打ち上げ1
「さて、初ダンジョンを無事クリアしたとこだし、交流もかねて打ち上げにしましょ」
町に戻って来たとこでアリナさんが提案してくる
「いいですねと言いたいとこなんですが俺、実はすっからかんでして…」
「ジンさん、まだ金欠なんすか…」
「個室が高いのがいけないんだ」
「ドロップとか売ってないんですか?」
「ん?ドロップとかって売れるのか?そういやギルドで聞くの忘れてたな」
「冒険者ギルドでも大丈夫だし、武器や防具の素材は対応してる店でも売れるわよ?というかもう一週間はたってるのになんで知らないのよ」
「自分のやりたいことだけやってたもんで…それならさっきのドロップを売ればどうにかなるかな。そういやボスから剣と盾がドロップしたけど
鋳なおしたりして素材にできるか?」
「まだわかんないっすね。自分もドロップしたんで素材にできたら連絡するっす」
「わかった。それまで持っておくよ」
そのままギルドに行き、ドロップを換金する。兎の毛と狼の皮は服の素材として使えるとチェリンさんが教えてくれたので取っておく。800銅貨ほどの収入になった。
「これなら俺も参加できそうかな。そういえば打ち上げっていってもどこでやるんですか?」
「町に食事処があって追加料金を払えば個室も使えるわよ。このゲームは満腹度みたいなものがないから完全に気分だけだけどきちんと味とかはするみたいよ」
「オイラも行くのははじめてっすねー。知ってはいたんすけど」
「でも現状だと料理人プレイをやりにくいって声も出てて、 満腹度の実装も検討されてるみたいって私は聞きましたよ」
「ま、まだこのゲームはじまったばっかりだしね。運営も手探りなのかもね。とりあえず食事処にいきましょ」
そうして食事処に着いて、個室を借りて料理を頼む。個室代金は60銅貨で一人15銅貨程度で料理はピンキリだが平均で一人前50~80銅貨ってところだった。全員料理を頼んだあと雑談が始まっていた。
「しかしジンくんのトランプには驚いたわ。あれって結構手間かかるの?」
「ここだけの話にしてくださいよ?」
そう前置きをしてトランプのスペルスクロールの作り方を話していく。
「手間が多い分、便利ね。しかもスペルスクロールの問題の一つでもあるインベントリの圧迫も対応できるし」
「その分、自分が何のカードに何の魔法を付与したか覚えておかないとダメですけどね」
「気になったんすけど、ジンさんスキルいくつもってるんすか?オイラまだ2つなんすけど」
「確かに気になりますね。私も2つですけど話を聞いてると2つじゃ絶対できなさそうですし」
「まだ4つだけど」
「4つ!?そんなにスキル持ってる人聞いたことないわよ!?どうやって覚えたの!?」
「え、普通に依頼をこなしてたら町の住人のおばあさんから教えてもらえましたよ。」
「もしかして整理とか手伝いとかって依頼?」
「えぇ。報酬は低かったですけどね」
「報酬が低い分、そっちで優遇があったてことなのね。ああいう依頼はゲーム開始から3日くらいしたら依頼に出なくなっちゃったのよね。時限系の依頼だったのかしら」
「そんな感じっすかね。オイラは弟子入りした鍛治屋の人にスキルを一つ教えてもらっただけっすよ」
「私も同じ感じで教えて貰ってるお店の人から一つ教えてもらった感じですね」
「二人は生産職だし段階的に関連スキルを教えてもらえるんじゃないか?」
「かもしれないわね。これはいいことを聞いたかしらね。このゲーム掲示板はあるけどスキルの取り方に関してだけは絶対載せられないのよね。だからこういう情報は貴重よ。戦闘系スキルも教わる必要とかあるのかもしれないから二人ともお店の人からスキルを教えてもらえたら私にも教えてもらってもいいかしら?」
「オイラは問題ないっす!」
「私も大丈夫です」
そうまとまったところで料理がきたので話を中断して食事を楽しむことにしたのだった。




