第三十四話:合宿その十一
明はリレーでごぼう抜きされたことにひどく傷つく‥‥‥‥‥‥‥
夜、明は田中先生に呼び出された。
そう、リレーの事だ。
田中先生「明、お前がなぜあの場面で抜かれたか分かるかのぉ。」
明「‥‥いいえ、俺には全く‥‥。」
田中先生「そうか‥‥では教えよう。」
明は息を呑んだ。
田中先生「まず明、お前の走りは、他の人より加速仕切るのが早いんじゃ。」
明「!?!?」
田中先生「要するにトップスピードが30m位のところなんじゃ。」
明「早くトップスピードに行くってことですね?それっていいことじゃ無いんですか?」
田中先生「いいや、そうでもない。トップスピードに入るのが早いと、スピードダウンするのが早いんじゃ。」
黙りコクる明
田中先生「まぁ簡単に言えば、明は全然前傾が出来てないということじゃ!」
明「‥‥」
田中先生「前傾するのをもう少し長くすれば、お前の走りはおのずと変わっていく。明日からはこれを意識するのじゃ。」
明「はい、分かりました。ありがとうございます。」
明は部屋を出ると、みんなのいる食堂へと向かった。
明が食堂へ入ると、そこにはスペアリブをほぉばる千秋亜紀の姿があった。
明「亜紀、相変わらずだな。」
亜紀「私の胃袋は肉で出来てるからね。ほら明も食べなよ!」
そう言うと亜紀は明の皿にスペアリブを山程盛り付けた。
明「こ‥こんなに食えないよ‥‥」
亜紀「大の男が何言ってんの?こんくらい当然でしょ!」
明は真顔でそう言う亜紀に思わず笑ってしまった。
明「ハハハ、お前面白いな!よぉし、食べるぞ!」
亜紀「そうこなくっちゃ!ようし、私ももう10個食べるわよ!」
明「おぃおぃ、程々にしろよ。」
こうして明に笑みが戻った。
そして‥‥
鈴木「よぅし、今日は花火大会をするぞ。八時にロビーに集合だ!」
一同「ヨッシャ〜!」
しかし、この時事件が起こる事など誰も知るよしもなかった。