一回戦突破
PVP大会1回戦。俺とチンケは正面で向かい合って開始の合図をまっている。
「大口叩きやがって!速攻でおわらしてやるからな!」
と怒気を含めて言い放ってくるので
「そうならないように頑張るよ。」
と受け流しておく
そうすると審判の人が
「1回戦、開始!」
と始まりの合図をしたので
俺はハートの6を引き寄せ。自分いたところに罠として設置してからバックステップをして<アクアボール>の魔法の準備に入る。
「バカが!魔法にはキャストタイムがあるんだ、やらせるかよ!」
隙だらけに見えたのかチンケが俺にまっすぐ突っ込んでくる。しかし俺が置いたトランプが罠として発動し、<アクアボール>のスクロールが発動する。
「がっ!?なんで!?」
油断してたとこに魔法を食らったもんだから驚きを隠せなかったようだが、その間に俺が唱えていた<アクアボール>のキャストタイムが終わり、発動する。
自前の方の<アクアボール>は消費MPを多くして威力をあげてはいたがさすがに本職のスペルユーザーではなく、エクスプローラーな俺だと相手のHPを削りきれないで3割ほど残ってしまった。だがエクスプローラーはいわゆるスカウト系に属するようで俺はそれなりにAGIがある。なので相手が驚嘆してるうちに狼のナイフでの追撃を狙う。
「このやろっ!」
チンケはかろうじてよけて反撃してきた、しかし体制が不十分だったため、俺は簡単にかわすことができた。
その隙に俺は手札換装をして、ハートの5を引き寄せ発動させる。
「これで終わりだ。」
封じていた<アクアボール>が発動して体制をくずしている、チンケに直撃して、チンケのHPを削りきったのだった。
[【罠術】がレベル2にあがりました。任意発動選択ができるようになりました。]
とシステム通知が来た後に
「そこまで。勝者 ジン」
審判の人が勝者の宣言をしてくれるがチンケは納得いかなかったようで
「まてよ!そいつはキャストタイムなしで魔法を使ったりクールタイムすらなかっただろ!不正してるにちがいねぇ!失格だろ!」
と抗議してくるが
「不正は存在してません、チンケ様がジン様のスキルの使い方を想像できなかっただけです。結果は変わりません。ご退場を」
そういって強制退場させられたようだ。
俺は控室に戻り、一息ついているとサージがきて
「よう、余裕だったじゃねぇか。しかもまた新しい使い方してやがったな。」
「ま、一応な、相手が油断しきってたからな。次からはこうもいかないだろ。それよりサージは大丈夫なのか?相手次第じゃなかなか辛そうだけど。」
「相性はどうもならんからなぁ…そういう意味じゃお前と一番当たりたくないな。相性が最悪だ。」
「たしかにサージに相性はいいかもな。ま、手の内を知られてる分やりにくいけどな。」
そんな雑談をしていたらサージの出番がきたらしく呼ばれていった。
「とりあえず目標は達成か。少しは馬鹿にされなくなるといいんだけどな。次の対戦相手はどうなるのかなっと。」
確認してみるとスタットの町のギルドで絡まれたユースの名前があり、ユースが2回戦の対戦相手となっていた。




