そっちの嗜好多いのは多分作者の趣味です
普通の恥をしる通、どうすれば輝石獣武装を行うのか？
「それじゃあ、リストのメンバーに魔約者は居ないって言うの！」
モゴの言葉に静が頷く。
「大した調査結果ね」
通の嫌味にモゴが睨み返す。
「喧嘩する前に次の手を考えろ」
良美の言葉に、モゴがもう一度、静を問いただす。
「間違いないんだよね？」
静は、深く頷いて答える。
「はい。あの場所でリストに挙がっていた人達は私が注意していましたが、魔獣が発生した時に、何の変化もありませんでした」
「でも、普段は見逃している気配だよ、その時も見逃す事も有るんじゃない？」
モゴがしつこく食い下がるが、静の輝石獣武装のデータ収拾で着ていた九菜が否定する。
「静ちゃんの能力があれば、沈静化してる時だったらともかく、魔獣を発生させて居た時の気配は見逃さない筈よ」
「やっぱりモゴの作ったリストが当てにならないって事だね」
通が嫌味たっぷり言う。
一発触発の二人にオロオロする静であったが、良美は気にした様子も無く言う。
「何度も言わせるな、喧嘩する前に、今回の事件を解決しろ」
その言葉にモゴと通はそっぽを向く。
「正直、モゴのリストはかなり良い線行って居たと思う。それから外れたとなると、考え方変えた方が良いかもしれないね」
小較の言葉に、通が言う。
「考え方を変えるって言っても、あそこに居た男子は殆どリストに挙がっていて、それが違ったって事は、長谷川先輩に惚れていたって線は無いって事ですか？」
頷く小較。
「全く逆って可能性があるわね。恋人が長谷川先輩を勝手に好きになっていて、それを奪われた女子部員って線を探った方が良いかも知れないわね」
「それはありますね。調べて見る」
モゴが頷いて何かを調べようとした時、通が言う。
「調べるのは勝手だけど、単独行動をするなよ」
モゴが睨み返す。
「自分勝手な考えで、輝石獣武装を否定する人には、言われたくないよ！」
「何だって！」
そんな様子に溜息を吐く小較。
「こんなんでちゃんと解決出来るのかなー」
良美が頷く。
「まーなる様に成るでしょう」
「トー姉、どうしてモゴさんと喧嘩してるの？」
通との帰り道、歩が聞いてきた。
「別に喧嘩してる訳じゃないわよ。なんて言うか、奴等の、八刃の考えが理解出来ないだけよ」
「そう言うときは、いっぱい話し合えば良いって先生が言ってたよ」
歩の無邪気な言葉に、毒気を抜かれた通が言う。
「そうだね、明日でもじっくり話すよ」
「それで何で喧嘩しているの？」
食事の席でヤヤが聞くと、不満気な顔をしてモゴが言う。
「別に喧嘩してるつもりはないよ。でも通達は、八刃としての自覚があるとは思えない」
モゴの言葉にヤヤが言う。
「八刃の自覚って何だと思う？」
その言葉にモゴが即答する。
「異邪やオーフェンと命懸けで戦う気持ちがあるかどうかだよ」
苦笑するヤヤ。
「外れ、八刃の自覚って言うのは、大切な者の為になりふりを構わず戦えることだよ」
その一言にモゴが更に言う。
「でも、通達にそれがあるとは思えない！」
ヤヤが頷く。
「多分、それ程強くないでしょうね。でもね、それは貴方も一緒よ。貴方の頭には借金を返す事が最優先されている」
モゴは何も応えられない。
「悪い事ではない。私たちが護りたいものって日常にある物だから。だから日常を、家族を助ける為に借金を返そうとしているのは良いことよ。でもね、それは貴方の事情でしかないの。通には通の護りたい日常があるの。それを理解して」
言葉無く頷くモゴ。
「ご馳走様でした」
そして自分の部屋に戻っていくモゴを見送ってからビールを飲んでいた良美が言う。
「ヤヤ、お前だったら今回のからくり気付いているんじゃないのか？」
あっさり頷くヤヤ。
「難しく考える必要は無いの」
「どう言う事だよ？」
小較の質問に対してヤヤが言う。
「誰でも一番好きな人の傍に居たいって事。ともかく、今回はモゴ達に解決させる。安心して、相手も目星がついているからいざって時は私が何とかするから」
その言葉に良美が頷く。
「そうしてくれや。とりあえずビールお替り」
良美の言葉に、較美に食事させて居た小較が言う。
「いい、あそこに居るのは、お金もろくに入れず人の家に寄生してる、寄生虫。あなたの母親は、ヤヤお姉ちゃんだよ」
「わかった。コヤヤおばさん」
較美の言葉にダメージを受ける小較であった。
次の日、教室でモゴと通が目を合わせると同時に頭を下げ合う。
「「ごめん」」
そのまま暫く膠着した後、モゴが言う。
「あちき達がいがみあっても意味ないよね。一緒に魔約者を探そう」
「そうだな」
通も頷き、握手をする二人。
「だから輝石獣武装して」
「絶対嫌だ」
再び険悪なムードが漂いそうだったが、静がわって入る。
「それで具体的にどうするのですか？」
モゴが言う。
「昨日、小較さんが言ってた線で調べるつもり」
「にしてもどうやって調べるんだ？」
通の質問に雅が答える。
「簡単よ、昨日のリストに上がっていた男子の恋人を探せば良いのよ」
「そーか、嫉妬するって事は、昨日のリストに上がった男子の恋人って可能性が高いんだ」
モゴも納得する。
「それでは手分けをして調べましょう」
そして３Ｓのメンバーは分かれて調査を開始した。
「あのー少し話しを聞いて良いですか？」
静の言葉に文芸部員の女子生徒が嫌そうな顔をする。
「駄目」
「そう言わずお願いします」
必死に追いすがる静。
「煩い、何で自分の好きな人間を赤の他人に教えなければいけないの！」
彼女の周りの他の文芸部員達も聞かれて居て、いい加減に誤魔化していた為、静が何を聞こうとしてたのか知って居たその女子が猛烈に反発した。
「学園の平和を護る為に必要な事なのです」
必死に頭を下げる静。
「嫌って言ったら嫌！」
すると吠が出てきて、その女子生徒を睨みつけて言う。
「姉御の質問に答えられないのか！」
狂犬の様な吠の睨みに、女子生徒が渋々話し始める。
「それで、その男子はどうしたの？」
モゴが別の所で、文芸部員の女子生徒に世間話みたいに聞くと、その女子生徒は、少し怒った表情になって言う。
「部長の事をだらしない表情でずっと見てるのよ。信じられる？」
「うんうん信じられない」
適当に合わせて、話を聞きだすモゴであった。
「文野先輩は、若本先輩の事をどう思っているんですか？」
通は、雅と一緒に文芸部部長の礼と一番多く一緒に居て、前回モゴに連行された輝久について聞くとその女子生徒、李由は憎々しげに応える。
「大嫌い。部長に色目使って本当に男って最低」
通が小声で隣の雅に言う。
「これって嫌い嫌いも好きのうちって奴じゃないよね？」
頷く雅。
「本格的に嫌いって顔だね」
通も同意するように頷く。
「質問変えるんですが、若本先輩に好意を寄せていた部員っていましたか？」
その言葉に肩を竦める李由。
「あんな最低な生き物を好きになる人間気持ちなんて解りませんよ」
その態度に溜息を吐く通と雅。
「そうよ、部長に男なんて必要ないのよ！」
その言葉に、首を傾げる通。
そこにモゴがやってくる。
「一応リストアップできたよ、長谷川先輩に恨み持ちそうな女子部員のリスト」
それを聞いて、李由が怒鳴る。
「そんな女子部員は居ません。居たらあたしが排除します！」
そのあまりもの強い言い方に、入ってきたばかりの静も驚く。
その時、モゴの脳裏にある閃きが浮かぶ。
「静、魔獣が発生した時、文野先輩の事注意して居た？」
その言葉に静が首を横に振る。
「男子生徒が魔約者だと思っていましたので、女子部員には注意していませんでした」
モゴの考えに気付いて通が言う。
「でも、文野先輩に部長を恨む理由は無いぞ」
「だけど、近づく男を排除する理由があったとしたら？」
モゴの一言に、雅が言う。
「吠みたいに憧れていたの？」
モゴが首を横に振ってから李由の方を見て確認の質問をする。
「好きなんですよね？」
それに対して少し黙った後、李由が言う。
「そうよ、悪い！」
驚く周囲の人間。
「部長の事を愛してるわ。いけない！」
半歩下がる通。
「レズ？」
「五月蝿い！ 中学生に私の純粋な思いは解らないわよ！」
李由が怒鳴り返すとモゴが言う。
「付き合ってもらえますか？ 魔約者かどうか確認します」
モゴが近づこうとした時、李由の後ろにメイダラスが現れる。
「意外と早く気付いたのね？」
「オーフェン！」
構えるモゴ達。
「さあ貴方の愛を認めない愚かな人間を滅ぼしなさい」
そう言って李由の胸に手を沈める。
『汝の欲望を阻む存在を自らの力で打ち砕け、魔約獣』
次の瞬間、開放された力で、魔獣と融合し、二本の尾を持つ人猫の魔約獣となった李由がモゴ達に襲い掛かる。
すぐさまモゴ達は、輝石獣武装をする。
『百母栗理との約定を持ちて、この装備を寄り座しに、輝石獣よ獣晶し、我が力になれ、爆炎鷹』
『百母栗理との約定を持ちて、この装備を寄り座しに、輝石獣よ獣晶し、我が力になれ、烈風準』
輝石獣武装した、静が前面に出る。
『我が守護の意思に答え、炎よ我等を守れ、守炎翼』
静の手から放たれた炎の盾は、烈風準の風で強化されて双尾猫魔約獣を押し返す。
「あちきが止めをさす」
モゴがそう言って、亀のぬいぐるみを取り出す。
『百母桃の名の元に、この寄り座しを用いて、『光を射る亀』よ我が願いに答え、獣晶せよ、光射亀』
光を放つ亀が現れて双尾猫魔約獣に襲い掛かる。
『邪魔する奴は死ね！』
双尾猫魔約獣の遠吠えに答え、無数とも思える双尾猫が召喚される。
しかし、それすらも打ち砕き、光射亀は、双尾猫魔約獣に迫る。
「貰った！」
モゴがそう叫んだ時、鋭い声が轟く。
『トール』
小較の雷撃が篭った踵落しが光射亀を粉砕した。
「何で邪魔するんですか！」
モゴの質問に小較が近づき、頬を引っ張り言う。
「あんた人の話し聞いてる？」
その言葉に静が手を打つ。
「確か胸に収められた、契約の証を破棄させるのでしたよね」
頷き小較が言う。
「まさか忘れて居たなんて言わないでしょうね？」
モゴは自分の装備を見回して言う。
「それでどれがその装備何ですか？」
「無いわよ」
はっきり応える小較。
こけるモゴ。
「どうしてですか？」
立ち上がりながらのモゴの疑問に小較が言う。
「それも言ってあったわよ、開発中だって、実戦配置のモゴと静の輝石獣武装に付けられる訳ないでしょうが」
今度こそ言葉を無くすモゴ。
「それでどうするんの？」
九尾弓から純白色鳥矢を連続して撃ち出して、牽制していた通が言う。
「実戦配置してない通の輝石獣には搭載してあるって聞いているわ」
小較の答えに、通が慌てて言う。
「あたしはあんな恥しいのは着けないよ！」
その時、輝久が駆け込んでくる。
慌てて小較が止める。
「ここは危険だから下がってて！」
しかし輝久は必死に足掻く。
「止めるな！ 俺はあいつの気持ちを知ってた。でも相手が部長だからそのうち諦めるって思ってた。そしたら……」
その続きは誰もが想像できた。
「なるほど、ヤヤが言ってた通りだ。シンプルに考えるべきだった。長谷川と一番一緒に居る奴が魔約者だった。こいつは、そいつに惚れてたから必然的に一緒にいる時間が増えただけだったんだな」
一人納得する良美。
「良美、一人で納得してないで、こいつを止めてよ！」
怒鳴る小較。
「はいはい。それよりヤヤを呼ぶか？」
良美は輝久を鍛えた体力で押さえ込みながら言う。
「放せ！」
必死に叫ぶ輝久を見て通が言う。
「新装備を使えば、直ぐにも文野先輩を解放出来るんだよね？」
小較が頷くと通はアニライズクリスタルの嵌ったペンダントを掲げて唱える。
『百母栗理との約定を持ちて、この装備を寄り座しに、輝石獣よ獣晶し、我が力になれ、地孔雀』
『輝石獣武装『地孔雀』がコールされました』
九菜作成の人工知能『ＨＵＴＡＢＡ』の言葉に九菜が頷き言う。
「座標確認！」
九菜の言葉に答えて、輝石獣武装システム室の中央にある八刃学園のモデルの高等部図書館が点滅して拡大映像が半球のカバーに展開される。
『座標確認終了しました』
『ＨＵＴＡＢＡ』の声に九菜が頷く。
「セーフティー解除！」
『セーフティー解除。輝石獣武装『地孔雀』開放します』
『ＨＵＴＡＢＡ』の声と同時に、円柱の水槽に収まっていた孔雀の輝石獣が、水槽を透過して八刃学園のモデルに突っ込んで行った。
通の直ぐ上の空間に穴が開き、そこから大きな翼を持ち、機械部品を纏った孔雀、地孔雀が飛んで来て、通の背中に密着する。
地孔雀の体に装着されていた装備が、通の体に展開される。
頭には目を特殊ガラスでカバーするヘルメット。
両肩、両胸、肘先、腰、膝下に強化パーツが装着される。
最後に、地孔雀が極彩色の尾羽を広げる。
「こんな恥しいカッコを何時までもやってられないから直ぐに終わらせる！ どうすれば良いの！」
ヘットセットから九菜の声がする。
『純白色鳥矢を番いて、「スターブラスターセット」と言って』
通が頷き、純白色鳥矢を番える。
「スターブラスターセット」
その言葉に答えて、腕に装備されていた鏃が、純白色鳥矢にセットされ、背中の極彩色の尾羽が伸びると床を透過する。
『今、地孔雀の尾羽が大地の力を吸い上げてる。目の前のメータが満タンになったら撃って』
九菜の言葉に頷く通。
そして、通の顔の前の特殊ガラスのカバーの目盛りがフルチャージを示す。
『スターブラスターアローシュート』
通が放った矢は、邪魔する双尾猫を障害ともせず、双尾猫魔約獣の胸を貫く。
『スターダストって唱えて！』
九菜の最後の指示を出す。
「スターダスト！」
通の言葉に反応してスターブラスターアローに籠められた大地の莫大な力は、無理やり魔約星の契約魔法を解除し、魔約星を打ち砕いた。
「さすがね、もうあんな装備を開発してるなんて」
隣の校舎の屋上から見ていたメイダラスが感心した風に言う。
「何時も何時も対応を遅らせて居る訳には行きませんから、どんな事態になっても対応出来る様にしているのですよ」
その言葉に振り返るとそこにヤヤが立って居た。
「これはこれは、久しぶりって言うべきかしら？」
ヤヤは、右手に白い光を籠めて言う。
「そしてこれで終りだよ」
苦笑するメイダラス。
「残念だけど、今は貴女と戦う気はしないわ」
床を通り抜けるメイダラス。
「逃がすわけ無いでしょう。鏡、サポートお願い！」
『今だったら、床をぶち抜いても大丈夫です！』
耳のイヤホンから逃走の事も考えて周囲の監視していた鏡から通信が入る。
『タイタン！』
床を打ち砕き、直ぐに追跡に入った時、メイダラスのテレパシーが響く。
『追跡は、止めてくれる？ さもないとそこに居る子の命は保障しないわ』
その言葉にヤヤが周囲を見るとそこに歩のクラスに転校してきたミリスが居た。
直ぐに傍に寄り、周囲を窺うヤヤ。
『そうそう、私が逃げるまでそうしてそのこを護って居てね』
悔しげに周囲を見るヤヤに鏡の報告が入る。
『すいません、メイダラスをロストしました』
大きく溜息を吐いた後、ヤヤはもう一度ミリスをじっと見る。
「大丈夫？」
ミリスが頷き、離れていくのを確認してからヤヤは、小声で鏡に告げる。
「鏡、あの子って何時からここに居たか解る？」
『どうしてだ？』
鏡の質問にヤヤはミリスの姿を目で追いながら言う。
「もしかしたらあの子が、メイダラスだって可能性あるからだよ。姿を化けているだけか、その体を奪われたかしてね」
少しの沈黙の後、鏡が言う。
『その子は、今さっきここに来たみたいですが、気配はどうなのですか？』
ヤヤは溜息を吐いて言う。
「残念だけど、判断つかないのよ。あの子は、六頭首の一人、ローデアの血を引いているから思いっきりオーフェンの気配を纏っているの」
『調査をしてみます』
鏡の言葉にヤヤは頷き辛そうに言う。
「あんな子供まで疑わないといけないなんてね」
「トー姉は？」
騒ぎを聞きつけてやって来た、歩にモゴが肩を竦ませて言う。
「恥しいって帰ったよ」
事故処理をやっていた小較が言う。
「文野さんの意識が戻ったよ」
その言葉に、文芸部員の反応は冷たい。
その中、輝久だけは即座に動いた。
「大丈夫か！」
しかし、李由は辛そうに礼の方を見る。
それに対して礼はその顔をグーで殴る。
唖然とする一同。
「そうですよね、沢山の人に怪我させたんですから」
李由が自傷気味に言うと礼が怒鳴る。
「そんな事はどうでも良いのよ！ 貴女の所為で私の大切な本がどれだけ駄目になったと思っているの！」
その台詞にはだれもが驚く。
「部員を怪我させたのは構わないのですか？」
静が聞くと礼は平然と言う。
「いっぱい部員が居ればそれだけ本を購入出来るけど、それもこれも本があっての話よ！」
その言葉に部員の視線が一気に軽蔑したそれに変る。
「部長！ それじゃああたしに優しくしてくれたのは？」
李由の悲痛な叫びに礼が冷たい声で答える。
「そんなの本の整理に役立ってくれたからに決まってるじゃない！」
崩れ落ちる李由。
「貴様！」
礼に殴り掛かろうとする輝久を止めて小較が言う。
「そこまで、文野さんを病院に連れて行くのを手伝って」
そして一つの魔約が解約された。
「まー途中までだけど、予定していた量は溜まったわね」
そう壷を見てメイダラスが言う。
「さて、次はどんな奴と魔約を結ぼうかしら」
メイダラスの前には、八刃学園の生徒の写真が並んでいた。
「結局、文芸部ってどうなったんだ？」
数日後の白風家の食堂での良美の言葉に小較が言う。
「部員が全員辞めた所為で廃部。長谷川先輩は、そのショックで大学部の図書館に閉じこもってるって話だよ」
そんな時にモゴが言う。
「そういえば、文野先輩と若本先輩がつき合い始めたって話を雅から聞いたよ」
意外そうな顔をする通。
「あの男嫌いがねー」
「ところで、ヤヤさんはどうしたのですか？」
静の質問に、ヤヤの代わりに較美の食事の世話をしていた小較が言う。
「何か大切な用事があるからって出かけているよ」
「結果から言えば、白風の次期長との交戦データや前回のデータ等とミリス＝ガーランドのデータを比較しましたが、同一性は認められませんでした」
ガーランド母娘が住む高級マンションの近くの喫茶店で鏡がヤヤに資料を見せる。
資料を確認しながらヤヤが言う。
「観測に長けた間結のデータだから間違いは無いわね。それに同一人物っていうのも可能性は低い。過去の私との交戦時、ミリス＝ガーランドは別な所で確認されているからね」
少し安堵の息を吐くヤヤ。
「しかし、何度か彼女と彼女の母親をロストしている。これまで以上の注意が必要だな」
鏡の言葉に、ヤヤが溜息を吐く。
「歩ちゃんが仲良いから、悪い事にならないと良いけど」
頷く鏡。
「さすがは、ヤヤ何かに気付き始めた見たいね」
自分の部屋の窓からヤヤ達が居る喫茶店を見てミラーが呟く。
「しかし、私達の企みは見破れないわ、メイダラスが居る限りね」
高笑いをあげるミラーであった。
今回のモゴの収支
○収入
魔約（双尾猫）解除 ５００，０００
輝石獣武装モニタリング料金 ＋ １００，０００
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合計 ＝ ６００，０００
○支出
光射亀（触媒・ぬいぐるみ製造費） ３０，０００
制服の買い替え費用 ＋ ３０，０００
--------------------------------------------------------------------------------
合計 ＝ ６０，０００
◎利益
収入 ６００，０００
支出 － ６０，０００
--------------------------------------------------------------------------------
純利 ＝ ５４０，０００
●借金残高
繰越金額 ２５８，８６８，１００
返済金額 － ５４０，０００
--------------------------------------------------------------------------------
借金残高 ２５８，３２８，１００
今回の通の収支
魔約（双尾猫）解除 ５００，０００
輝石獣武装モニタリング料金 ＋ １００，０００
--------------------------------------------------------------------------------
合計 ＝ ６００，０００
○支出
純白色鳥矢（６本） １０，０００ ＊ ６
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合計 ＝ ６０，０００
◎利益
収入 ６００，０００
支出 － ６０，０００
--------------------------------------------------------------------------------
純利 ＝ ５４０，０００
●通のサイフ中身
おこずかい残金 １１０，８００
家への入金 － １００，０００
退治バイト利益 ＋ ５４０，０００
--------------------------------------------------------------------------------
サイフ残金 ５５０，８００
