第1話 『夢っすよね?』
ーーーえ?....ここはどこ...
彼の頭の中はそんな言葉で埋め尽くされていた。
上を見たり、左右に首を大きく動かして周囲を確認するも人影、
1つも見当たらず、恐怖が彼を襲っていた。
それもそのはずだった。彼はいつものように夜、仕事から帰ってきて
コンビニで買ってきた飯をレンチンしている最中の出来事だった。
ーーーちょっと疲れて寝たつもりだったはずだよな。
夢にしてはリアルすぎる風の音。木々がその風によって揺れる音。
ーーー夢に音ってあるのか?
ーーーちょっと現状を整理しよう。
今までろくにつかってこなかった脳みそをこねくり回してみるものの
これは夢という風にしか考えられなかった。
ーーー考えて仕方ないか寝ているであろう俺が目を覚ますまで夢の世界を楽しむとしますか!
今目の前に起きていることを”夢”だと決めつけることで焦りや恐怖はどこかへ消えていった。
そうなればとあたりを少し歩き回るとちょっとした池があったので覗いてみると...
大声を上げた。
「え!!誰!!これ、、、オレ!?」
「俺じゃないのに俺がこの体を動かしてる!!!」
これといって特徴のなかった青年が短い銀髪の高校生くらいの少年の体にすり替わっていた。
体格はまだまだ発育途中で、よく見れば今まで身に着けたことのない服装をしていた。
「この服は綿か?」
服の肌触りが着慣れた素材過ぎて気づかなかった。
唯一、夢を見る前の青年と同じなところといえば奥二枝でちょっと眠そうな鋭い目が印象的。
クラスでだまっていたら間違いなく声はかけられないタイプだ。
が、そんな己の姿すら確認するのがやっと。なにせ、ここは森の中。
当然、こんなことをしている間にも、この世界の生き物からすれば彼をごはん、ないし、
ストレスを発散するための何かと思っている輩だって存在することを彼はまだ知らない。
「要は、これは夢でとりあえず楽しみますか!!」
水面にむかって話しかけ、
あたりを散策するかとルンルンで歩いていった先にまた新しい出会いが待っていた。




