14.家を探そう
翌朝皆で教会へやってきた。
「フィーリアの様子を見に来た。」
「はい、だいぶ良くなったようで朝食も食べてます。あれなら家へ帰れますね。」
食べれるようなら退院だな。
「経過はよさそうだね。」
治療院にはカイルもいた。
「おはよう。」
「良くなったようだね。」
「来たか、おはよう。フィーリアこの人はナオヤさん、
君の治療をした人で冒険者だ。」
「あなたが治療を、助けてくれてありがとうございます。」
「ん、顔が赤いぞ、惚れたか?」
「ち、違います。だって・・服を・・・。」
「なんだ、そんなことか。治療の為だからな、どうせならお礼にもう一回見てもらえ。
安心しろ俺は後ろ向いてたから見てないぞ。がはは」
「貧血については聞いたかな?」
「おれが話しといたぞ。」
「聞いたと思うが君は毒矢を受けたうえに腹からいっぱい
血が流れたようだから当面は安静が必要だ気を付けて。」
「ほんと重症だった。助かって良かったよ。」カイルがしみじみと言った。
「ありがとう。」
「ああこれはお礼だ、受け取ってくれ。」
金貨の詰まった袋を渡された。
「礼なら教会へと言ったはずだが。」
「教会にも寄付したぞ、だから遠慮するな。君には感謝してる。」
「それなら受け取ろう。」
「お茶でも飲みましょう。」
シスターカーラは寄付金も入ったのでニコニコだ。
「はい、いただきます。」
「商人のロイさんが借家を探してくださるそうで。」
「ええ、紹介してもらえることになりました。」
「いい家が見つかるといいですね。」
「海が見えるといいな~。」
「キッチンが広いとこがいいですー。」
ふたりの気に入るとこが見つかればいいな。
午後になって商人のロイさんが訪ねてきた。
借家をいくつか案内してくれるそうなので皆で見学ツアーとなった。
案内されたのは二階から海がみえる木造の家でキッチンも広めだ。
裏庭に井戸がある。
教会にわりと近い場所を紹介したのはシスターに配慮したのだろうか。
これなら二人の希望に合いそうだ。
「二人はどう?気に入った?」
「キッチンもよさそうね。部屋も揃ってるし。」
「海が見えて眺めがいいわね。」
「ここにしようか?」
「お代は月に金貨10枚です。」
「ここに決めました。」
「ありがとうございます。」
家が見つかった。早速引っ越しだ。
「皆でお掃除しましょう。」
掃除がおわったのでアイテムボックスから家具を各部屋へ置いていく。
そしてキッチンへも家具とキッチン用品を置いていく。
あとは二人の希望を聞きながら移動とか調整をしていき引っ越しは終わった。
「明日は足りない物の買い物をしよう。」
「ふーようやく気兼ねなく話せるわね。」ずっと黙ってたメイリンがつぶやいた。
「ほんと会話に気を遣うのは疲れるもんね。」
「明日は美味しい食材をいっぱい買うわよ。
海の幸を使った料理も作れるようになりたいわ。」
「美味しいのを期待してるわよ。」
「もちろんです先生、美味しいの作ります。」
明日からはシーラの作る食事が食べられるな。
皆の機嫌も良くなって安心だ。
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