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3.初めての魔法

「起きなさい。今日から訓練をはじめるわよ。」


 ああ、訓練?何のことだ・・・あ思い出した俺は異世界に来たんだった。


「メイリンおはよう、すぐ準備するから。」


 顔を洗ってメイリンと共に食堂へ行くと朝食が用意されていた。


「おはようございます、朝食用意できてますのでどうぞ。」


「おはよう。いただきます。」


 メイリンの分も用意されていた、なかなかいいところだ。

 宿の料金は朝夕食付きで一泊銀貨6枚とりあえず3泊分前払い済みで、

今日の昼食は昨日弁当(銀貨1枚)を注文してある。

 前日に頼めば朝受け取れる。

 朝食にシチューとパンを食べ弁当を受取り部屋へもどる。

 腰に昨日買った剣とナイフ弁当はアイテムボックスへ収納し準備万端。


「さー行きましょう街の外で訓練よ。」


 宿をでて門へ歩く、メイリンは肩だ、門番にかるく挨拶して昨日歩いた道のりを逆にたどる。


「何のんびりしてるの訓練なんだから走りなさい、ほらほら。」


 走りだす、こちとら社畜だ長時間労働は得意だが長距離走は苦手だ、

すこし走っただけで息が上がる。

 まいったこんなにきついとは、時々休憩しまた走る。

 やっと昨日の場所までたどり着いた。


「はあ、休憩~。」


「ダメダメね。こんなんじゃゴブリンにも勝てない。少し休憩したら魔法の訓練をするね。」


「・・・。」



「はい休憩終わり、さて魔法ねまずは生活魔法から。

 この世界の人間は小さい頃から火を起こしたり水を出したり、

夜には光を出したりしているの。

 大抵の人は生活に必要な魔法を使える。

 なかには水が出せないとか光らないとかいう人もいるけど。

 そういうわけで生活に必要だから生活魔法と言う。

 魔法使いとはこれとは別に攻撃魔法が使える人のことね。

 魔法を使うにはイメージが大事よ、

体の中の魔力を感じて指先から水が出るのを想像して

『ウォーター』と言ってみなさい。」


イメージか・・・水、水、指先から水、『ウォーター!』「出た!」


「声が大きい、魔物が来るわよ。ステータスを出してみて」


「ステータスオープン」


サイトウ ナオヤ LV 1


HP 10/10

MP 8/10

----スキル----

水魔法 LV 1/10

翻訳  LV 1/10

鑑定  LV 1/10

アイテムボックス LV 1    

-----称号-----

転生者



「あMPが少し減ってる。」


「次は光ね呪文は『ライト』。」



「どんなかんじ?」


「なんだか体がだるい。」


「休憩しましょ、魔力が残り少ないとそうなるから。

 戦闘中はそうならないように気を付けて。」


「・・・。」


「宿でも休憩をはさみなら練習しましょう。あ、宿では光だけね。」


「・・・。」



「さてそろそろお昼ね、休憩して午後は剣の練習だけど、

私は教えられないから剣を振って適当に練習して。」


 疲れた、結構きついけど、生活の目途もたっているし新しい事を覚えるのはなんだか新鮮だ。

 この世界でも生きていける。

 いやただ生きるだけではなく楽しんで生きていける、そう思えた。

 午後は1時間程剣を振り回しなんとか違和感なく振れるようになってきた。


「それじゃ次は手伝うから魔物を倒すよ。行くわよ。」歩き出した。


「いた、ほらあそこ、気配を感じるでしょ。」


 少し離れた所に何か見える、姿勢を低く観察してみると人間ではない何かがいたが気配は感じない。


「まずはおちついて、眼を閉じて音とか臭いとかを感じて周囲の様子を想像してみて。」


 眼をとじてやってみた、たしかになんかいるような感じだ。


「たいかにいるな、何匹かまでは分からないけど。」


「あれはゴブリン1匹、周囲には他にいないようだからやるよ。

 気配を消して不意打ちする。まあ途中気づかれるだろうけど1匹だし落ち着いて。

 初めてだからサポートするから。」


 剣を抜き姿勢を低く静かに歩きだす。気づかれた、こっちを向いたゴブリンと目が合った。


「落ち着いて、ほら立って、剣を構える。硬いわよリラックス!」


『グギャ、グギャ』なにやら叫びながらこん棒を持ったゴブリンが向かってくると


 メイリンが前足を向け『パラライズ!』と唱えた。

とたんにゴブリンは動きが鈍くなる。俺は剣を何度か突き刺した。ゴブリンが倒れた。


「はぁはぁ」息が上がる。さすがに魔物とはいえ人型だ、これは魔物魔物と

自分に言いかけせる。

 ゴブリン相手にこれでは盗賊に遭遇したらどうなるか。

 メイリンの話では整備された道を行き来する商人や旅人にとっては

魔物より盗賊のほうが厄介だという。

 魔物の嫌がる臭いを放つ薬草もあるようだが盗賊には効果がない。


 たしかゴブリンの討伐部位は左耳だったはず、クエスト票に書いてあった。

 左耳を切り落としアイテムボックスヘ収納する。


「さあ次いくよ。気配の察知と隠蔽も練習しながらね。」


 こうして帰る頃にはゴブリンを10匹倒し薬草も30本ずつ集まった

 今日は訓練メインで採取はついでなので少なめだ。LVは6になっていた。

 後半になるとメイリンのサポートなしでゴブリン1匹はなんとかなっていた。

 薬草2種各20本とゴブリン1匹の討伐部位をギルドへ納品し薬草の残りは薬屋へ売る。


 日中は街の外で訓練し採取と討伐、夜は宿で光の魔法の訓練という生活を

10日程続けていたらLVは20、冒険者のランクはEとなっていた。

 初級の攻撃魔法も使いこなせるようになりゴブリン討伐は3匹程度なら

群れでもなんとかなった。

 得意なのが『アイスアロー』複数の氷の矢を打ち出す。

 炎より重量があるのでストッピングパワーがあり火事の心配がない。

 1m程広がるので単発よりは狙いが大雑把でいい。動く相手には有効だ。


「レベルも上がって来た、今なら盗賊が相手でもなんとかなるかな。」


「なに言ってるの、そこらの盗賊だってLV20超えはいるんだから魔法使いもいるし

見かけたら隠れるの!でないと死ぬよ。」


 たしかに盗賊は一人ということはないだろう。

 殺人になれてるし戦闘能力で格上だとさらにまずい。

 見かけたらまずは気配を消して隠れよう、

今日はゴブリン相手に楽に勝てたので少し盗賊を甘く見ていたのかもしれない。

 これまでもゴブリンの数が多い時は逃げていた。


「少し大きな街へ行きましょう。剣の指導を受けるの、

盗賊を相手にしたいなら剣の腕も上げなきゃね。」


「そうだな、そうしよう剣での戦いは自己流だし今は格上に正面から相手にしたくない。」


 ステータスに頼った剣では格上には通用しないだろう。

 戦いの中で学ぶにしても基本は大事だ。

 人間相手に戦ったことがない自分が通用するのか不安もある。

 そして人間を殺せるのかどうかも。

 もちろん危険な状況でためらうつもりはないが。


 道具屋で剣を買った。

 今まで使っていた剣より少し長め、力もついてきて問題なく振れそうだ。

 今まで使っていた剣は収納しておく、狭い場所では有効だから。

 両手で使うロングソードは自分の戦闘スタイルに合ってないのでやめておく。

 まず剣を抜き相手に見せつける、そこで魔法をぶっ放せば相手の意表をつける。

 短すぎる剣では効果が薄い。人間相手でも剣士と思われてたほうがいざ戦闘の時有利だろう。

 魔法の有効射程に平気で突っ立ってるのだから。

 魔法が初手で接近された時に剣で牽制と防御し合間に魔法で攻撃する、

 やれそうならなら剣でも攻撃する。まずはこのスタイルでやってみよう。


 地図・食料、他に旅に必要な物を準備し隣の街へ向かう。

アイテムバッグはやはり便利だこれだけそろえても肩掛けのバッグ1つで歩き出せる。



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