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ことのおこり

 事の起こりは、娘の部活参観から帰って来た日のこと。本人たちは一生懸命やっているのでしょうが、剣道部の稽古だというのにあまりにも気合が足りない。剣道部の稽古といえば、うるさいくらいの気合のはずなのですが、道場が広いせいか声が小さく聞こえます。そんなあれこれを娘に話した後、娘が一言いいます。

「ねぇ、お母さん飛び素振りの足さばきやって」

ゆっくりと1回やってみせると、

「もっと早く」とせがみます。

 缶酎ハイを二本も飲んでいい気分だったのもあって、娘への見栄もあって、その気になってしまいました。

「これで、アキレス腱切ったらどうするんだよぉ」なんて冗談言いながら一回二回三回目で、足が滑ったように転びました。

 部屋の隅にあったモデムにぶつかった? それにしてはモデムに異常がありません。めまいがして、吐き気がしてただの打撲とは違うような感覚がしました。でも、足の指は動くし、足首に内出血の様子はないし。

 冷静になって考えれば、アキレス腱が切れていても動くのは当然です。足の指や足首を動かす筋は問題ないのですから。

 立とうと思っても、足に力が入りません。命に別状もないのに救急車のお世話になってしまいました。


「希望の病院はありますか?」と救急隊員さんに言われて、びっくりしました。どこでもいいんですけどねぇ。救急隊員さんのご都合のいいとこと言ってはみたものの、どうもそれだけではダメなようです。なら、入院になった時に面倒見てもらうつもりの両親の希望で、とも言ってみました。

 この言葉にも、父が頭が抱えています。我が家は近くに3つある救急病院のちょうど真ん中。どこをを選んでも変わりないとか。

 結局、息子がアスレチックから落ちた時に入院した、スポーツ医療で定評のある病院にお願いしました。


 病院では、救急の先生の診察から始まりました。問診、触診、レントゲン、CTスキャン?。問診の時点でアキレス腱断裂って言ってるのに、CTスキャン・・・。その後、整形の当番の先生へと引き継がれました。整形の先生がみえるまでの間、緊急の先生が見習いの先生にいろいろ説明しています。

「こっちの足は、脹脛をもむと足首が動くけど、こっちは動かないだろ。こっちは腱が張ってるのがわかるけど、こっちはみえないだろ」って、もまれるだけで痛いんですから何回も揉まないでくださいよ。

 形成の当直の先生がみえて、エコーがされました。アキレス腱ならエコーだけでいいと思うのは、素人考えなんですかねぇ。

「2センチも離れてますねぇ。もしかして無理して歩きました?入院して手術する必要がありますけど、このまま入院します。松葉杖が使えたら帰ってもいいですけど」とのお言葉。先生がみえる前に、何回も揉まれたのが原因だと思います、とは言いだせませんでした。

 使ってみれば、松葉杖って思っていたよりも簡単に使えました。

その後は、手術前の検査をいくつか行いました。今度は、手術用のレントゲンだそうです。

 その合間に足を固定していただいたのいいのですが、説明しながら添え木をしないでください。後進の指導って大切だとは思いますけど、研修教材にされていると思うと、不安になります。

 

 付き添いの父に治療費を立て替えてもらって、帰って来たのでした。


 



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