其の六
平成24年6月3日現在改稿作業中。
近日中に内容が変わります。
朝になり、目が覚める。
「おはようございます。シン様」
「ん、ああ、おはよう」
エイナが少し顔を赤らめながら挨拶をしてくる。
なにやらもじもじしている。
昨晩の初夜のせいだろうか。
かわいいものだ。
「エイナ……」
「シン様……」
朝から濃厚なキスをした。
これからも朝にはいろいろしてもらうとするか。
「シン様、朝ごはんの準備をしておきました」
「おお、そうか。ありがとう」
かっぱらってきた肉と野菜のスープだ。
なかなかうまい。
エイナはかわいいし、気持ちいいし、料理もできる。精霊魔法も使えるし。
これは最初から当たりを引いたといえるだろうな。
さて、これから、フィリオという街に向かうわけだが……。
何も考えずに街に入るのはいかがなものかな……。
ある程度エイナから情報を聞いておいて、方針を決めてからにすべきだな。
まずは状況の整理から。
エイナについては、防御の精霊魔法が使える。どの程度か?
短剣を持たせてある。どれくらい使えるか?
俺については、黒鞘の細身の剣、これには魔法石がついている。剣を使っての戦闘は一応できるが、この世界に来てから向上した身体能力まかせで技といえるようなものは何一つ身についてはいない。
魔法石にいたっては使用方法さえ不明。
俺が魔法をどれくらい使えるかも不明。
エイナは精霊魔法しか使えないようだし、魔法についてはそのうちきちんと勉強したいところだ。
金、食料、服なんかはかっぱらったものがあるし、売れそうな豪華な服や装飾品もある。
いらないものは全部売ってしまおう。金と食料があればいい。
金?どういう貨幣制度なんだろうか?
馬一頭に馬車一台。これは移動に便利だし、とりあえず持っておこう。
最大の問題は、これからどうやって生活していくかだな。
どうせならエイナみたいにかわいい奴隷なんかをもっと手に入れたい。
傭兵なんかも思いついたが、奴隷を囲うというのは難しそうだ。
奴隷を囲うことができるようにしながら、金を稼ぐ。そして奴隷を買うといったところか。
不確定要素が多いな。いつか金は尽きてしまうし、とりあえずは金を稼ぐ手段が必要だ。
エイナの防御魔法次第では他の奴隷を守りながら旅をするというのもできそうだが……。
ああ、思考がまとまらなくなってきた。
「エイナ、ちょっと訊きたいんだが」
「はい、なんでも訊いてください」
「まず、エイナの精霊魔法についてなんだが防御の魔法ができるんだよな?」
「そうです」
「どれくらいの攻撃を防御できるんだ?わかりやすく教えてくれ」
「そうですね……、あの山賊の爆発する魔法と同程度の魔法でしたら防御することができると思います。それ以上となると試してみないとわかりません」
「なるほど。防御するというのはどういう形で防御できるんだ?例えばあの爆発の魔法ならどういう風に防御する?」
「あの爆発の魔法でしたら、風の精霊魔法で空気の壁を造って防御できると思います」
「ほう。なんとなくイメージは分かる気がする」
「じゃあ次だ。短剣を持たせたと思うが、短剣は使えるか?そもそも剣を使ったことは?」
「剣を使ったことはありません」
「そうか。でも、まあ無いよりはましだろう。護身用に持っていてくれ」
「はい、ありがとうございます!」
「では、金についてなんだが、こっちではこの金貨、銀貨、銅貨にはどれくらいの価値があるんだ?」
俺はそう言って、かっぱらった金を指差した。
「そうですね。だいたい金貨1枚で銀貨10枚、銀貨1枚で銅貨100枚になるはずです。この小さい銅貨は半銅貨といって銅貨の半分の価値があります。だいたい銀貨1枚で一家4人程度が一ヶ月生活できると思います」
「なるほど、わかりやすいぞ」
「ありがとうございます!」
エイナは褒められてうれしいのか、ニッコリ微笑んでいる。
今手元にあるのは金貨37枚、銀貨61枚、銅貨132枚、半銅貨78枚か。
あの商人なかなか金を持ってたんだな。
それもそうか。傭兵を何人も雇っていたし、エイナといういかにも高く売れそうな奴隷を持っていた。
おそらく奴隷や装飾品なんかを金持ち相手に売買する商人なんだろう。
そういやエイナっていくらになるのかな?
「あの死んだ商人、エイナをいくらで売るつもりだったんだろうか」
「……、金貨1000枚は間違いないと言っていたと思います」
「え?1000枚っ!?それはすごいな……」
「……シン様、私のことをお売りになるのですか?」
「いやいやいやいや、何言ってるの?エイナはずっと俺の物だよ?俺が死ぬまでそばにいてもらうから」
「はいっ!!」
エイナはなにかとてもうれしそうだ。
さっきよりもすごくニコニコしている。




