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転生者殺し  作者: 司馬仲達
~聖女殺し~
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3

「聖女さまぁ、お腹すいたー」

「お姉ちゃん、ご飯まだー」


扉に施錠をするなり

お腹を空かせた子供たちが

私の足元に、わらわらと集まってくる。


「はいはい、今から用意するから

ちゃんと大人しく待っているのよ」



最近は人攫いの野盗が出ると

村では噂が立っているので

孤児院も兼ねている、この教会では

日が沈む前に、戸締りをする。


何でも、

子供を狙った人攫いが増えている様で

幼児趣味の金持ちに売られるのだとか。


世界が変わっても

下衆は下衆で、どこにでもいる様だ。



「聖女さまー、今日の晩ご飯はなにー?」


「んーさっきの患者さんから頂いた

牛乳とお肉でシチューでも作ろうかしら」


「やったー!!お肉たべれる」



10歳で年長者の1人の短髪の

少年の名はアルフレッドだ。

お調子者で、よく怪我をする。


将来は“私を守る騎士”になりたいらしく

教会を抜け出しては

森で魔物たちと戦っているらしい。



「アル、今日も森に行ったでしょ」

「行ってねーよ、変なこと言うなカルア」


アルフレッドは慌てた様子で

腰まで黒髪を伸ばしたカルアと

呼ばれた子供を小突く。


ちなみにカルアの夢は

私の様に教会のシスターになりたいらしい。

どんだけ皆んな、私の事が好きなんだと

勘違いしてしまいそうになる。



「ひくっ…ひくっ……」



みるみる内にカルアの目には

涙が溜まり、わんわんと泣き出す。



「アル!!カルアに、ちゃんと『ごめんなさい』するまで

ご飯抜きだからね!!」

「……ごめんなさい」



不服そうなアルフレッドと

まだ涙目のカルアの頭を

ゴシゴシと撫でて


あーーっ。

なんか平和だなぁと感じつつ


私は夕食の準備をする為に

台所へと向かった。






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