ネガティブ思考復活
――とうとう言った。
言ってやった。
言ってしまった。
想いをぶちまけてしまった。
たとえどう転ぶにすれこのままの――今までどおりの幼馴染としての関係に変化は生じてしまうけれど、これで全てが決まるだろう。
僕もすっきりすることに違いない。
けれど、ここにまた問題が一つ。
これからどんな顔をしてあいつと向き合えばいいんだ――?
「ぇ…」
秀治はじっと自分を見上げる明良を信じられないという目で見つめ、その後まじまじと明良をいろんな角度から覗き込んだ。これはどこからどう見ても混乱してるのだと一目で分かるような事をする奴だなと、明良は少し目を細めてそう思った。
「始めに…言われる前に言っておくけど僕は冗談で言ってないぞ。第一冗談でこんなこと言えるような僕じゃない」
まず言われそうな事に釘を刺しておく。
開き直りは最高の武器になるものだ。一度開き直ってしまえばとことん強い。なんとでもどうとでもなれという感じだ。なんだってどーん!と来い!とさえ思える。――ああ、自棄になってるな僕――と思わないこともないのだが。まぁ、どうにしろもう後に引く退路は絶たれた。これからの未来がはっきり決まるのは秀治の返事次第だ。
「……」
ああ……――。
まぁ――予想はしていたがだんまりか。当然な反応なのだろうが実際にされるとこれ以上苦痛なことはない。明良はダメージ80受けた!
「……ま、まぁ何だ。今すぐ返事をしろとは言わないけど…その、考えて欲しい。いや、でもまぁ…その、今はっきりしてる答えがあるなら構わず言ってくれ。き…気持ち悪いってならきっぱりそうと言ってくれていいし…。曖昧な誤魔化し方されるよりよっぽどマシだ…」
うぉぉぉ…。
だんだんと気分が落ち着いてきてなんか萎えてきたぞぉぉ…。もう強気でいられない。怖いぞ。なんて返されるか怖いぞっ。あいつの顔見てたらいつもの弱気な自分に戻っちゃったぞ!!うぉぉ〜…。気まずい。――ネガティブ思考復活――っ!
なんかまた涙でそう。視界が曇ってきたよ。なんか滲んでぼんやりしてきた……。