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ダイバー入門  作者: きむらきむこ
9/31

9 新パーティ、ダンジョンに行く 3

この度、被災された方々へお見舞い申し上げます。

皆様のご無事をお祈りしております。

 交代でお弁当を食べて、トイレを使い休憩を終えた。お茶代わりにレモンティーポーションを飲んで午後からに備える。既にトイレは片付けてダンジョンバッグの専用の場所に入れてある。


 ダンジョンバッグは、ダイバーに便利なように作ってあるリュックの事だ。一番底の部分がトイレやシャワーを入れておけるようにファスナーが付いている。誰だってお弁当やトイレを同じところに入れたくないもんね。核やドロップ品を入れられるポケットもあって使いやすい。


 メーカーの企業努力って凄いよね。


 私たちは、三階に下りた。中級薬草や果実が採れる層だ。ただ果樹園があるって事で、ダンジョン蜂や蟻に遭遇する率が上がるのよね。蜂はウォーターバレットでなんとかなると思うんだけど(今日は人数が多いしね)、蟻にあったらどうしよう?


 蟻は、蜂にもまして強い。外殻が硬いので魔法の通りが悪いし、刃物も通らない。ギルドで買い取りしてくれる立派な素材なんだけど、どうやって倒してるんだろう?とパーティ内で聞いてみた。


「一番簡単なのは窒息だよな」と尾形くんと藤井くんが、事も無げに答えてくれた。


「窒息?」


「そうそう。蜂も蟻も基本モンスターも全部、息してるからね。水魔法で閉じ込めてやるとだいたい死んじゃうよ」と寺田くん。


 思ったより水魔法の汎用性が高いことにおどろく。

その後真奈ちゃんと里ちゃんの三人で、蟻の呼吸器に関して簡単なレクチャーを受けた。私は水魔法使えるけど、真奈ちゃんと里ちゃんは制御がいまいち。


 二人は私たちから少し離れて、水魔法の練習をした。寺田くんが二人に付き添って、練習の様子を見ている。寺田くんはなんというか頼りになるお兄さん的な感じがする。弟とかいるんだろうか?聞いてみた。


「妹も弟もいない、でも尾形がいるからなあ」と寺田くんは言った。その場のみんながああ〜という気持ちで一つになった。ちなみに尾形くんと寺田くん、藤井くんは三人とも高校で知り合ったらしい。尾形くんの影響力の凄さを知る。


 ここまで、尾形くんにスポットを当ててないから分からないだろうけど、なかなかに強烈なキャラなのだ。尾形くんは。


 どうすごいって?細かいことをいちいち説明出来ないんだけど、とにかく「お世話しないと!」という気分にさせられる人なのだ。例えば、休憩を終えた私たちが立ち上がると、そこには大体において尾形くんの痕跡が残されている。


 これからモンスター退治に出かけるというのに、たっぷりのポーションの素が袋ごと地面に落ちているんだよね。人当たりがよくて、運動も勉強も結構できるらしいんだけど、集中力の向いてる方向から少しズレると、途端にポンコツになるらしい。


 寺田くんは、そんな尾形くんのフォロー係として過ごしているんだそうだ。曰く、なんかほっとけないんだそうだ。きちんとした人だから、つい、という感じだろうか。


 簡単な練習後、私たちは中級薬草の採取を始めた。男子チームは一人を警戒にあてて、果樹採取をしていた。もちろん私たちも女子も、一人は警戒に専念している。





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