、反撃してくる。俺はそれを回避しようとするが避けきれずに少し当たってしまい吹っ飛ばされた。吹っ飛ばされたところにもスクロールを仕掛けておいた。
HPゲージも6割ほど削れていた。それをハートの7で回復し、<アクアボール>を詠唱で仕掛けるようとするがユースは間合いをつめて攻撃を続けてきてなかなかキャストタイムが終わらないでいた。ぎりぎりで躱せているがこのままだと負けるのは時間の問題なのでアクアボールをキャンセルして賭けにでることにした。
「手札開示!ストレート!」
クラブの7~Jでストレートで魔法をしかける。10とJには<ダブルファイア>を封じてるのでストレートで強化された火の玉がユースに二つ飛んでいく。これが直撃すれば無事にはすまない威力なのは一目瞭然だった。その間にも1枚スペルスクロールを仕掛けておく。
「ちぃ!やられるかよ!」
ユースは火の玉を一つは剣で受け、一つは避けて致命傷は避けていた。一つよけられたのは【緊急回避】の力かな…。くそ!これで決まってほしかった…。
「なかなかやるじゃねぇか…!」
そう言いながらまた俺に攻撃を加えようと迫ってくる!くそ、ここで切りたくはなかったんだけどな。俺はジョーカーを発動させる。ジョーカーに封じてあるのは<ファイアランス>で俺の手持ちの魔法の中じゃ最強の魔法だ。けど普通に撃っても【緊急回避】はクールタイムがなくて回避される可能性もあるからもうちょっとあてやすい状況で発動したかった。この際時間をすこしでも稼げればいいか。
「ぐっ!やってくれるじゃねぇか…!」
どうやら【緊急回避】にクールタイムはあったらしく、<ファイアランス>はユースにあたりユースにいくばくかの硬直が生まれる。しかしまだユースのHPは6割ほどのこっている。
ならここは押す!
「手札換装!スリーカード!」
ハート以外のQでスリーカードを発動させる。封じている<ダブルファイア>がとんでいく。
「それはさっきも見たぞ!」
見た目はストレートで発動した時とほとんど変わらないからユースも慌てることなく対応している。でもその分、こちらへ来るのが遅くなってくれればいい。また一枚スクロールを仕掛けた。
スクロールを仕掛けたところでユースが目の前に来ていた。
「無様にしねや!」
ユースが力任せにふりきってきた両手剣をとっさに狼のナイフで受け止めようとしたが攻撃力の差か耐久の差か、ナイフは砕けてしまった。そのまま俺に攻撃が叩き込まれ吹っ飛ばされるが、狼のナイフで少しでも防いだのが功を奏したのか。俺のHPはぎりぎりで残っていた。もう回復してる余裕もないので吹っ飛ばされた先でさらにスクロールをしかけた。
これで5枚、間に合った。最後の賭けにでよう。




