#8.お買い物
どうも、昆布茶です。
えー、まずは一言。
ボクがッ、いつまでもッ、シリアス書けるとでも思ったかッ!
どうせ今回もイチャイチャしてんだよこいつらはよォッ!!
ということで、どうぞ。
未だ帰宅中の啓と椎奈は、他愛のない話を続けていた。
「夕飯はどうしますか?」
椎奈が訊ねる。もうすぐでスーパーマーケットに差し掛かるからなのだろう。
今日は金曜だから、えっと、
「金曜は何が安いんだっけか」
独り言が零れる。これが僕の悪い癖、的なね。
「何が安い・・・とかはスーパーによって異なります。でも、この時間なら安くなっているものが多いですよね」
夕陽が出ているころから話し込んでいたのだから、そろそろ辺りも薄暗くなってくる。惣菜物は安くなっているだろう。
「まあもっとも、野菜類は時間のある時に買ってあるので、問題は無いです」
・・・なんでこの人、お嬢様なのにこんなに庶民的にしっかりしているのだろう?
「将来の夢はお嫁さんです、なんて考える時期は、女の子ならあってしかるべきです」
「椎奈って、なんというか、その、夢見がちなとこあるよね」
・・・あ、失言だこれ。
「自覚はありますけど、別に気にしてませんから」
「少女趣味(笑)だよね」
「五人前くらい作りましょうか?」
薄ら寒い笑顔で脅迫する椎奈@ローファー待機済み。スーパー帰りの主婦の方が、「若いわねぇ」とでも言いたげな視線を向けていることに、当事者二人は気が付かない。なお、隣のランドセルを背負ったマセてそうな女子小学生は、何かを期待した目を向けている。当然、当事者二人は以下略。
「僕が小食なの知ってて言ってるよね、それ」
「どうせ週末なんですし、残しても後で食べればいいじゃないですか」
合理的そうなことを言ってくる椎奈。けれども───、
「僕が『出された食事は食べきる』主義なの知ってて行ってるよね?」
口には出さないけど、『椎奈の料理』なら特に。
「さて、何のことでしょうか?」
悪戯そうな顔で微笑む椎奈。いくら可愛くても言っていることは鬼の所業だ。揶揄ったら十倍返しとか怖すぎる。ああッ、もう────!
「ごめんなさい、揶揄った僕が悪かったです!だから、二人分でお願いします!」
全力の謝罪。全力の懇願である。なお、椎奈も含めた二人分なので、決して間違いではない。
「冗談ですよ。怒ってません」
「本当に?」
恐る恐る確認する。藪蛇だったらお終いだが。
「はい」
ようやく胸を撫で下ろす。これからは、不用意に椎奈を揶揄わないようにしよう。
「それに、主婦なんてやっている暇、無さそうですし」
「それ、僕がヒモになりそうって言ってるのかな?」
「さあ、どうでしょうね」
揺蕩うように笑う椎奈に、僕のココロも軽くなる。
◇ ◇ ◇
スーパーマーケットに着く。夕飯は鍋らしく、切らしていた醤油を買うとのことだ。しかし、醤油はまだ残りがあったはずなのだ。────僕の記憶が正しければ。
「椎奈、醤油ってまだ残ってなかったっけ?」
「紅茶の茶葉も切らしていたので、ちょうどいいかと思いまして」
成程と、確かに切れていたのを思い出す。椎奈がいつも楽しそうに紅茶を淹れているのを見ているから、それが無い時はひどく印象に残る。一昨日辺りから淹れていなかったはずだ。
「それに、三人分となると、ちょっと足りないですから」
「やっぱり怒ってるんじゃないか・・・」
なお、こんな日のこんな時間に投稿してる時点で、作者の恋愛模様は察してください。
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