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9.警告

 朝になり起きだす。シーラはベッドにいなかった。

 1階へ降りると姉妹二人で朝食の準備中だ、昨日と違って元気そうで安心した。


「おはよう。」


「おはようございます、ナオヤさん。」


「おはようございます。」


 テーブルにはパン・チーズ・野菜・スープなどが並んでいた。


「さー食べましょ。」


「ん、美味しい。」


 三人と一匹で朝食を食べた。そしてのんびりお茶を飲む。

 その後は武器や防具の手入れ。それからお昼寝。

 のんびりまったりこれからの事を考える。

 領主が関係しているならどこか別の領へ拠点を移すべきかみんなと相談しよう。



夕食時


「街を出てどこか別の領へ行くべきか考えているんだが、二人はどう思う?」


「そうね~そういうのも有かな。」


「3人一緒ならどこでもいい。」


「私を忘れてない?」


「ごめんなさい、もちろん先生も一緒です。」


「何処かいいとこないかな。王都から遠いとこ。」


「王都から遠いとこがいいの?」


「そうだね、遠いとこなら自重しなくてもいいかなと。

 むしろCランク位に上げたほうが手出しされないと思う。」


「辺境の港街とかどうかな。辺境の開拓をしてるんだけど、

 まず港街を作ってそこからじょじょに周辺に向かって開拓を広げているみたい。

 魔物も多いらしいから仕事には困らないと思う。」


「なんか楽しそう。」


「海かいいな。そこに行くとしたらこの家はどうするの?」


「そうね、売ってしまいましょ、聞かれたら生活が苦しいからとか言って誤魔化すわ。」


「家を売るとなると・・・・少し考える時間を作ろう急がなくていい二人ともよく考えて。

 家は売らずに行くという手もある。」


「そうだなこの際だから話しておくべきだからよく聞いて欲しい。

 君たちは魔王の復活と勇者の召喚について聞いたことがあるかな?」


「「・・・」」


「魔王は復活した、そして勇者が召喚された。

 召喚したのはこの国ではないがいずれは公表されるだろう。

 そして魔族との戦いが始まる。

 この国は魔族の領域に接してないから戦いは遠い所での話だが。

 ここまでの話はいいかな?」


「それで俺のことだが、俺は勇者が召喚された時についでに女神が召喚しこの国へ送られた。

 俺の能力は女神に与えられたものだが勇者程の力はない。

 そして勇者と違い義務はない自由にしろと言われている。

 それから俺の事を知っているのは女神とメイリン、君らだけだ。」


「そんな事情があったなんて。」


「話してくれてありがとう。」


「俺が恐れているのは転生者であることを王宮に知られて魔族との戦いへ送られることで、

 その為に目立つのを避けてきたわけだ。

 強い冒険者なら他にもいる、王都から遠ければ多少目立ってもいいと思う。

 高レベルの鑑定スキル持ちは王都にいるようだからね。」



 その夜はベッドにミリーが入って来た。


「私は賛成よ。」


「シーラとよく相談するといい。」



 家は売ることになった。


「そうか、じゃ家を売って出発の準備をしよう。

 それから辺境では手に入りにくいものはここで多めに買い揃えておこう。」


 それから、旅にそなえて食料や香辛料他、生活物資を買い込み準備をしていく。

 家はすぐに売れた。家具などはアイテムボックスへ収納し一旦宿に泊まることに。


「最後の仕上げをしたいと思う。領主への警告だ。

 今夜領主の館の庭に派手に雷を落とそうと思ってる。

 みんなは反対かな。」


「いえ、賛成よ。」


「いいと思う。」


「派手にやっちゃいな。」メイリンは派手なのが好みか。


「それじゃ、今夜は一人でいってくる。」


「あら、私も見学にいくわよ。」



 気配を消しメイリンと共に静かに歩いていく。

 領主の館が見えてきた、大きいさすがは領主の館だ。

 大きな門が正面に有り広い庭には花壇が有る。

 外塀を横に回り込み角に潜む。

 静かにゆっくりと魔力を練る遠慮するつもりはない、そして上級魔法を放った。


『ライジング サンダー』


 まぶしい光が辺り一面を覆いつくし大きな音と共に庭の中央辺りに雷が落ちた。

 衝撃で正門が吹き飛びガラスの割れる音と悲鳴が聞こえた。

 覗いてみたが土埃が舞っており薄っすらとクレーターのようなものが見えた。


「退散しよう。」


 これから領主はこれが天災なのかそれとも知らずに虎の尾を踏んでしまったのか

 大いに悩むことだろう。そうなってほしい。


 翌日の朝、乗合い馬車に乗り辺境へと旅立った。


読んで頂いてありがとうございます。

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