第十六話:開花
試験にのぞむ純や明。その後部活に出るが純が思わぬ才能を開花させる
━━テスト当日
明
「俺昨日あんまり勉強してねぇからヤバい!」
そう、明は倒れてたからあまり勉強していないのだ。
純
「お‥俺も試験外のとこ勉強してたからあんまり‥‥」
そしてそうこう言ってる間にもテストは始まった。
最初のテストの理科が終わった。
純
「理科結構できたぁ!」
剣菱
「俺もかなり出来たぞ!」
明
「‥‥‥‥」
明は手を震わせ顔がみるみるうちに青ざめていった。
純
「明、ひょっとしてお前‥‥ヤバいのか?」
明
「ち、違う‥‥理科は出来たけど次の英語のテストがヤバい‥‥」
そう、明は英語が格別に駄目なのだ。『work』と『walk』の差も分からないほどに‥‥
純
「落ち着け明、まだ駄目と決まったわけじゃ‥‥」
明
「純、俺を慰めてくれるのか‥‥ありがとう。」
そういうと明の顔は青色から元の色に戻っていった。
そして英語のテストが始まった。
そして英語のテストは終わった。
純
「明、出来たか?」
明
「あぁ、ちゃんと『work』と『walk』の区別ができたぜ!」
純は安心した。
そしてかれこれ最終科目の数学。
田中先生
「始めてぇ」
ヤル気の無い声が響き渡った。
純はこの数学をかなり勉強したので自信はあった。
そして終わった。
教室を出て部活へ向かった。
純はこの時解放感を感じた。
━━翌日
緑山高校の陸上部は競技場へ行った。
久住
「今日は久々の競技場だ!気合い入れてくぞ!」
みんなはそれに頷いた。
そして練習開始。
色々やって、スタート練習に入った。スタートは以前明に教えてもらったので少しはやり方を知っていた。
純は自信満々にスタート練習に取りかかり、スタートしようてした時。
久住
「違う、お前そんなスタートの仕方じゃ速くならんぞ」
純
「そうすか?」
久住
「お前、もう少し腰上げてみろ。」
純は少し動揺しながらも、言われた通りにやってみた。すると‥‥
純はスタートした瞬間、一瞬風になった気分になった。
そのスタートを見た部員逹はみんな愕然とした。
久住
「お前‥‥かなり速くないか?」
純は自分では気付いていなかったがスタートがみんなよりも断然速かったのだ。
明
「それでこそ俺の見込んだ男だぜ。」
明は影でヒソヒソと呟いた。
この後純は『スタートの葵』と呼ばれることとなる。