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ダイバー入門  作者: きむらきむこ


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25 長田ダンジョン 2

 グリーンライトが階段を下りたその時、階段のすぐ近くで戦闘が行われていた。刃物を振るう音に、重いものがぶつかる音、明らかにワイルドボアの討伐戦をしているようだ。


 先程の大声からして、あまりうまく行ってないようだった。京香たちはアイコンタクトを交わして、助けが必要ですか?と声を張って確認した。


「来るな」と同時に「お願いします」が聞こえたので、再度「助けは必要ですか?」と声を出した。


「お願いします」と数人の声で返事があったので、尾形と京香が土魔法でストーンバレットを数発ワイルドボアに打ち込んだ。命中した場所が良かったのか、ワイルドボアはそのまま消えてしまった。

 

「ありがとうございます」ボア相手に苦戦していた、パーティの一人が京香たちに頭を下げた。


「ワイドルボアが増えているって受付で聞いたけど、ホントに多いのね、大丈夫だった?」と里が初対面の彼らに声をかけた。


「もうちょっと時間があれば俺たちでやっつけられたのに」「余計なことをして!」という数人の返事があったので、グリーンライトとしては、ワイルドボアの核は要求しないことにした。


そうしたのだが、「今回は請求しないけど助けがいるか確認して助けたんだから、本来は核や素材は半分は助けてくれたパーティに渡すのがマナーだよ。ダイバー講習で習ったよね?」と寺田が、穏やかに彼らに話しかけた。


 五人いるうちの二人は、申し訳無さそうに寺田に頭を下げたが、声高に必要なかっただの、余計なお世話だのと言う三人は態度が悪かった。


「あなたたちは、彼らとこの先もやっていけるの?」小声で真奈が二人に話しかけた。

 

「いや、もう無理です。必死で引き止めたんですが、ボアの群れに突っ込んでいこうとして、なんとか逃げながら一頭だけに削っていったんですが、それでも僕たちが倒すのは難しかったのに」極めて冷静に返事をしたのは、真面目そうな男の子だった。


「あの、ありがとうございます。住吉といいます。先日ダイバーになったばかりで…」


「本当に助かりました。ありがとうございます。僕は正木です。今回が初めてのダンジョンなんです」


「なんですって?初めてで、長田ダンジョンに来たの?」

真奈と里が声を揃えて言った。


「初心者が来るダンジョンじゃないよ、あっちの彼らはもっと経験があるの?」寺田が正木たちに聞いたところ、全員高校一年生で、つい最近ダイバーになったばかりの初心者たちだった。


 住吉も正木も、グリーンライトのメンバーと同じ高校に通っていた事が分かり、ダイバー情報室の説明をして今度学校でゆっくりとダイバー活動の話をしよう、と言うことになった。


 とりあえず、住吉と正木はあの三人とはもう一緒にはやっていけない、というの、京香たちが受付まで送っていくことにした。


「なんか、私たちこの間から、誰かを受付に送っていくようなことばっかりやってない?」里が言うものもっともだった。



 

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