りらっくす。
失業中で、気休めに書いてみました。
箸休めにお読みください。
平和そうな家族が、夕方散歩していた。
優しそうなお父さん、お母さん、娘さん、後ろからはお爺さん。
ご近所に挨拶して歩く。
「こんばんわー」
見た目14才のリローは、村のみんなに挨拶する。
「やあリロー、今日は売り物あるのかね?」
「残念、今日はソニエル兄さんの番よ。多分村の入り口でやってるわ。」
そう、リローの家族は、1日づつ交代で働くのだ。
共同生活をする事で支出を抑え、自分の得意な事で利益を稼ぎ、得た利益を分配し、自分の好きな事に情熱を注ぐ。
これが、この家族の契約だった。
ネットの掲示板で知り合った5人が、共有していた意識は「働きたくないでゴザル」
でも、何にもしないで、社会のゴミにはなりたく無い。
そこでリローが提案したのが、RMT実装制度だ。4人掛かりで一人の装備を充実させる。
その一人がVRMMORPGゲームでアイテムを狩りまくる。
狩ったアイテムをRMTで処分してみんなで分配する。
分配されたRMは個人の自由で使って良い。
サウスが乗って来た。
「だったら、うちのホームをベースにしろよ。購入してしまったけど、広すぎて後悔していたんだ。みんなが住んでも不自由は無いと思うよ。」
「ワシは狩猟のスキルが使えるな。RMTには使えないが、ゲーム内マネーのトレードには有効じゃ。みんなの食事の調達にも役立つ。」
ケンジンの爺さんがアピールする。この爺さん中の人はかなり若いんじゃ無いかな?
「ケンジンが材料を用意出来るなら、私の調理スキルが炸裂するわよ。食材を売るより、料理を売ったほうが利益率は高いでしょう。レートは低いけど、ゲーム内マネーもRMTの対象だしね。」
レスポールも乗って来た。
ソニエルはイマイチ乗り気じゃない様だ。
「なあ、リロー、それがうまく行くなら、何故今まで誰もやらなかったんだ?何か問題があったんじゃ無いのか?」
流石ソニエル、気が付いている。
「そうです。このプロジェクトは、自分が儲けようとしたら、即座に崩壊するシステムなのです。自分の稼ぎの方が大きい、あいつは稼いで無い。そういう意識を持ったら、即座に転覆、崩壊します。」
原始(理想)共産制。高等教育を受けた人ならば必ず学んでいるはずの社会制度。それを、ゲーム内で再現してみよう、と考えたのだ。
「このメンバー限定で、このルールで試してみませんか。5ヶ月やってみて、ダメならアウトで。途中我慢出来なくなったら自由離脱可、というルールで。」
5話で終わるのでご勘弁ください。