34.ダンジョンへ行こう
「ダンジョンへ行こう。」
「いきなりなんじゃ。」
「騎士団がどうでるかわからない、だからレベルを上げておきたい。」
パワーレベリングはやりたくないが贅沢を言える状況じゃない。
「だからみんなでダンジョンへ行こう。」
「なるほど騎士団対策か。」
「仲間をひとり殺したんだ、最悪の事態を想定しておかないと。
俺はレベル53シーラが45ミリーは44だが目標は80だな。
勇者のレベルはいくつだ? 魔王様知ってる?」
「いや知らんな、戦いが終われば側近が情報をもってくるだろう。
80位はあると考えたほうがいいな。」
「さらに勇者は『女神の加護』を持っている。」
「ああ持っておるじゃろ。過去の勇者も持っていた。」
どんな効果か知らないがレベル以上に強いはずだ。
こちらの人間に勇者だともてはやされ踊らされて魔族と戦う愚か者だが強いだろう。
戦う相手が影武者だと気づかないような愚か者であってほしい。
「とにかく明日からダンジョンでレベル上げだ。」
「お弁当を用意しなきゃ。」
「人数は少ない方がレベルが上がるからメイリンはお留守番。
魔王様の使い魔はどうしようか、他の冒険者がいるのかわからないな。」
「こんな時に他の冒険者など気にしてどうするのじゃ。」
「そうだな、最初は少し離れてついてきてもらうか、地下5階過ぎたら他の人間はいないだろうから。」
「魔王様、宝箱見つけましょう。」
「うむそうじゃな、今度は見つけて帰るぞ。」
「次は罠にかからないようにしてくださいね。」
◇
翌日みんなでダンジョンへやってきた。
雑魚を相手にしてもしょうがないので俺が蹴散らして地下5階まできた。
ここはオークが出てくる。
「この階はシーラとミリーに任せる。」
「任せて、ミリーやるわよ。」
「はーい。」
ここは3度目なのでふたりはもたつくこともなく順調に進んでいく。
そして地下6階へついた。
「ここからは俺も加わろう。」
3人でやっていくと危ないこともなく進んでいく、魔王はヒマそうだが出番までは我慢してもらおう。
「魔王様、宝箱ー。」
「それは前にみた魔獣が入っとるやつじゃろ!」
「また涙目見たかったのにー可愛かったのに。」
「そんな理由で魔獣をけしかけるな。」
「ここで休憩しようか。」
「そうね、お茶にしましょ。」
しばし休憩。
「ここからきつくなる注意して進もう。」
「そうね、気持ち悪いのもいるから。」
シーラは蜘蛛が苦手のようだ。虫系がダメなのかな?
「グロい魚は平気なのに変なの。」
「お魚は美味しいでしょー。」
食べられるかどうかの違いのようだ。
「私がこんがり焼いてあげる。」
「ミリーが美味しそうに食べたら平気になるかもね。」
「それはイヤ。」
「行こうか。」
それから地下8階の蜘蛛を相手にミリーが炎を連発し火だるまにしていく。
「こんがり焼けてるわね。」
そして地下10階へついた。
「ここからが本番だ。気を引き締めて進むぞ。」
俺は魔物に接近されないように足止めを重視しダメージ与える。
大きな一撃はふたりに任せなんとかクリアし地下11階へ降りる階段を見つけた。
「降りる前に食事にしよう。」
「お腹空いたー。」
「そうしましょう。」
「次は魔王様の出番です。」
「やれやれ、退屈してきたとこじゃ。」
「地下15階位まで行けるかな。」
「余裕じゃ。」
「任せた。」
魔王を先頭に地下15階へ行き帰ってきた。
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