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其の弐(改)

なぜ女の子が一人だけいるのか?


女の子をよく見てみる。


年は見たところ、15歳くらいか。

サラサラの金髪はセミロングだ。

パッチリとした青い瞳。二重瞼で少し切れ長でもある。

鼻と口は小さく、唇は薄い。

頬は少し丸みを帯びており、あどけなさを残している。

肌は透き通るように白い。

そして……、耳が普通ではなかった。


女の子の耳は長く尖っている。

そう、まるでゲームや何かによく出てくるエルフのように。


特殊メイクか?

いや、まさかな。

ここが異世界だという前提で考えるとエルフだということになる。


「おい、君はこんなところで何をしてるんだ?」

通じないとは分かっていても話しかけてしまう。


案の定、

「”#$%&’’’’%##”$#””##$」

言葉は通じない。


「はあ。分からないよ。通じないんだ」

せめてもの仕草をつけて、返事をする。


「$&&#”#!””#$$”#”#%%%」

やはりわからない。

俺は首を振る。


すると、女の子は手を突き出し、その手の先に暗い光のようのものが集まっていく。

……、またアレかっ!?

瞬間的に回避行動に移る。

一気に回り込み、女の子の後ろに立つ。


爆発などは……、起きない。


「何だ?何をした?」

「ええっと……、えっ?あれっ?いつの間に後ろに!?」


ん?


「あ、あの、えっと、私の喋ってることが分かりますか?」

「あ、ああ」

「よかった。通じたみたい」

「いったい何をした?」

「あの、魔法を使ってあなたと私の間で言葉が通じるようにしたんです」

「……、そんなことができるのか?」

「ええ、無系統魔法の一種です」


ほう、魔法ときたか。

しかし、ここまでになると、もはや異世界であることはほぼ疑いがなさそうだ。

はぁ……。

……、まあいいか。もともと、元の世界では生きる気力を無くしてたんだ。

この世界では俺はずいぶん強そうだ。細かな検証は後にするにしても、一人で山賊たちを40人近くも葬れるレベルだ。十分だろう。

この力をうまく使って、この世界で自由に生き抜いてやる。


などと、一人で考え事をしていると、俺の返事がないことに焦ったのか、

「あ、あのあの、申し遅れました。私は、エイナと申します。この度は、助けてくださって本当にありがとうございます」


いや、別に助けたわけではないんだが……。

いまいち状況がわからん。

ここは助けた風を装って情報を聞き出すか。

怪しまれて山賊の仲間か何かと思われても面倒だしな。


「あー、待ってくれ。お礼なんかは別にいらない。自分の身を守っただけだ」

「でも、助けてくれたのは事実ですし……」

「それよりもちょっと訊きたいことがあるんだ。いいかな?」

「はい、私に答えられることでしたらなんでも」

「じゃあ、まず、ここはどこなのか教えてくれないか?道に迷ってしまって分からないんだ」

「私もこの有様ですから詳しくはわかりませんが、ここはアクナルド王国の領内にあるソフォラという村だと聞きました。ここからさらに南に行くとフォーカリアという街に着くそうです」

「なるほど……」


とりあえずこの村は全滅している。盗るもの盗ってフォーカリアという街を目指すのが妥当か。

もう少し情報がほしいところだな。この世界の常識とか。


それにこのエイナはおそらくエルフなんだろうな?周りは人間ばっかりだと思ったが、一人だけエルフなのはなぜだ?

訊く順番が大事だな。怪しまれたりすると本当のことを答えてくれなくなるかもしれない。


やはり先にどうしてこうなっているのかを訊いて、適当に同情したりとか共感したりとかして優しいふりしてうまく情報を引き出すか。

うまくいくかはわからんが、ダメ元でやってみよう。


などと沈思黙考していると、エイナが先に質問してきた。

「あの、道に迷われたとおっしゃいましたけど、どのあたりからいらっしゃったんですか?」

「あー、そうだな、とても遠くだ。なんというか、君も知らないような東の果てからだな。だからこっちのことはあまりよく知らないんだ」

「そうなんですか」


日本は極東、まあ東の果てだから間違いではないかな。この世界の東の果てではないが。

この世界の東の果てには何があるんだろうな。まあいいか。

しかし、こいつも信じてるのかアホなのか。


「まあ、とにかく、エイナは何で一人っきりでここにいるんだ?」

「あの……、私はご覧のとおり奴隷なのです。これから街に売られていくところで、この村で一泊したところ、山賊に襲われたんです」

「奴隷?奴隷なんてのがあるのか?」

「奴隷制度をご存じないんですか?」

「うん、俺の住んでたところにはなかったから」

「そうなんですか。そんなところもあるんですね」

「ああ。で、奴隷制度ってのはどんなものなの?」

「簡単に言えば、身売りした者や罪人と魔法で奴隷契約を結んでいるのです」

「なるほど」


なるほど、さっぱりわからん。

よく見ると、エイナの首には黒い首輪がされている。奴隷の証のようなものだろうか。

身売りとか罪人が奴隷になるのはなんとなくイメージはできる。

ただ魔法で契約というのがよくわからん。

魔法ってのはなんでもできるってことなのか?

しかし奴隷とはな……。最近読んでたネットの小説でもよくそういうのを見かけたが実際にこうして体験するとは。


「ん?となると、エイナには主人がいることになるのか?」

「はい、私を街に売りに行こうとしていた奴隷商人です。今この村にいるはずですが……」

「あー、村は全滅だよ。今、村には俺とエイナ以外に生きてる者はいないはずだ」

「全滅?あの……、奴隷商人の人も?」

「ああ、そうだ。こういう場合、その奴隷契約ってやつはどうなるの?」

「……、あらかじめ権利が引き継がれることが契約に含まれている場合はその契約に定められた主人に引き継がれます。そうでない場合は、主人不在となりますが、奴隷であることに変化はありません」

「エイナは引き継がれることになってるの?」

「いえ、私の奴隷契約にはそういう内容はありません」

「そうなんだ。ってことは主人不在って状態なんだ」

「はい、そういうことになります」


なるほど。奴隷制度があり、制度は魔法の契約によって成り立っている、と。

で、奴隷は主人の命令には絶対服従か。

異世界なんだし、俺が奴隷にならない限りはそんな制度があってもかまわないが、この場合はあってよかったというべきか、ラッキーというべきか。

エイナは、顔は15歳くらいだが、体はなかなかグラマーだ。

ゆったりとしたワンピースだが、それでも胸のボリュームがよくわかるし、形もよさそうだ。

そして、腰はキュッとしまっていて、お尻はほどほどに大きい。

まさしく俺好みである。


主人不在だというならここはうまく俺の奴隷にしてしまうことはできるだろうか?

いろいろわからないことを訊けるし、夜の相手にもなるしで一石二鳥だ。

よし、そうしよう。


「主人不在ってことになると、エイナはこれからどうなるの?」

「引き継ぎの定めがない場合は、私の奴隷登録がされている商人ギルドで、前主人から相続したことの証明ができた場合に限り引き継いで奴隷契約を結ぶことができると契約で定められています」

「なかなかしっかりした制度なんだな」


あ、無理じゃね?相続の証明とか。

よく知りもしないのに嘘をつこうとするとボロが出るだろうし。

まだこの世界に慣れてもいないのに無理はできない。


「前の主人を相続するのは誰かわかる?」

「いえ、それはわかりません」

「そうか……」


どうしようもねーな、これは。

あああああああああああ、エイナを俺の奴隷にしたかったぁぁぁぁああああ!






うん。まあ無理なもんは無理!っと。


「え……?あれ??」

「ん?どした?」

「あの……、奴隷契約が更新されてるんですけど……」

「へ?そりゃまたなんで?」

「えっと、ご主人様のお名前はシンイチ=ソウマ様ですよね?」

「んん!?」


ご主人様?俺の名前??……えっ???


「どうして?」

「どうしてっつーか、何がどうなってんの?俺、何かした?」

「契約が更新されて、ソウマ様が私のご主人様になりました」

「いや、だから、なんで?」

「それは……、わかりません」


どういうこと?証明しないと駄目なんでしょ?

俺がエイナを奴隷にしたいなあって思ったから??

あっさりすぎない、これ?


「ほんとに俺がご主人様なの?」

「はい、間違いありません。ご主人様も契約でお分かりにならないですか?」

「え?いや……?」


そういうもんなの?俺、知らない間に契約しちゃった?

ふと見ると、エイナがなんだか悲しそうな顔をしている。


「あ、いや、俺、契約とかしたことないからよく分からないんだ」

「そう……なんですか?」

「うん」

「でも、ソウマ様は私のご主人様です」

「……、わかった。エイナを俺の奴隷にするよ」

「はいっ!」


なんだかうれしそうだし、奴隷にしたかったんだからまあいいか!

プロットなし、推敲ほとんどなしで書いているので、どこかで矛盾が出てくるかもしれません。

というか既にだいぶ怪しいような気がします。

今後の展開で無理が出そうだったら修正します。


平成24年1月8日一部修正。

別に無理が出てきたってわけでもないんですけど、書きやすいように修正しました。


平成24年6月3日大幅修正。

思いっきり無理が出ましたwww

ここから設定が以前と変わっています。

最初のほうからすると若干キャラが崩壊してそうな気がしますが、これからはこれでいきます。

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