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7.仲間ができた

 二人仲間が増え三人と一匹になった。翌朝


「おはようございます。」


「おはよう、今準備しますね。」


 手提げバッグから食材をテーブルへ出す。

 美人姉妹が仲間になってウキウキ気分で挨拶した。

 チラリと胸に目が行ってしまう。

 いきなりハーレム回突入か?

 いやいや彼女らは仲間だ自重しなくては。

 それが見透かされたのかメイリンがじっと見ている。


「あ、手伝います」シーラが桶に手をかざすと水が出てきた。


 生活魔法か他人のは初めてみるが手馴れているのがわかる。

 順次顔を洗い、シーラはテーブルの上の食材で朝食を準備しだした。

 ふたりは何も言わなかったが明らかにテーブルの上に置かれた物からするとバッグは小さい。

 食材はいずれも保存食ではないのに古びていない。

 シーラは黙ってそれらを切り分け皿に分ける。ミリーも何か察したようだが何も言わない。

 残念だがいつもひとりなのでイスは足りない。

 そもそもテーブルやイスが有る時点でおかしいのだから。

 そんなかさばるものを持ち歩く旅人はいない。物理的に無理だ、馬車が有れば別だが。

 昨日はそれどころじゃない状況だったが、朝になって気づいたのだろう。


「魔法? 手品?」


「ぶっ、ミリー私だって黙ってたのに、いいから食べなさい。」


 今日は立食形式だ。


「秘密ね。」


 アイテムボックスはやはりレアなのだろう、知らない人もいるようだ。



「これからの事だが、一緒にやるからには二人には強くなってもらいたい。

 それでここでしばらく訓練をします。という事でいいですか師匠。」


「私かよ、しょうがない、有難く思いなさい二人とも。

 初級の魔法と気配察知・隠蔽からね。」


「「おねがいします。」」


「それじゃ今から始めようか。」


 メイリンの魔法教室が始まった。

 午後は俺が弓を教える。

 メイリンの魔法教室が始まって気づいた、自分がチートだと。

 今まで違和感なく使えていたので気づかなかった。

 シーラの属性は水、ミリーは火だ、姉妹二人は自分の属性魔法しか使えない。

 生活魔法は別だが、個人の属性によって使える魔法が制限されるようだ。

 気配察知・気配隠蔽は無属性で姉妹は覚えることができた。


 3日間スパルタ教育が続き次は実戦も交えながら練習となった。

 まずは、気配察知・隠蔽を行いながら獲物を探す。

 見つけたら静かに近づき弓で射る。

 小動物はいいがゴブリンは当たっても襲ってくるので魔法を放つ。

 まだ仕留めきれないときは弓持ちも魔法を放つ。

 失敗したときは俺の出番となる。


 二人で交互に弓を交代しながら狩っていく。

 小動物は警戒心が強い上に小さいのでゴブリンより難しい。

 5日程続けたらウサギも狩れるようになってきた。

 ウサギや鳥が狩れた時は姉の出番だ綺麗に捌いて丸焼きにしてくれる。

 今日も夕食にと鳥を焼いているが自分たちで狩った成果なのか

 嬉しそうに焼いている。弓はふたりのほうが俺よりうまくなった。


「単体のゴブリンくらいなら遭遇してもなんとかなるでしょう。

 危ない時は逃げる。いい? 無理しちゃだめよ。

 街の外では常に気配を消して隠れるように移動するの

 襲ってくるのは魔物だけじゃないのよ。

 とりあえず初心者コースは終了ね。」


「「ありがとう。」」


 夕食を食べながら二人はいろいろと感謝の言葉を述べた。


「いったん街へ戻って休養しましょう。」


 翌日二人の住む『アーミルの街』へと向かった。





 『アーミルの街』は『ドガの街』程ではないが大きな街だった。

 二人の家は白い小さな2階建てで裏庭には井戸がある。

 キッチンへいき夕食の食材をテーブルにおいた。


「つかって。」


「ありがと。準備するわ、ミリー部屋へ案内して。」2階へ案内された。


「両親の部屋だったの自由につかって。」


 簡素な部屋、古びたベッドとタンス


「ここなら普通に会話できるな。」宿では壁が薄いので小声での会話だった。



 夕食を食べながら。


「明日から3日は休養しよう。」


「はい、魔石を換金すればしばらく生活費は心配ないわ。

 知り合いの道具屋があるの、そこで弓も買う。みんなで見に行きましょう」


「賛成ー値切るのはまかせて、ふふ。」


「街を案内してもらえるか。」


「まかせて。」



 その夜寝ていると、静かにドアをあけ、ベッドにミリーが入ってきた。

「大丈夫、お姉ちゃん寝てるから。」




 翌朝ミリーはいつもと変わらないがシーラがチラチラこっちを見ている、

昨夜の事、気づいているようだ。


「弓の他に防具も一式そろえよう。仲間になった記念に贈り物だ。」


「やった。」


「ありがとう。」


 朝食をすませ道具屋へ出かけた。魔石を換金、弓・皮の防具一式を買いそろえた。

 弓と防具は俺が支払った。それと3人寝れるサイズのテントをもう一つ買った。

 いったん家へ戻り出かけた、今度は街を案内してもらう。

 案内してもらいながら旅で消化した食材を買い込みアイテムボックスへストックする。

 3日かけてストックを増やすつもりだ。仲間が増えたから多いほうがいい。

 服や日用品もストックしておこう、いつでも長旅に出られるように。

 恥ずかしかったがふたりにも下着や服の他にも長旅に必要な物を買い揃えるように話しお金をわたす。

 それぞれに大き目のバッグに用意してもらうことにした。

 女性の買い物は付き合うのが大変そうなのでふたりで買い物へ行ってもらう。



 夕食時


「君たちは時々クエストを消化したほうがいいが、

 ギルドでは俺の名前はださないでくれ。

 俺はあまり目立ちたくないんだ。

 ランクが上がらなくても生活できるからな。」


「いや、君たちには話しておいたほうがいいか。

 実は、前に少しばかり目立ったせいで盗賊に狙われてね、

 もちろん対処したが、そいつの仲間がまたやってきた。

 対処済みだが次はどうなるかわからない。

 盗賊もそうだが、俺の能力の事もある、目立つと面倒な事になりかねない。」


「わかったわ。」


「3人の秘密ね。」


「それと、君たちは人を殺したは事ないだろうが、冒険者としてやっていくなら

いずれそういう時がくるだろう。覚悟はしておいたほうがいい。」


「これじゃどっちが年上かわからないわね。」



 3日間の休暇を終えた夜。


「明日は街の外へいくのよね。」


「そうだね、訓練を再開しよう。」


「お昼のお弁当を用意するわ。」


「お弁当!楽しみ。」


「ミリー、遊びじゃないのよ。」




 街の外へでて森へはいる、全員が気配を消し歩いていく。


「それじゃ、中級魔法の習得ね、ビシバシいくわよ。」


「「はい。」」


 メイリンの魔法教室が始まった。

 午前中は習得と練習、午後からレベル上げを兼ねて魔物相手に実戦訓練だ。

 ふたりのレベルは15と14俺は41。ふたりともまだまだだ、レベルをあげなくては。

 その為にもゴブリン以外の魔物も狙いたいが、こちらの都合に合わせてはくれない。

 ゴブリンの上位種やワードッグ・コボルトなど適正レベルの魔物は単独では行動しないし

他の適正レベルの魔物は狩られて数が少ないのか見当たらない。

 ゴブリンだけは繁殖力が強いのかいくらでもわいてくるので数をこなすしかない。

 もどかしいが訓練も兼ねているのでしばらくはそれでいこう。


 森での訓練を初めて5日目の朝

 街を出て森へ向かうが、少し離れて後ろから冒険者グループがついてくる。



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