表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者殺し  作者: 司馬仲達
~聖女殺し~
5/5

4

一一一朝。

チュン…チュンチュン……


小鳥の囀りと、うららかな陽気につつまれて

私は目を覚ます。

前世では、正直考えられなかった幸せだ。


んーーっと、私は軽く伸びをして

朝食の準備へと赴いた。



「あら、カルア。もう起きてたのね」

「おはようございます、聖女さま」


台所へ行くと

既にカルアが昨日の残りのシチューを温めており

私が作った【窯】に火をくべていた。



「聖女さまが毎朝、焼いてくださる【パン】が

待ち遠しくて早起きしてしまいました。

【小麦】っていう作物は凄いですね!!」


そうなのだ。

元々、ここの食生活は酷いもので

硬いパンと味気のないスープが当たり前だった。


ここで前世の記憶が、かなり役に立った。

【牛乳から作ったシチュー】もそうだが

私たちの食生活を大きく変えたのは

【【イースト菌】】の作成だ。

これがないとパン作りは始まらない。



「【小麦】を作る為に動物の糞や私たちの糞を

集めだした時は、流石にドン引きしましたけど」


カルアは懐かしそうに話を続ける。

“うんこ聖女”だったり、

酷い呼ばれ方をしたものだった。


当然、この世界では【肥料】なんて考えや

【休耕】なんて考え方が

そもそも無かった。


その頃には

私は癒しの力は皆んなに認められていたし

いつも【治療費を貰わない】私が


“家畜の糞をください”なんて言い出した日には

村人からは、かなり心配されたものだった。


その“うんこ聖女”のおかげで

この村は少しずつ発展してきているのだし

もっと私を敬ってくれてもいいと思う。


そんなくだらない事を考えながら

カルアと共に朝食の準備をしていった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ