旅立ち
―――オンリーユニークスキルオンラインをはじめます。
今日は他の町へいく旅立ちの日だ。ちょっと楽しみで早めにログインしてしまった。
「時間もあるし、マテラさんに挨拶していこうかな。」
そう思い<梟の目>に向かうことにする。
「こんにちわ、マテラさんいますかー?」
「はいよ。ジンじゃないかい。今日はどうしたんだい?」
「今日町を発つことになったので一応改めてご挨拶も兼ねて買い物をしておこうと思って」
「あぁ今日発つのかい。気を付けるんだよ。あたしゃ無事を祈ることくらいしかできないからね。それで何が欲しいんだい?」
「えぇ気を付けて行ってきます。戻ってきたらまた顔だしますね。面白いお土産話でも持って帰ってこれるといいんですけどね。あ、MPポーションを5個ほどお願いします」
「土産話を楽しみに気長に待ってることにするよ。5本で500銅貨だよ」
マテラおばあさんに代金を渡してMPポーションを受け取り、店を出て集合場所へ向かうことにする。
集合場所に行くともう3人ともきているようだった。皆早いな、まだ集合時間の10分前くらいなんだけどな。
「すいません、お待たせしました。皆早いですね、まだ集合時間の10分前くらいですよ?」
「まぁ楽しみだったもの。やっぱ新しい場所に行くときはワクワクするわよね。これはVRのMMOじゃないと味わえない醍醐味だと思ってるわ。」
そうアリナさんが言っているがその通りだと思う。たしかにふつうのMMOでも新しい場所にいけるようになるのは楽しみだけど、VRMMOだと臨場感がかなり違ってくるからその分期待も大きくなるんだよね。
「そうっすね、旅ってのを自分で体験するのはわくわくするっす」
「全身で世界を感じられるのがVRはいいですよね。それが楽しみでVRMMOをプレイしている人も一定数いるみたいですし」
ノーマンにチェリンさんも同意してくれる。
「さて、そろそろ行きましょうか。一応ジン君が聞いた話だとアクティブとリンクのモンスターがでるかもしれないってことだから、周囲の警戒は怠らずにね。私も【気配察知】のスキルは取れたけどあんま過信しないで全員で注意ってことで」
「了解です。」
「ラジャっす。」
「わかりました。」
全員で気を引き締めて歩いていたがしばらくして急にアリナさんが焦った声をかけてくる
「敵だわ!もう狙われてるから気をつけて!」
そういうと蜘蛛らしき敵が俺たちを狙ってきていた。
「通さないっすよ!」
「ノーマンさん、GJです!狙います!」
「追加で2匹来てる!ノーマン耐えてくれ!」
そういいながら俺はハート以外のKでスリーカードの<ファイア>を発動させる。
さらに
「手札換装!手札開示!スリーカード!」
換装術でハート以外のQを取り出し連続で発動させる。スリーカード状態の<ファイア>を2発うけたことで一匹の蜘蛛は瀕死になり、その蜘蛛をアリナさんが仕留めていた。
「<ダブルファイア>!」
2匹になるとそれぞれ対処がしやすくなり、スペルスクロールを使わずに【火属性魔法】とノーマンを回復するヒールウォーターで対応ができた。
蜘蛛を3匹倒したところで
[【換装術】がレベル2にあがりました。]
とシステム通知が来たのだった。
「また絡まれないうちに安全そうなとこまでいきましょ」
「そうですね。レベルアップとかの確認は安全を確保してするのがよさそうだ」
そういって先を急いでいると休憩所をみつけたのでそこで俺たちは体を休めるのだった。




