梟の目にて3
午前中に兎を二匹倒してきた俺は午後にギルドの依頼掲示板を確認して道具屋の整理の依頼を見つけ、受付で〈梟の目〉からの依頼なのを確認しまた受けていた。
「マテラさん、ジンです。依頼を受けてきましたー。」
「はいよ、じゃあまた整理から頼むよ」
お互い大分打ち解けたのかフレンドリーに言葉をかわしてから俺は整理をはじめる
きっちりと整理がおわったとこでマテラおばあさんが声をかけてくる。
「ありがとよ、大分慣れたもんだね。」
「もう3回目ですからね。」
「なら少しお茶にでもしようかい。こっちに来て座りな」
そう言ってマテラおばあさんは椅子を勧めてくる。
「お言葉に甘えますね。失礼します。」
椅子に座り出されたお茶を飲みつつ、一息ついたところでマテラおばあさんが話しかけてくる。
「ところでこの前火の魔法を使えるようになったろう?試してみたのかい?」
「はい。兎を相手にしてみました。」
「率直にどう思ったかい?」
「まだ経験が少ないのと自分の資質なのか、効率はあまりよくないなと。魔力の回復が遅いと思いました。」
「まぁ魔法が得意でないならそんな感じだよね。それを事前の準備である程度やわらげることができるのがスペルスクロールの役割でもあるんだよ。だから今日は魔法付与の仕方を教えてあげるよ。ここまで覚えればスペルスクロールが完成できるようになるからね。」
「結局全て甘えてしまって…ありがとうございます。」
「いいんだよ。ここまでは気にいったから教えてるだけさ。他にも教えれることはあるけどそっちは有料にしてもらうしね。」
そう言ってマテラおばあさんは笑っていた。
そうか有料でも何かを教えてもらえるのかこれはいいことなはず。それにマテラおばあさんに教えて貰ったことでトランプでも戦いができるメドがついたのもありがたい。本当にマテラおばあさんには感謝だ。
「じゃ魔法付与を教えるよ、こっちに来て付与前のスクロールを用意しな。」
「はい」
「やり方自体は自分で作った付与前のスクロールなら簡単だよ。魔法を使う時の要領でスクロールに魔力を注ぐってだけさ。ただ発動はさせないってだけでね。これが他人が作った付与前のスクロールならスクロール作成者の魔力と自分の魔力を同調させなきゃいけないから難易度がはねあがるけどね。さ、やってごらん」
「わかりました、やってみます。」
そういって用意したトランプスクロールのハートのAのカードに魔力を注いでいく。そうしてトランプに魔力が満ちると
[ファイアの魔法付与に成功しました。スキル【魔法付与[スクロール]】を獲得しました。]
とシステムインフォが表示される
「よし、出来たようだね。」
「はい、出来ました。けれど魔法付与は物によってやり方が違うんですか?やってみた感じ俺はスクロールにしか付与できなさそうです」
「そうだね。付与させる物によってやり方は全然違うよ。自作スクロールに付与するのは一番簡単だよ。武器とか鎧とかにするのはもう別物だね。だからそういう武具はマジックアイテムで値段が高くなるのさ」
「出来る人が限られるんですね。」
「そういうことさね。さ、これでサービスは終わりだよ。今回の達成証を持っていきな。次は客としてきな。依頼があっても期待するんじゃないよ。」
「はい、色々とありがとうございました。教えてもらった事を活かしてお客として来れるように頑張ります。」
そういって達成証を受け取りギルドに戻ることにする。