ナイト8「やっと信じてくれたぜ」
わかってはいましたが文章がやはりまだまだ未熟でした。あと根本的な設定もミスっていました。今後はそんな事の無いようにがんばります。
「お名前は?」
「・・・・水戸春時です」
「異国人なのよね?」
「・・・・たぶん」
「多分って・・・まぁ、記憶喪失だから仕方ないわよね」
先ほどから、春時は女性教師から質問攻めを受けていた。
女性教師といっても、正直大人の騎士にしか見えないが、クロの担任らしい。
「それで?・・・自分の力についてわかっていることは?」
「・・・・めっちゃ強いという事はわかりました」
そう言って笑う春時、だが女性教師は怪しい目でこちらを見ている。
「・・・あの、まぁ・・・俺が怪しい人間っていうのは仕方ありませんけど、クロが同級生に受けたあの行為についてはどう思うんですか?」
春時がそう言うと、女性教師は少しつまった表情を見せた。
「そ・・・それは」
「う〜ん、あの行為がまさか生徒同士であるなんて、もしかして知らなかったのかなぁ?」
「そ、それは、その」
「知らなかったらあなた方教師達の監督責任が問われますよねぇ〜」
「も、もちろん、それは承知しています、ハイ」
「それにねぇ、正直一般人と思われている人物に対して平然と攻撃をしてくる生徒にも問題はあるよねぇ?」
「は、はい」
「もしもこの事が公に知れたら、この学園の信用もガタ落ちだよねぇ?」
「で・・・できれば、生徒達のためにこの事は伏せて頂けませんでしょうか!」
「・・・ねぇ、センセイ、その台詞、生徒のため?それとも、自分のため?」
春時が体制をグッと女性教師に近づけて言った。
女性教師は恥ずかしそうに少し赤くなる。
「・・・は、春時・・くん、ち、近いわよ・・・」
「どうなの?センセイ?」
「あ、あの、だから・・その」
「こら、何やってる変態」
誰かが部屋に入ってきた。
そして心の中で舌打ちした春時は振り返って驚愕した。
「・・・・ど、どなたですか〜?」
春時がいやな汗をかきながら、ミーファと目を合わせないようにそう言った。
「あれぇ〜?森の中で助けてくれた恩人をお忘れかなぁ〜?」
「・・・恩人・・・あぁあ!恩人さんね!ハイハイ、恩人さんね・・・」
「先生、こいつ確かに怪しいけど悪いやつじゃないわよ、まぁ変人だけど」
「うん、ボロクソに言っておきながらのフォローありがとうね」
「み、ミーファさんが言うなら、まぁ、信用できる人なのね・・・い、いいわ、記憶喪失大変ね、でもがんばって・・・せ、先生でよかったらいつでも協力してあげ」
「はいはいはいはい、先生、もういいですから」
そう言ってミーファは女性教師を無理やり部屋から追い出した。
「・・・ったく、あんたもよく私の知り合いの知り合いになるわねぇ」
「はい〜?」
春時は殴られた。
「私の親友シェナに連れてこられたと思ったら、今度はクロと同居していたなんて・・・なに?あんた私のストーカー?」
「おいおい、冗談なら自分の姿を鏡で見てから言いたまえ」
春時は顔面を鷲づかみにされたのでとりあえず謝った。
「でも・・・あなたがティナ達と戦っているのを見て、正直・・・あなたが異世界から来たっていう事、信じようと思うの」
「おせぇ、今頃やっと信じてくれるのかよ」
「仕方ないじゃない!・・・そんな話、聞いた事ないんだから」
「・・・ま、それもそうか・・・で?シェナは?どちらかというと君よりあの天使に会いたいんだが?」
「・・・それ、微妙に傷つくから言わないでよ・・・私と会うのがそんなに嫌?」
少し顔を曇らせたミーファに、春時は少し驚いた。
「・・・・もしかして、やきもブフォ!!」
「はいはい、馬鹿言ってると殺すわよ?」
春時は頭から血を流しながら机にうつ伏せになった。
「・・・ま、冗談言いすぎたって事で、謝るよ、悪かったな」
「そうそう、最初からそういう風に言えばいいのよ」
「・・・本当、ありがとな」
「・・・・・はぁ?」
「いや・・・なんだかんだ言って、お前には頼っているからな、お礼ぐらいいだろ?」
そう言って笑う春時、そしてちょっと難しい顔のミーファ。
「どうした?」
「・・・・なんか、むしゃくしゃする!」
「は?なに?ストレスが溜まっているのかい?殴るなら壁殴ってね」
「うるさい!」
結局春時が殴られた。
「・・・で、やっぱシェナには会いたいんだが?」
「あぁ・・・シェナは、ちょっと今ね・・・」
「・・・どうした?」
「・・・・会いにくいんだって」
「・・・お前、シェナとケンカでもしたか?」
「あんたに会いにくいのよ!あんたに!」
「えぇ!!俺まだシェナにはなにも!」
「なに?何かするつもりだった?」
「べ!別に!冗談で馬鹿にしようなんて全然思ってないから!!本当!からかおうなんて思ってないから!」
≪・・・よかった、こいつただの馬鹿だったわ≫
少し安心したミーファだった。
「でもなぁ、俺に会いたくないなんて・・・意外とシェナも薄情だな、そんなに俺が異世界から来たって事を信じたくないのか?」
「あんたってつくづく着眼点のずれた男ね、それとも鈍感?」
「いや?勘は鋭いほうだ」
「じゃあ馬鹿なのね・・・あなたと別れる寸前まで、私もシェナも春時の話、一切信じてなかったでしょ?・・・それであの子、春時は本当に困っていたのに私たちはそれを見捨てたようなものだから、会わせる顔がないって・・・それでこないのよ」
「・・・ブッ・・・それは・・また、ククク、かわいい理由だなオイ」
そういいながらも笑うのを必死に我慢している春時。
「ほらね、こいつ全然気にしてない・・・でも、あの子は真剣に悩んでいるからね」
「ま、そうならそうで、しかたねぇ、俺がいっちょ迎えにいってやるか」
そう言って春時は外へ出ようとドアを開けた。
『あ!』
なぜか他の生徒達がドアの前で聞き耳を立てていた。
「・・・おいおい、盗み聞きか?」
「あ!あの!・・・どうやったらあんなに強くなれるんですか!」
「あ!お、俺も!何か魔法とかも使えるんですか!?」
「そ、それに!聖語も桜語もわかるって本当ですか!」
「ティナのあの剣さばきを見切った所!すごくかっこよかったです!」
「スールの弾丸を素手ではじいて尚無傷ってすごい!サインください!」
なぜか有名人になる春時。
「う〜ん、サインならいくらでもしてあげるよ〜、それと俺実は魔法が使えないんだよ〜、しかも異世界から来たもんだからその所為で強くなっているから強くなる方法は知らないんだな〜」
「あんた何重要なこと喋っているのよぉおお!!!!」
ミーファの強烈なとび蹴りが頭に入る。
「馬鹿!一応秘密にしときなさいよ!てかファンがいるからっていい気にならないでよね!わたしにだっているわよファンぐらい!」
足で春時を踏みつけるミーファ、そこへ、色紙を持った生徒が。
「すみません、ミーファ先輩!サインください!」
「いいわよ、貸して」
さらさらと書くミーファ。
「ありがとうございます!・・・春時様も、書いてくれますか?」
「オフコース!」
さらさらと書く春時。
「名前は?」
「え?・・・ジムです」
「オッケ、ジムちゃんへ」
「わぁ!ありがとうございます!」
「なんでもうすでに有名人気取りなのよぉおお!!!しかも様って私より上!?」
「痛い!痛い!痛い!踏みつけるのはよせって!」
二人がそんなことをしていると、雪があきれた顔で近づいてきた。
「・・・あの、ちょっといいですか?」
「あ・・・一緒に戦っていたサムライさんね、何言ってるかわかんないけど」
「おう雪、大丈夫だったか」
「うん・・・それと春時・・・なんか、お父さんと学園長が呼んでるわ」
「えぇ〜、俺今からシェナに会いに行くつもりなんだが?」
「なに?どうしたの?」
「学園長とシラサギ先生が呼んでいるだってさ」
「バカ!だったら早く行かなきゃ!学園長を待たせたら大変よ!」
ミーファがそう言って先へ進む。
「へいへい・・・あぁ〜、どうしたもんかな?」
「・・・私も付いて行ってあげる」
雪もそう言って先へ進んだ。
そして、春時も嫌々ながら付いて行ったのだった。
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