表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/83

ワクサクウサウサデスランド8

「?!」



ビックリして声を上げそうになる。側から見たら、トキがアベニールにとどめを刺したようにしか見えない。そんなわけ無いだろうし、飛鳥に誤解を生まないよう、すぐに理由を聞く。



「トキ、何をしたんだ?」



「とどめを刺したのよ。」



「それ以外の言葉を聞きたかったんだが!」



まさかのその通りだった。不味い、飛鳥を落ち着かせなければ。



「えっと、飛鳥。トキだって、こう見えても多分だけど真っ赤な血が流れてるんだ。だから・・、」



「アベニール?」



必死に説得をしていると、急に目を見張り、そう呟く飛鳥。ショックを受けてるのだろう。流石に後ろでアベニールが起き上がったとかはないだろうし。



「・・えっと、これはどういうこと?」



「アベニール?!」



後ろで上体を起こしてるアベニールを二度見する。トキ以外、皆狐につままれたようにポカンとしていた。驚きと安堵が入り混じる。

アベニールの目が飛鳥を見つめ返すと、ようやく彼は涙をこらえることができずに、声を上げて泣いた。 彼にとって、アベニールの命はそれほど重かったのだと、誰もが感じ取った。



「さて、私達は帰りましょう。もうやる事はないわ。」



釈然としない俺を残し、スタスタと離れて行くトキ。俺は未だ情報を整理できていなかった。とりあえず考えるより先に、二人の邪魔しない様トキを追うとしよう。俺が離れた後、アベニールに駆け寄る飛鳥。まぁ、誰も死ななくて本当によかった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「〜♪」



上機嫌にウサウサグッズを手に取り、色んな方向から眺めてるトキ。そのままポンポンと俺の持つ買い物カゴの中に放り込んでいた。



「なぁトキ、そろそろ教えてくれよ。どうしてアベニールは死なずに済んだんだ?」



「見てた通りよ。」



「見てた通りって、むしろ殺しにかかってたと思うんだが。」



どうやら説明してくれないらしい。これは、自分で考えろという、彼女からのメッセージだ。と言ってもまだ珍紛漢紛なんだが。



「何を言ってるの。そこまで分かってるのなら、もう答えは出るわよ。」



そう言い、別のグッズコーナーへ歩いて行くトキ。引き続きどう言う事だと考えながら、彼女について行く。今の言い方からすると、トキがアベニールにとどめを刺したのは間違いないってことか。なら、生き返ったと言う解釈が正しい。生き返らせる魔法なんてものが有・・。



「あ、そんな物があったな。」



二度目のクエストでゴブリンから奪い、トキが管理していた物。そう、



「使ったのは、蘇生の薬か。」



「遅いわよ。やっと思い出した?」



そう、蘇生の薬。転移者と神は、死ねば実体消える。それなら俺のパーティーではトキ以外には意味ないなと忘れていた物だ。



「ただ、どうして使えたんだ?」



復活の理由はそれで間違いなさそうだ。が、アベニールは神。死んだら消えてしまい、使えないはずだ。



「蘇生の薬が、あなたたちに使えない理由。それは、死ぬとコンマ一秒で肉体が消えてしまうからよ。」



コンマ一秒で消える。逆にコンマ一秒猶予があると言うことか。



「つまり、とどめを刺すことで死ぬタイミングを図り、コンマ一秒の間にジャストで薬を打ち込んだと言うことか。すげぇギャンブルだな。そんな短時間で薬を打てるか、確かじゃなかったろうに。」



「あら、私のPSを忘れたのかしら。」



トキのPS。時を止めれるが、自分も止まると言うポンコツスキルだ。そして最初に進化して、増えた技はと言えば・・。



「・・納得がいったよ。タイムラプス、生物の動きを止めたまま、物理法則を進ませる技だな。だからあんなに振りかぶってたりもしたのか。」



「そう。今ではほんの少しだけ動けるようになってるんだけど、そうする事で最悪動きが止まった後でも注射ができると思ったのよ。心配だから、念の為使っておいたの。これで30%ぐらいの確率をほぼ100%にしたってわけ。」



・・凄いやつだ。最初からトキは、アベニールを救う算段がついてたみたいだな。



「死ぬ予知が変えられないものだったなら、生き返らせれば良いだけよ。後は、次の死ぬ予知が先の事だと祈るばかりね。」



「・・だな。よし、今日は俺の奢りだ。いくらでも買っていきやがれ!」



「まぁ本当?申し訳ないからちゃんと返すつもりだったのだけど、そう言うのであれば奢られてあげるわ。」



「財布とか呼んでた割に、考えてくれてたんだな。」



絶対返すつもりないワードも何個か出てたと思うんだが。



「違うわ。私、現金を持ち歩かないの。ここ、カードが使えないなんて知ってたら、ちゃんと持ってきてたわよ。」



「はいはい。とりあえず、値段さっきから見てないけど、少しは俺の財布の中身を考慮して買ってくれよ。いくらでもとは言ったが、限度がある。」



「ここ美人は無料らしいわよ。」



「それ男側が奢る時に言うセリフな!」



そっちから言う事じゃねーから。



「大丈夫よ。言ったでしょう?銀行があるって。」



その大丈夫が、法に触れるものかそうじゃないかのどっちなのかは、ウサウサグッズを買える喜びの表情に隠れ、読み取ることはできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ