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ダイバー入門  作者: きむらきむこ
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2 ダンジョンに行きます

評価、いいね!ブックマークをありがとうございます。

 次の土曜にダンジョンに行くことになった。

メンバーは高校の友達二人で、真奈ちゃんと(さと)ちゃん。高校からの方向が同じで、帰り道に良く一緒になる。たった二駅の帰り道だけどね。


 目的は私の家の近くの、小さい山にあるダンジョン。

比較的低レベルで、初心者向けなんだそうだ。ダイバー講習の時に配布される冊子に、堂々と「初めてダンジョンに行く人向け」と書いてあったのだ。良い子の私達は親に心配をかけないのだ。


 初めて、と言ってもダイバーになって初めて、行くダンジョンであって、これまでにも定期的にダンジョンには行っている。これは、皆そうなんだけど、幼稚園に入ったあたりから年に2回。親にくっついてダンジョンに入っている。


 半年に一度子どもは必ずダンジョンに行くことが、義務付けられている。どうしてって、ポーションの効き目を有効にする為によ。


 基本ダンジョン関連のものは、ダンジョンに行ったことがないと効かない。説明文を読んで私なりに理解するところによると、「ダンジョン内の魔素を定期的に浴びないとポーションが効かない」ということらしい。


 だから大抵の大人は、ダイバー資格を持っている。子どもを連れて行くついでに、スライム狩りで小遣い稼ぎをして帰りは外食とか行ったりするのは、割と良くある家族のレジャーなのよね。


 大人は大人でマイナンバーカードを保険証として病院で使うと、「今年のダンジョン行きが確認されてませんよ」なんて受付のお姉さんに言われたりするのだ。マイナンバーカードはダイバー資格も紐付いてるので、保険との絡みもあってダンジョンに入ったかどうかも分かるようになっている。


 国のダンジョン対策と、健康のためのポーション対策を兼ねた一石二鳥プログラムなんだって。ワクチン接種は親の理念でしない人がいたりするんだけど、子どものダンジョン行きは、宗教や意見は関係なく「必ず行くこと」になっている。



 子どもの時から最低でも年2回ダンジョンに入って、遊びの範疇でスライムなんか倒してたら、ダイバーになる頃には大抵簡単な水魔法が使えたりする。今や、日本人はほぼ全員が魔法使いだ。


 それで、ええっとそう!ダンジョンに行く話ね。

土曜の午前にダンジョンの受付前で待ち合わせをした。そう、ここのダンジョンには受付や買い取りコーナーがある。僻地や不便さが勝つ不人気ダンジョンには入口の扉すら無いところがあるのよね。


 なぜ知ってるかって?行ったことがあるからよ。家の両親は、不人気ダンジョンを中心に廻って、「湧き」対策をする専門ダイバーなのよ。だもんで、子どもの頃から親に付いてあちこちのダンジョンに行ったのよね。


 だからか、私は既に水と風、土魔法が使える。高校生では結構珍しいと思う。


 あ、話がまた逸れちゃった。待ち合わせをしてダンジョンに入ったのよ。真奈ちゃんと里ちゃんは、秋生まれの私より誕生日が早くてダイバーになったのも、数ヶ月早い。土曜までは真奈ちゃんと里ちゃんは、2人で潜ってたのよね。


 そこに混ぜてもらっての入ダンだから、私も緊張してたのよ。だからかな、あんな事になったのは。


 



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