準備は大切です。
〈梟の目〉での依頼を終えた俺はギルドに戻って達成証を空いてるカウンターで受付の人に渡す。
「はい、依頼達成ですね。おめでとうございます。これでノービスランクを卒業ですね。次はFランクとなります。貢献度を加算していくと最終的にはSランクまであげることが出来るので頑張ってください。」
「はい、地道にやっていきたいと思います。それで個室を借りたいんですが大丈夫ですか?」
「あと3時間ほどで営業時間が終わるのでそれまででしたら大丈夫ですよ。30分10銅貨になります。こちらの代金もランクがあがると安くなったりします。」
なるほど、ノービスとFランクは体験学習と駆け出しみたいな感じなのか。それならノービスの時はタダがよかったけどなぁ。まぁシステムなんだし仕方ないか。
えーと現在の所持金が120銅貨か3時間借りると半分吹っ飛ぶのか…痛いけどやらなきゃダメだしな。
「じゃあ3時間お願いします。」
そういって60銅貨を渡していく。
「はい、承りました。どうぞこちらへ」
個室に案内されて鍵をかけてから軽く息をしてリラックスする。
「さて、やってみますか」
そう気合いをいれて付与前のトランプのスクロールにファイアの魔法を付与していく。
付与していくうちに気付いたがトランプの数字によって込められる魔力量、つまりMPだが違うみたいだ。2~10、J、Q、Kはその数字に比例したMPが込められる、Aは大体20ジョーカーは25まで込められる。そしてこのゲームの魔法は発動に必要なMPさえ満たしていれば使うMPの量を増減させれるみたいだ。そして増減した分魔法の威力も増減する。普通に使う時の消費が最低じゃないってのがびっくりしたけど。
そんな感じでMPを自動回復させながらスペードのスートのA~Kまでとジョーカーに一枚ファイアの付与を終わらせたところで
[【火属性魔法】スキルが2になりました。使用可能魔法が増えました。]
[【魔法付与〈スクロール〉】スキルが2になりました。]
とシステムインフォが通知された。
「お、スキルがレベルアップか。新しい火属性魔法はなんだろう、確認してみないと。魔法付与はさっきの効率がよくなったりするのかな。」
火属性魔法を確認してみると〈ダブルファイア〉と〈アタックアップ〉という魔法を覚えていた。
〈ダブルファイア〉はファイアが2個飛んでく魔法でそれぞれ別の相手を指定することも出来るが消費がでかいので乱発はできなさそうだ。
〈アタックアップ〉は名前の通り物理攻撃力があがるのか。消費も軽くて使いやすそうだ。
「まじかー魔法付与する前に覚えたかったな。そうすればスペルスクロールに出来たのにな。」
そうごちたところで個室の使用時間がなくなりそうだったので鍵を返してギルドを出て少しした所でログアウトした。