第二話(3)
とうとう次の本を読む時が来た。とりあえず本を取ってみると、「『初級魔法』小火の使い方」と書いてあった。やったー‼︎21年の基礎学習の末、とうとう魔法を使う事が出来る。そう思って最初のページを開けた時、注意書きがあった。「この魔法は、火属性に適正が無いと使えません。」と書いてあった。
正直に言おう。めっちゃ焦った。5分程で落ち着いた。そして、次のページを開いた。火の形を想像して魔力で作り、詠唱を言い、放出すると書いてあった。
詠唱は、『Mutatio Elementum Vis Magicae Minima Ignis』との事。
まず、身体の中に魔力で火を作った。そして、詠唱した。「ムータチオ、エレメントゥム、ウィス、マギカエ、ミニマ、イグニス!」うん、大学で取ってたラテン語の授業が此処に来て役にたった。魔法の結果は、成功だった。掌から小さな火が出た。
感動で言葉が出なかった。まさか自分が魔法を使える様に成るなんて。
とりあえず、次のページを開くと、この詠唱には短詠唱があることがわかった。まあ無詠唱がカッコ良さそうじゃない?あるかどうかは分からないけど。まあ今魔法を使った感じでは絶対ありそうだった。短詠唱を見てみる。
「Mutatio Magica Minima Ignis」
「Minima Ignis」
だいぶ短い。やってみようかな。うん。とりあえずまた火を作る。そして詠唱する。『ムータチオ、マギカ、ミニマ、イグニス!』。しかし、ボフン!と音がしただけで、火は出なかった。
でも、何で失敗したかはわかった様な気がする。要するに、身体の中でどれだけ早く、精巧に火を作れるかが重要なのだ。精巧であればある程、詠唱が短く成る。取り敢えず、もっと頑張ろう。魔法マスター、それこそ「賢者」になってみたい物である。