橋の上の剣客
とある辺境の都市。そこには日々を逞しく生きる者達がいた。冒険者。行商人。宿屋の店主。門兵。鍛冶職人。
当然、人智の通らぬ領域には、怪物達もまた蠢いていた。
あるとき、橋渡しの事業あり。都市と都市、あるいは集落を隔てる川に橋を架けるため、多くの人足、護衛の者達が身を粉にして働いていた。
種族も様々、されどその中に、一際目立つ男がいた。布切れ一枚を紐で縛った着流しに、ボサボサの黒髪を後ろで一本に束ねている。
ともすれば浮浪者にしか見えぬこの男こそ、この辺境で名を馳せることになる人物であるとは、今この時は誰も知る由もないのであった。
これは、素姓の知れぬ一人の男が生きた物語である。
当然、人智の通らぬ領域には、怪物達もまた蠢いていた。
あるとき、橋渡しの事業あり。都市と都市、あるいは集落を隔てる川に橋を架けるため、多くの人足、護衛の者達が身を粉にして働いていた。
種族も様々、されどその中に、一際目立つ男がいた。布切れ一枚を紐で縛った着流しに、ボサボサの黒髪を後ろで一本に束ねている。
ともすれば浮浪者にしか見えぬこの男こそ、この辺境で名を馳せることになる人物であるとは、今この時は誰も知る由もないのであった。
これは、素姓の知れぬ一人の男が生きた物語である。
その者、大小を伴って候 前編
2016/08/31 08:00
その男、大小を伴って候 後編
2016/08/31 14:00