表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

里帰り

作者: 春の風物詩SAKURA

 「いやぁ、やっぱり夏は田舎でも暑いな」

約一年ぶりに地元に帰ってきた。去年は結局仕事やら東京になれるので精いっぱいで、なかなか帰れなっかったのだ。とりあえず、実家に帰る。

「ただいま~!」

と、家に入り言う、いつもは誰も返してくれない一人暮らしだが、今日は実家だ。

「おかえり」

と、父

「おかえりなさい。暑かったでしょう。」

と母が出迎えてくれた。昼食のソーメンを食べながら、仕事の話や一人暮らしのことを両親と話す。久しぶりに賑やかな、食事だ。昼食を食べ終えた後、俺は彼女のもとへ向かった。彼女とは、ちいさいころからの幼馴染の京田きょうだ けいのことだ。

「ふふっ」

一年前、俺が東京に就職したことを伝えると目に涙を浮かべて、でも

「しっかり頑張って来なさい!」

と笑顔で送り出してくれたことを思い出して、ふと笑みがこぼれた。彼女とは本当に小さいころから、一緒に遊んでいた。クラスメイトに「お前ら付き合っているだろ」とからかわれたこともあったが、そんなことは気にせずに、山や川で遊んでいた。ようやく見えてきた。俺の実家から少し離れた小高い丘の上に彼女はいる。

 「ただいま」

というと、

「おかえり、待ってたよ。もう!一年も会えないなんて聞いてないんだけど」

と彼女が言う。

「田舎も暑いけど、東京のアスファルトからも照り付けてくる暑さとは違って、まだ過ごしやすいね」

「ねぇ、東京土産とかないの?」

と彼女は目をキラキラさせて、俺に問う。

「お前楽しみにしてたよな」

俺はそういいながら、東京土産を置く。

学生時代、俺は彼女に惚れていた、、、いや、憧れていたといった方が正しいだろうか。

いつも明るく彼女がいるだけで、周りも自然と明るくなる

まるで、太陽のような存在だった彼女に俺は次第に惹かれていった。

「さてお土産も置いたことだし、家に戻るわ」

「うんまたね!必ず来てよ?」

彼女はそういうと、あの頃の様に太陽のような笑顔で見送ってくれた。

サァッと風が吹き夏のじめじめした暑さを少し吹き飛ばし、俺は風に促されたように後ろを振り返る。

まるで彼女がそこにいるような気がして、彼女の好きだったヒマワリが太陽のように輝いている、墓石に向けて、

「あぁ、必ずまた来るよ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ