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第2話 『ステータス』


自分の姿を確認した池を後にして、今いる森を見て回ろう。

身に覚えのない服装に、見た目や年齢が変化したことに、心は弾んでいた。


「それにしても、夢の中とはいえ幻想的でキレイだな!!」


見上げると濃紺の空に星が瞬いている。

夜は完全に更けていて、森の中なら本来は暗いはずだ。


ーーーぽわーっと光って浮いている玉は、魔法みたいだな。


淡い光を放つ見たこともない玉が複数浮かんでいるおかげで、夜でも暗闇に襲われて怖い思いをすることはなさそうだった。


ーーー空気も澄んでいるから頭がすっきりしそうだ!


夢なら怖くないと物珍しさを感じるものを次々求めてドンドンと森の奥へと進んでいった。


タツキは、これまでに見たことのない世界を目の当たりにして心躍っていた


「これはすごいな」

「あれはなんだ?」

「うお! 滝だ!!」


どれほど歩いたのか。

気づくと開けた場所に出ていた。

小川が流れていて、急に喉の渇きを思い出す。


両手で水をすくって口元に運ぶと体に染み渡っていくようだった。


ーーーん!!!!!!うまい!!!!!


 さすがに歩き疲れたと小川のほとりで大の字になって寝転んだ。

闇は薄くなってきていて、夜明けが近いように思えた。


―――へ~昼夜とかもあるんだな~


「ふわ~~~~~~~~っ」


 ほどよい疲労感と水で膨れた腹は眠気を呼ぶ。

何となく寝てしまうのは惜しいと眠気に耐えながらぼんやりしていると、足音のようなものが聞こえてきた。


ーーー?

ーーー俺以外にもこの夢に誰か登場するのか!?


 「よっ」と声を出して起き上がると、10メートルも離れていない距離にクマのような生き物がいた。


ーーーおいおいおい、こんなクマがいるのかよ!??


 クマのような、としか形容できなかったのは、クマにはない凶悪な角が一本額から生えていたからだった。


寝起きの一本角クマは彼を見て”ごはん”だと思ったのだろう。

水を飲むのを止め、ゆらりと二本足で立ち上がるとタツキに向かって咆哮した!


「ひっ……!!」


 咆哮の意味はわからないが、このままここにいてはいけないと警笛を鳴らす本能に従った。

つまりがむしゃらに走ったのだ。


ーーーなんだよ! あれは!!? あんなの俺の夢に必要ないから!!!


 無我夢中で森の中を駆ける。

後ろからはドスドスと重い足音が追いかけてきている。


 自分がどこを走っているのかも、どこへ向かっているのかもわからないままとにかく体力が続く限り走った。


「はぁ……あの、洞窟に……、身を隠そう……!!」


 息も切れ切れに自分に言い聞かせながら、ぽっかりと穴が空いた穴蔵に彼はたどり着く。


「はぁはぁ……はぁーーーーーーー」


ーーー息ができない…


心臓が痛い。激しく脈打っているのを感じる。


ーーー今のは一体なんだったんだ……。


 面白おかしく散策をしていたはずが、一本角のクマに追いかけられるなんて……。

まだ彼はこの後にとんでもないことを待ち受けていることを知らない。



 穴蔵で身をかがめ、必死に息を殺す。

汗で服が肌にべっとりとくっつき、森を駆け抜けたからか足には無数の生傷ができていた。


そんなものに気が付かないほど、タツキの頭はあの一本角クマを撒けたかでいっぱいになっている。


疲れきった体に鞭打って必死にクマの姿を探す。森の方へ目をこらした。。


―――どこだ!?


 キレイだと感動していた夜を照らす浮遊する玉も不気味に思えてくる。


―――近くにいないのか!?


目だけでなく耳にも神経を集中させる。

虫がうごめいているような音、川の流れる音、木々が風で揺れる音…


その全てを無視して、クマの足音を探る。


―――

――――――

―――――――――


・・・・。


 だが一本角のクマの姿は見当たらなかった。

 

 今まで全身、気を張り詰めすぎていてせいか

危険がないとわかって、糸が切れるように力が抜けていった。


ーーーどうやったら、この夢は終わるんだ……?


 夢の終わりを望んだその時、空を切り裂くような音がしたかと思うと、タツキは森へと宙を舞っていた。


ドチャッ

何が起きたかわからないまま、気が付けば、タツキは地面の上にたたきつけられていた。刹那


「っっっっっっ!!!??」


ーーーイッッッッッ!!???

無意識に腹を押させていた。


鉄バットでへそあたりを思いっきり

ぶん殴られたような、痛いとはかけ離れた、強い吐き気がタツキを襲った


「オエッッッッッ、グッッッッゲホッッッ!!!!!!」


息が吸えない。目がかすむ。全身から血の気が引いてきて、寒い。指がしびれる。体が自由に動かない。


 突然の激痛と吐き気に混乱しながらもどこに何がおきたのかを理解しようとした。

 その行為すら混乱していることから突き動かされているとも知らず、痛みをもたらした敵の正体を探る方が先決だとも考えられずにいた。


ウィン。


「!」


 気が飛んでしまいそうになりながら痛む場所を意識すると、タツキのかすむ目にウィンドウと形容するしかないものが浮かび上がった。


〈ステータス

 人族 LV1 名前 タツキ


 HP:3/30

 MP:25/25

 攻撃能力:16

 防御能力:19

 魔法能力:16

 抵抗能力:19

 速度能力:13


 保持スキル:ステータス閲覧ユニーク

 称号:世界で唯一の閲覧者(ビューワー)

 

ーーーんな、なんだこれは……???

 さっきのわけのわからない打撃を受けた直後に、目の前で起こっていることに頭が回らない。

 

「グオオオオオォォォォォァァァ!!!!!」


 逃げるきっかけとなった咆哮が背後からも聞こえた。

意識がそっちに持っていかれると目の前に浮かんでいたウィンドウは消えてしまった。

 目の前にあったものが消えてしまいタツキは動揺した。しかし、視界に咆哮の主が入ると、頭の中が真っ白になった。


 目の前に二本足で立っているのは、あの一本角クマと同種!?

 先ほどの個体との違いは、額から生える角が折れていた。


ーーー終わった…


体はまだ動かない。ジリジリと近づいてくる一本角クマに対して、タツキはただ見ることしかできていない。


―――何か。何かないか…


目だけを動かし周りを見渡すが、現状を打破してくれそうなものは落ちていない。もっとも、落ちていたとしてもそれを拾うことすら今の彼にはできないのだが。


 そうして成すすべなく一本角クマ注視していると、、、


ウィン。


 そうして一本角クマを注力しているとタツキの望んだあのウィンドウがまた表示されることとなった。


〈ステータス

 獣族 ランクF 名前 なし

 種族名 ユニベア


 HP:170/250

 MP:30/30

 攻撃能力:100

 防御能力:160

 魔法能力:70

 抵抗能力:120

 速度能力:10


 保持スキル:■■■■■■■■■■■

        ■■■■


ーーーこれは一本角のクマのステータスか……?!

ーーー部分的に読み取れないところがあるが、もしこの通りなら俺は生き残れるかもしれない…


 自分のステータスを思い出す、レベルも攻撃力も上のこいつに唯一勝る部分がタツキにはあった。


最後まで読んでいただき


ありがとうございます!




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