呪詛の祝言 The Last Episode 終焉の宣言
今回の章からは投稿頻度を増やすために、小分けで投稿しようと思っています!
かつて、この星の主導権を握った生物は、あらゆる文明を築き、発展し、天災によって討ち滅ぼされては新たな生物が文明を築いてきた。
それがこの星の―――――――――、約四十五億年の間で紡がれてきた事実。その螺旋の中で、いったいどれだけの文明が跡形もなく潰えたか。どれだけの文明が後世に爪痕を残したか。その数を測定することは現実的ではないし、そもそも不可能だ。
故に、人間が紡いだ技術や歴史が消え去ることも、衰退していくことも、その螺旋の一折に過ぎない。
人間の文明だけは違うと・・・
その螺旋から抜け出せる術を持っていると・・・
何故そう言い切れる?
経験したこともない規模の文明破壊に・・・何故そう傲慢になれる?
人間という種の愚かさを語ることを、同じ人間でさえ可能としているというのに―――――――
何故そこまでして生命としての“生”に執着するのだ。
貴様ら人間だけではない。その前も、またその前も。
何故この星に生を受けた文明は・・・。
最早、議論する余地もなかろう。もうじき新たな文明が誕生する。
この星との共生を宣いながら、奉仕させる。恩恵を資源と称して中途半端に使い捨てる。一つの恩恵が枯渇しようと、すぐに別のための恩恵を搾取する。いや、そもそも恩恵が枯渇するということ自体がありえないのだ。ありえないはずのことをこれまでの文明は唯一度の例外を除いて繰り返してきた。
つまり、この星は、また間違えたのだ。
人間の文明は科学を発達させてここまで上り詰めた。もう十分だろう?
ここから新しく創造しようじゃないか。その前に、有益な者だけを選別し、このテオトマを託そう。
今回は、我らがこの星に変わって螺旋を運営する。これまでの文明は過去の失態を受け継ぐ機会がない故に起きた失敗事例だ。ならば、次の文明は人間をベースに、これから起きる天災――――――そう、呪詛の祝言を耐えた者たちで築き上げる。
これならば、これまでよりはマシな文明を築き上げられるだろう。もしかしたら、本当の意味でこの螺旋を超えるやもしれんからな。
♦♦♦♦♦♦†♦♦♦♦♦♦
季節外れの台風により天候が荒れた翌日のこと。今日の天気は晴れ後豪雨だそうだ。所謂台風の目という奴だろう。頭上を見上げれば雲一つない晴天が地上を見下ろしている。日照りがきつい。
そんな中、俺はそそくさと自分の車に乗り込む。
つい先程の話だが、旧友から一本の連絡が入った。
「頼む!今からオレん家に来てくれ!!」という具合に。
要件については訊いていない俺が間抜けだったが、電話越しに感じたことがある。
あいつは焦っていた。それに加えてかなりの動揺だ。声が震えているところか若干変声している具合に。怪しいと言えばその通りではあるのだが、これを放っておけるほど白状でもない。なにせ、人が困っているんだ。手を差し伸べない理由がどこにある。
大丈夫、これで何かの契約関係での連帯保証人にでもなってくれという類のものならば、即切り捨てるだけだ。
俺が一人で事業所を建てた頃ならいざ知らず、今は従業員を三名ほど抱えている立場だ。それが俺の蛮勇的な思い切りの良さに上手くブレーキをかけてくれている。向井さんはまぁ、置いといて。問題はあの兄妹だ。あいつらを不幸にさせるようなことだけはできないししたくない。この生活を護ることが今の俺の中で最も重要なことだ。
車のエンジンをかける。車内は静かなものだ。ピッという機械音が鳴りだしてからはエンジンの音が僅かに聞こえるだけ。正直な話、まだ昨晩の酔いが残っている気がしないでもない。アルコール検知器を使えば恐らく反応を示すだろう。
しかし、それは別に珍しいことでもなければ初めての試みというわけでもない。仕事とこの辺りの交通機関や地理の都合上、行動範囲の広い身としては車がないとやっていられない。だから飲酒運転に関しては自分の中では本当に危険と感じた日以外はざらに破っている。
従業員のことを考えるなら絶対に乗らない方が間違いはないのだが、こればかりはしょうがないと無理矢理に割り切っている。だからこそ、交通ルール(飲酒運転意外)にだけは十全な注意を払っている。
車を走らせるが旧友こと江橋才加の自宅までは車で二十分程度は必要とされる。それまでの間はラジオでも聴こう。車に搭載されたラジオ機能でニュースを流す。主に天気の確認がメインだ。
朝のニュース通り、今日の天気は晴れ後豪雨で間違いないそうだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『―――――――――今回の台風は全国的に広い範囲で停滞する形となっt』
『―――――――――こ―――――――気圧――――――――離れ―――――――一週か―――――――――』
どうしたのだろうか。急にラジオの音声が途切れだしたが、この辺りはとくに電波障害になるようなものはないはずだ。車の速度だって二日酔いのこともあっていつもよりは落としている。渋滞気味というわけでもない。
「いや・・・・おかしいぞ」
どうしてこんなにも交通量が少ない。この道路はこの街の中心部分、車道としては最も利用されていて、平日のこの時間だって夕方までは自動車は絶えないはずだ。バックミラーとサイドミラーで後方を確認しているが後に続く車はいない。さっきまで目の前を先行していた車すらもはじめからいなかったかのように消えている。
「どういうことだ―――――」
道路の脇で停車し、車から出る。
今視界に映る風景を言葉で表現するならこうだろう。
伽藍であると。
完全に何もないわけではない。殺風景と言えるほどのことでもない。
ただ、人間がいないのだ。
信号は正常に動いている。けれどそれだけだ。この風景で動きが加わっているのは信号と風で揺れる街路樹のみだ。
建物はどうだ?
人は――――――――いる!人がいる!!あんなにたくさんいるじゃないか!!
けれど、何故だ!?
何故みんなして俺を見下ろす?
何故みんな笑っているんだ?
「あ、あっ―――――――ああぁ・・・・」
なんなんだこれは・・・悪夢でも見ているというのか!?
何故俺を笑うんだ!!
不安と動揺で動けない・・・。喉が渇いて、息がしづらい。全身から汗が噴き出しているのがわかる。
この異常事態はなんなんだ・・・・!
その時、背後から子供の声が聞こえた。
「おじさんみぃーつけた!」
声のする方を振り向く。そこには声に似合わず中学生~高校生程度に見える少年が一人佇んでいた。しかし、その少年の姿を確認した俺の思考は、俺以外にもここに人がいる!そのことにただ歓喜していただけだ。
「君は・・・君は大丈夫なんだね?」
何についての確認だったのか・・・自分でもわからない。けれども、咄嗟に出た言葉がこれだった。
「おじさんが、仲石洋治さんで合ってる?」
その言葉で、俺の精神は正常をとりもどした。何故俺の名前を知っている?そう疑問を抱いた時点で、俺は本能で逃げる体制に入っていた。
「そうだけど・・・君は、誰だい?」
少年は丁寧にお辞儀する。そしてそのあとに続けて自己紹介をした。
「僕の名前は乙坂聡一です。仲石さん・・・・僕の目の前で、笑ってください」
読んでいただき誠にありがとうございます!
さあ、これからは投稿頻度アップしていきますよ!
その分今までの4話編成形式ではなくなるのでご注意ください!
感想やブクマ等大変助かっております!
励みになります!
Twitterをやっていますのでもし良ければフォロー等してくださいな!
@mujunrasen052 柱こまち




