25.海賊その後
朝になった。
二階から海を見ると沖に船が3隻停泊していた。
「あの船まだいる。なんで?」
「船の乗員の大半が海の底で残りが捕まってるんだろう。」
大きい船を動かすにはそれなりに乗員が必要だと思う。
「朝食にしよう。」
食後にお茶をのんでいると疲れた顔でカイルが訪ねてきていろいろと説明してくれた。
俺達が去った後住民が興奮して騒ぎ出したが衛兵は住民に家へ帰るよう促し
その一方で漁船へ分乗し海へ漕ぎだし小舟3艇の海賊へ向かった。
海賊は抵抗せず衛兵に拘束された。
小舟が大きく揺れた為大半の武器を失いオールも流れた為どうにもならなかったようだ。
「さっさと帰って正解だよ。それで住民を家へ返して混乱せずに済んだ。」
「沖の船はどうなるんだ?」
「さてな、今は衛兵が監視している。」
「そうか、ありがとう。しばらくは家にこもってるよ。」
今外出したら興奮した住民に取り囲まれてしまうかもしれない。
「そうしたほうがいい。」
そうして帰っていった。
「海賊捕まったのね。」
「ああ、衛兵がちゃんと仕事をしたみたいだね。
今頃海賊に船の状況についてお話し中だろ。」
外出できないのでラーメン修行をすることにした。
こういう時は別の事に集中するほうがいい。
翌日の朝も変わらず沖に船は停泊していた。
あの船を動かすには他の街から乗組員を連れてくる必要がありそうだ。
それから使者が来てギルドへ来るように伝言を残していった。
「ちょっと行ってくるよ。」
ひとりでギルドへ向かった。
あの船をどうにかする簡単な方法は沈めてしまうことだ。
火矢を打ち込めばいい。そうせずに自分が呼ばれたのは
別の方法を考えているんだろう。
受付嬢に案内されて支部長の個室へむかった。
「わざわざすまないね。領主から協力要請がきてね。
衛兵があの船の接収に向かうので支援できる人を派遣するように言われてね。
君が適任のようだからたのむよ。」
「俺の役割はなんですか。」
「衛兵が交渉するから決裂したらまず一隻沈めて様子をみるそうだ。
一隻沈めたら直ぐに白旗を掲げるだろう。
最悪の場合3隻とも沈めることになる。」
「衛兵が盾で守ってくれるから矢が飛んできても大丈夫だ。」
「わかりました。」
港には衛兵が待っていてさっそく向かうことになり。
衛兵と共に船に乗り込み5隻の小舟で沖合へ向かった。
衛兵が頑張って漕いでいるが船は遠くなかなかたどりつかない。
今日は風も弱く波も穏やかなので酔わなくて済みそうだ。
海賊船を見ても動きはないようで誰もいないように思えた。
そして海賊船から距離を保ち停船するが攻撃はなく人の気配がない。
先頭の船にいる衛兵が呼びかけるが返答がない。
「一隻沈めてくれ。」
やはりこうなるか。
「少し近づいてくれ。」
魔力を練って上級魔法『ファイヤーレイン』を放った。
火の雨が降り注ぎ船は直ぐに炎に包まれそして悲鳴が聞こえてきた。
そうすると他2隻から人の姿が現れ燃え盛る船を呆然と見ていた。
しばらくして白旗が上がったので俺の仕事は終わった。
降りてきた海賊を拘束し船に衛兵が数人乗り込んでいく。
戻って来た衛兵を乗せ港へ帰ってきたら港には多くの住民が
集まっていて衛兵が解散を促していた。
盗賊は全員捕まえたことを伝えると安堵の表情で皆帰っていった。
ギルドへ報告に行くとカイルがいた。
「ナオヤか、やっぱり君か。」
うなづいた後受付へ報告に向かい『完了』したとだけ伝えた。
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