スキップ
うまいこと擦り付けた。劣化と脱落の隙間を。
引きずる足はどっちだったか。黄金の右足か、老朽の左足か。
僕の目は、自分のスキップに釘付けだ。
ニュースの台本から抜け落ちた不幸と不公平。
振り向いて乱打しろ。振り向いて乱打しろ。
高給取りのサラリーマン?が、自信に満ちたタップダンスを披露している。
ここで負ける訳にはいかないんだ。何のための黄金の右足か!
悠々自適な老人?が、足音のシンフォニーを響かせている。
これで諦める訳にはいかないんだ。何のための老朽の左足か!
誰も待ち望んでいない、一か八かのスキップ。
こんな結末に、アンケート好きの探偵が頭を抱えている。
引きずる足はどっちだ。いっそ捨て犬の刺青を彫ればいい。
さりげなくたどり着いた。廃棄と焼却のエントランス。
ここなら僕らは輝ける!ここが朽ち果てた黄金郷!
その真ん中で、僕らは望まれた命を謳歌した。