使い道
「いったいどこでそれを!?」
アリナさんが結晶石を見せるとレジコさんはすぐに反応した
「ちょっと縁があって手にはいったんですよ、その反応ってことはこれであってるんですね」
「うん、あってるよ。正直今の状況なら喉から手がでるくらいほしいものだ」
「その事を話したくて直接話をしたかったんです」
「それは譲ってくれる意思があるってことかな?普通に売れば金貨5枚は軽く越えるモノだけど、この町のギルドにはそんな予算はないよ?」
「はい、そのつもりで来ました。代金はいらないので使ってください、これを見つけたジンの提案で町の防衛に必要なら使って貰おうと皆で決めたんです」
そう昨日皆に提案したのは魔除けの結界の話をマテラおばあさんに聞いたからそういう物がスタットにないか確認して、あるならばどうもとして渡そうと話したのだ。
かなりの売値になるものだから反対意見もでるかなと思ったけど皆賛成してくれたのだった。
「ありがとう、正直結界があるかないかじゃ町の被害が段違いになるはずだよ」
「魔除けの結界って話ですけどモンスターが避けてくわけじゃないんですか?」
「うん、魔除けの結界ってのは便宜上の名称でね、実際は町に侵入を防ぐ結界壁なんだよ、だから物量で押されて破壊される可能性もある」
「それなら急いで冒険者達に依頼を出して倒さないとまずいんじゃ?」
「そうだね、君達が結晶石を譲ってくれたから予算の問題も解決したし、今から依頼をだそうと思うよ、けど本当に良かったのかい?また手にはいるかわからない貴重品だよ?」
「はい、私達じゃ使い道がなかったですから町が無くなったり、深刻な被害が出るよりは使い方がわかってる使い方をした方がいいと思ったので」
「ありがとうスタットに住む人間としても、ギルドマスターとしてもお礼を言わせて貰います」
レジコさんが深々と礼をして俺達に感謝してくれるが
「レジコさん、まだ早いですよ、まずはスタットの町を守ることを考えましょう」
俺が思わず言うと
「そうだね、お礼は町を守れてから改めて言わせてもらうよ。ギルドから冒険者全員に依頼を出すから君達も参加してくれるかな?」
「もちろんです、スタットの町は好きですからね」
「ありがとう、早速依頼を出してくるよ」
「じゃあ私達はひとまずこれで失礼します」
「うん、また後で」
そう言ってレジコさんの部屋から出ると
『ギルド『フリーダムシーカーズ』がクエスト条件を達成しました。これより緊急ワールドクエスト『スタット防衛戦』が開始されます。皆様の参加をお待ちしております』
ワールドクエストの開始がシステムより告知されたのだった。
「よし、面倒なことになる前に部屋に戻るわよ!」
「異議なし!」
急いで宿にもどることにした。




