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ダイバー入門  作者: きむらきむこ
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6 新パーティ発足

「この研修の他にも魔法制御の深堀り研修があるから、機会があればまた参加してね」浜崎さんはチラシを一枚渡してくれた。その後他の参加者にも配ってたので、私たちだけじゃなかったんだ、とちょっとだけ残念な気持ちになった。

いや、浜崎さん、お子さんがいるの分かってるからね!真奈ちゃんと里ちゃんが、ニヤニヤしながら私を見ている。


 そういう意味じゃなくって、知ってる人からの特別感ってあるじゃん、と私は真奈ちゃんと里ちゃんに必死で説明した。


「浜崎さんと知り合いなの?」と研修の時に隣りにいたグループの男の子に聞かれた。


「知り合いってほどじゃないの、この間ダンジョンで蜂に襲われそうになったのを助けてもらったの」と里ちゃんが答えると、それってすごく運が良かったね、としみじみ言われた。


 なんでも浜崎さんは知る人ぞ知るすっごいダイバーなのだそうだ。すっごいのは、ダンジョンで見たから知ってるし、今日もアレ、私たちできんの?って魔法を見せられたよね?と思ってると、彼は、浜崎さんが田中DP㈱でエース級のリーダーをしていることを教えてくれた。


 なんでそんな事知ってるの?と聞いたら、彼は両親がポーション屋さんなので、その関連で田中DP㈱と仕事上の付き合いがあって、情報が耳に入るそうだ。


「私も両親がダンジョン省所属のダイバーだから、ちょっとは知ってるけど、そこまでは知らなかったわ」と言うと、彼は私の名札を見て、不人気ダンジョン対応の菊池さん?と聞かれそのまま親の話になってしまった。



 彼は藤井くんと言って、男の子三人のパーティーで参加してたので、その場のノリで今度六人でダンジョンに行くことが決まってしまった。


 公民館の近くのコーヒーショップで席を取り、六人で得意な魔法と連系の取り方の打ち合わせをした。上手く行くかどうかはやってみないと分からないけど、パーティーを組むなら話し合いは大事よね?さっきも研修で言ってたし。


 「ねえ、魔法制御の研修って出る?」里ちゃんが聞いてきた。


「もちろん出るよ」男の子たちはすぐに答えた。

「魔法制御、しっかり出来るようになったら、今日浜崎さんがやってたようなの、教えてもらえるんだよ」と藤井くんが声を潜めていった。


「なんでそんな小さい声なの?」と真奈ちゃんが聞くと、尾形くんという背の高い男の子が、やっぱり小さい声で、返事した。


「魔法制御の後の研修ってね、ある意味田中DP㈱のリクルートなんだよ」


「ええー!」私たち女子チームは大きい声を出してしまった。


 彼らの話によると、研修会を入口に魔法制御の研修を行い、そこでめぼしい人材に声を掛けて入社、という流れがある程度出来ているらしい。あまり大々的に説明していないのは、参加したからと言って必ずしも入社できるとは限らないからだそうだ。


「顔つなぎのコネ作り、くらいで参加したほうが良いって親には言われたけどね」藤井くんはそう言った。

尾形くんと寺田くんは、横でウンウン頷きながらも、顔見知りになるだけでもすごいアドバンテージだよな、と言った。


 ホントにそうよね、と私達も頷いた。




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