第十九話:記録会2
純は初めての記録会に挑む、そして明も負けじと頑張る!由香も‥‥
純は100mにそなえてアップを始めた。
今日の調子はバッチリのようだ。
純はよりいっそう気合いを入れてストレッチをした。
そして‥‥ついに始まった記録会、最初は女子の100mで由香が出ていた。
あっという間に時は流れ由香がした。記録は13”36だった。
純は速いなぁと思ったがすぐに気持ちを切り替えた。
純は5組目に走る予定だが、その前の4組目に明が走る。
明はスタート地点に立ちスタブロをセットして試走をした。調子はかなり良いように純には見えた。
そして
「位置について」
トラックは静まり返る。
「よ〜い」
そしてついに
「パァン」
雷管の音がトラック中に鳴り響いた。
明のスタートは他の者とは比べ物にならないもので、序盤はずば抜けて1位だった。
その後もこれでもかといわんばかりの速さで加速していきゴールした。
電光掲示板に明のタイムが表示される。
「10”98」
純は速えぇとだけ思い、自分のスタブロをセットした。
心臓の音が体中にコダマしているのが分かる。
純は気を一点に集中させた。
試走をしてついに
「位置について」
運命の瞬間がやってきた(所詮記録会だけどね)
「よ〜い」
その言葉が出たその時。
純の顔にハエがとまった。
純
「のわぁ〜」
審判
「はい、ちょっと立って」
純はやってしまったという気持ちにかられた。
純は審判に注意を受け再びスタート地点へ。
ハエがとまったおかげで緊張がほぐれてきた純。
そして
「よ〜い」
「パァン」
純は得意のスタートでみんなよりも体3つ分前に出た。
純を見た観衆がざわめきだした。
純はそのまま加速へと転じた。
しかし純は加速の時に力んでしまい思うように体が動かない。
その隙に隣のレーンの人が並んできた。
純は焦りに焦ったが、途中で冷静さを取り戻し、リラックスした。
しかし時はすでに遅しで、隣のレーンの人に並ばれたままゴールした。
純
「はぁはぁ、チクショー。」
そして純のタイムが掲示された。
「11”31」
これが純のデビュー戦だった。