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ダイバー入門  作者: きむらきむこ
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4 初心者ダイバー研修

評価、いいね!ブックマークをありがとうございます。

「蜂、一瞬で消えましたね!すごい、氷魔法ですか?」

助けてくれた男性に、聞いてみた。


「お父さん、すごいでしょ?氷いっぱい作れるんだよ」


「みんな本当に怪我はないんだね?今回は助けが間に合ったけど、いつも大丈夫という風にはいかないから、浅い階層でもポーションは持って歩くんだよ」


「はい、本当にありがとうございます。ポーションは葉っぱで持ってたんですが、きちんとボトルの状態で持ち歩くようにします」と真奈ちゃんが頭を下げながら、言った。


「そうだね。そうしてもらうと僕らも安心だ。ダイバー同士、怪我のないように頑張ろうね」そう言って男性は男の子を連れて、出口に向かって歩いていった。


 私たちはその人の後ろ姿を見ながら、彼が使った氷魔法の凄さを口々に称えていた。そして遅まきながら、ポーションのお茶パックをボトルに入れて水を入れたのだった。

 

 お茶パックって、ティーバッグとどう違うの? ティーバッグはまぁ1人分淹れる用と考えてほしい。パックは1リットル用のお茶のパックを思い浮かべてもらえば、それが正解だろう。


「京香ちゃん、ごめんね、二人で逃げちゃって」真奈ちゃんと里ちゃんが頭を下げた。

「…ううん、私たち連携もしっかり取れてなかったし、ダンジョン蜂が出て、パニックになっちゃったのも仕方ないよね。でも声かけてくれたから、なんとか対応できたし」

私の中にも置いていかれたショックな気持ちはちょっとあったが、初心者の集まりで、しかも初めてのダンジョンだったのだから仕方ないと思い直していた。


 しばらくはスライムを叩いたり、果実採取に励んでいたが、下の層でモンスターと戦う自分たちを想像できず、帰ることにした。大して収穫はなかったが、交通費とごはん代位にはなったと思う。


 新人ダイバーだけでモンスターに挑む決心が付くか、もしくは先輩ダイバーの下について勉強させてもらうか、(メンバーを新たにするか)を選ぶまでは、多分ダンジョンには行かないかも、と三人で話しながら帰った。 


 数日後「ねえ、これ見て」真奈ちゃんが、手にしたチラシを私たちに見せた。初心者ダイバー研修のお知らせだった。


「この前は何にも知らないでダンジョンに行ったし、こういうの行って勉強してみない?」と真奈ちゃんは言った。


 チラシには、研修費用とダイバーが持ってると便利なものとか、パーティーの連系の取り方や簡単な魔法の使い方などの研修内容が書かれていた。


「研修日って、今度の土曜ね、参加費もこのくらいなら有りかなあ」と里ちゃんも乗り気のようだ。確かにこの内容なら受けても良いかもしれない。私も参加に手を上げた。




 土曜日、学校近くの公民館で初心者ダイバー研修は行われた。主催は田中DP販売㈱。ものすごく有名なポーション屋さんだ。県内の有名企業でもある。お父さんがダンジョン省所属のダイバーである関係で、家で時々話題に上がったりもする。


 同じような年ごろの子たちが、たくさん集まっていて、ちょっとドキドキした。受付で参加費を払って、テキストと名札をもらって、指定された部屋に入った。


 部屋にはパーティー毎に席が区切ってあって、自分の名札の場所に座って待った。



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