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三話

3/24加筆、改稿しました推敲が甘いなぁ

「おはようございます?図書室の幼女神様」

「なんだよその呼び方俺のことか?」


 寮の割り振りが決まり同室になったエリックが朝起きるとよくわからない絡みをしてくる

 ちなみに赤の短髪でさわやか風の男の子だ


「自覚ないのかよ噂の女の子が気になって特徴の情報を集めたらタクトだったんだよ畜生」

「それはご苦労なことで」

「そんな顔して華奢な体格だから間違えるのはわからなくはないけど文句の一つでも言いたくなる」


 種族特性なのだろう当時の俺と比べるとかなり線が細い


「まぁ月のない夜には後ろを気をつけるんだな」

「なんでだ!?お前に襲われる理由はないぞ?」

「なんでも何も寮で同じ部屋というのが判明するのもそう遠くない未来だろ?」

「ちょっくらお前が男だと噂広めてくる」

「がんばれよー俺には女扱いされてるのは癪だが不利益ないしな」

「くっそー他人事だと思いやがってぇ」


 捨て台詞を吐きながら走り去っていくさわやか系男子改め残念系男子を見送った

 しかし図書室に二週間通い詰めだったがそんな噂が出来上がるとはな……


 ※※※


「今日から座学と実習始めっぞー」


 朝シンシア先生が教室に来るなりそう告げる

 待つという三週間、いや二週間は長かった


「よっしゃあああぁぁぁ」

「地獄マラソン終了のお知らせ」

「やっと本業に励めるのね……」


 などなど周りから歓喜の声が上がっている

 どうでもいいことかもしれないが制服はマント一枚で中は自由である

 前で留めれるようになってるので同年代の服装を観察しようとしたのだが殆ど見れていない


「今後体術、武器の取り扱いがある体力が足ないと判断したらまた走らせっからお前ら体力維持しろよ?回復係も楽じゃねーんだわ」


 その一言で一同微妙な顔付きになる「研究職になるから体力は要らないのに……」という呟きも聞こえた


「では知ってる事もあるとは思うがおさらいも兼ねて初歩から始める」


 シンシア先生が黒板に書きながら話を始めた


「魔力とは何か?それは余剰生命力が変質したものだ人も魔物も同じだが例外もある」

「はい、人はオーガ系とドラグノイド系、魔物は何種類か存在しますがドラゴンが代表的です」


 問われてないのに挙手して答えるとは意識高いなー……ってエリックかよ

 この残念な男の事だ先生をターゲットとみてるんだろう


「正解、答えてくれると話しやすくて助かるわー、じゃなんで例外なのかも答えてくれるかな?」

「オーガは余剰分全てを肉体強化に使ってるという説が一般的です、当然魔法は使えませんが過剰な

 力により物理法則を捻じ曲げる事が可能なので劣っているわけではありません」


 最初は人気取りかと思ったが勉強出来るタイプなのか?コイツ


「ドラグノイドとドラゴンですが性質は同じで魔力構造生命であり自分で魔力を生産出来ないので

 魔力を含む食事、空気中に存在する魔力などでまかなわなければなりません」

「よく勉強してきてるわね、それじゃドラグノイドとドラゴンの違いは?」

「魔物因子の有無ですねこれを持つ生物が発する魔力は魔物の発生源になるので意思疎通出来て敵対してなくても有害になりえるので致命的な違いですね」


 脱線しつつもそんな感じで授業は滞りなく進んだ

 他に俺の服に起こった魔力による変質が漏らした本人の意識による影響が大きいなど眉唾な内容が続いた

 初心者が行くような森で迷ったのも素人が森に入ると迷うという意識があったかららしい


 ※※※


 少しの休憩を挟み実技の授業が始まった

 今までなんで魔法を試す素振りすらなかったかって?

 魔力が他に比べ異常に高いのだから暴発して町一個消し飛んだとかなったら洒落にならない


「お待ちかねの実技だがまずはコレを飲んでもらう、飲んだことがある奴は飲まなくていい」


 緑色のドロドロした如何にも不味そうな液体が配られた


「それを飲めば魔力を感知出来るようになるそこそこいい値段するんだが魔法の暴発、暴走の事故を

 減らすためだ飲んだことある奴にはその代金を後ほど返却しよう」


 リリィの特殊スキルなのかと思ったら意外と簡単に覚えれるんだな―――ってまっずぅ

 そこらへんの雑草をテキトーに混ぜて煮込んだような味がした何コレヤバい


<【魔力感知】を獲得しました>


 ポップアップが出てきた何か久々な気がする

 それは兎も角、周囲を見渡してみると空間に色がついていたり匂い、肌触り、不味そうな顔―――は違うな

 簡単に言うと新しい感覚に五感を詰め込んだような状態だ五感は何時も通り感じれている


「飲んだな?飲んだ者からこのようにやってみろ」


 シンシア先生はそう言いながら丹田付近から魔力を漏らし手で掬うと火が灯りそれを宙に浮かせた


「この程度の魔法ならイメージだけで出来る得意属性から始めてみろ」


 イメージ、イメージかぁそれなら暴発とか暴走しなかっただろうか


「放出した魔力全てを使ってしまいイメージ以上の事象が起こるとかあるから気をつけろよ」


 読まれた!?いやよくある失敗なのだろう

 しかし魔力の保持も出来なかった時にやったら吹っ飛んでいたかもしれない


 言われたとおりに魔力を漏らし手で掬って光る玉を思い浮かべる

 すると淡い光を放つ玉が宙に浮いた―――成功したようだ


「成功した者は違う属性も試してくれ水晶で適性を見るより自分で細かく把握出来るはずだ」


 との事なので色々試してみる種族補正で殆どの属性を使えることがわかってはいるが確認は必要である

 火の玉、水の玉、風の玉、土の玉、闇の玉……難なく成功したのでイメージでどの程度変わるのか試す

 火に空気を含ませるイメージをすると青い火の玉が出来たので次は金属なしで炎色反応を試してみる

 赤色、青色、紫色、緑色、オレンジ……カラフルな火の玉が周りに浮かぶ

 これ面白いなとばかりに色々試す雷の玉、氷の玉、酸の玉、金属の玉

 ―――何か周りがざわついてきたな?周りを見渡すと何故か皆こちらを見ているので首を傾げる


「勝負よ!」


 目髪共に燃え上がるような赤色の少女―――いや美少女が駆け寄ってくると俺を指しそう言った


「ちょ!おまタクト何やったんだ?」


 エリックがあわてた様子で話しかけてきた


「え?先生に言われたとおり別の属性―――何があるかわからんからイメージ出来そうなもの試してただけだよ」

「おまえなぁ……」


 なにやら呆れ返っている、周りの視線も痛い


「彼女はアリス、アリス・フレイムだ家名があらわす様に火属性の魔法使いの名家だ」

「なるほどエリック先生の話はよくわかるなぁ」

「誰が先生だ茶化すなよ」

「しかし何が問題なんだ?」

「簡単な魔法とはいえ並列維持しその上、色を変えた火属性をポンポン上げれる素人が居てたまるか!」


 エリックは頭痛がすると言わんばかりに頭に手を当てている


「しかし素人って言ってないのになんでバレたんだ?」

「そんな魔力保持の仕方してるのを見たら誰でもそう思うよ……」

「流石エリック先生博識~」

「いや少し齧ってれば知ってることだよ……今の状態から体内を循環するイメージかな

 それが出来れば魔力効率は上がるし任意の部位から魔法を撃つ事も出来る、おまけに少しばかり肉体強化効果がある」


 体内を循環か……毛細血管を思い浮かべ細胞一個一個に魔力が流れるイメージをする


<魔力貯蔵の最適化および種族特性によりステータスが上昇しました>

 HP:230/230→360/360

 MP:40000/40000→50000/50000

 筋  力:221→423

 肉体強度:361→547

 敏  捷:174→392

 魔  力:2601→3726


 ハイウィザードって所謂壊れ種族なんじゃね?HPMP魔力以外初期値の数十倍である―――レベルは据え置きで

 そういえば地球とは違って普通に生活してるだけじゃレベルは上がらないみたいだ


「おいおい言われてすぐでそれかよ循環させるとは言ったが全身に濃度の高い魔力を纏って何処の魔王様だよ」


 エリックは呆れた顔をしている

 余談だが魔王は魔物の出現の延長線上にあり自然発生するので不特定多数居るそうだ


「全員出来たな?訓練室で初級攻撃魔法を教えっからとっとと行くぞ」


 シンシア先生マジマイペース


 ※※※


「火よ我願うは破壊の玉、ファイアボールっと初級はこんな感じで属性を変えて水ならウォーター、風ならウインド、土ならアースだわからなければ各自聞きに来い」


 シンシア先生がソフトボール大の火球を的に飛ばしながら解説した命中した的は少し焦げている


「えーっと火よ我願うは破壊の玉―――


 聞いたとおりに手から魔力を出しつつ唱えるが予想外に大きくなりそうだったので小さくなるイメージを組み込む

 心なしか光度が増した気がするが気のせいだと思いたい


 ―――ファイアボール」


 火球が的に当たると火柱が上がり消し炭になった


「あれ……?」

「いいか?あれが失敗例だ威力が高いに越したことはないが敵を捕縛する際牽制に使う場合もある」

「初めて撃って発動したのに厳しくないっすか!?」


 過剰な火力なのはわかるけど傷口に塩をすり込まなくても……


「あれが中級のファイアランスであれば及第点だな」


 シンシア先生が俺だけに聞こえるように言う飴と鞭ってやつだろうか


「さっきまで初心者みたいだったのにファイアランスが使えるとはやはり……勝負よ!」


 さっき勝負よと突っかかってきた少女アリスがやってきた、というか先生の話を聞け

 途中何を言ってるか聞こえなかったが勝負はなんだかんだでうやむやになればよかったのに……


「完成度の高いファイアランスを撃てた方が勝ちよ」


 拒否権はないらしい、やってみるかファイアランスとやらを


「火よ我願うは破壊の槍―――


 見たことがない魔法なのでイメージが重要である槍槍槍槍槍槍……うおおおぉぉぉ


 ―――ファイアランス」


 ググググ……パキーン……カランカラン


 ファイアランスを形成しようとした空間に赤い結晶が集まり圧縮され破砕音がすると

 そこから今にも燃え上がりそうな赤々とした槍が地面へと転がった


 槍:ファイアランス

 火属性の魔鉱で出来た槍

 攻撃力+96

 効果

 火属性付与

 備考

 消滅まで後999年11ヶ月29日23時間59分59秒


【解析】を使う確かにファイアランスである

 ふむ、成功したようだなこれをわたせばいいんだろう


「アリスー?これでいいのか?」

「誰が金属性の魔法で競……くっ畜生覚えてろよー!」


 わたそうとすると何だかよくわからないが走り去っていく勝ったようだしよしとしよう

 しかしエリックといいこの子といい残念な子と縁があるんだろうか?


「どうやら物質化魔法だなこれは……ファイアランス勝負だったんだろう?アリスが納得するかは知らんがタクトの反則負けだろう」


 シンシア先生がやってきてそう言うと少し貸すように言われたのでわたす

 わたされた槍で的を突く、的に刺ささり刃先が燃え出したかと思うとボンと軽く爆発を起こし的が粉々になった


「なかなかの物だな折角作ったんだ槍術でも覚えるか?」

「自分の型に合いそうならそうしますが経験ないんですよね、それに魔力三分の一消費した程度なので作り直すのは簡単そうです」

「そうか、まぁ持っておけ何かの役には立つだろう―――というか元々お前の物だな」


 シンシア先生から槍を受け取り初級魔法の練習に戻る

 アリスと何も賭けてはないが反則負けだそうだし後で食堂へ行って食材を借りてお詫びの品を作って持っていくとしよう


「さぁそろそろ昼休憩だなボチボチ片付けて撤収するぞ」


 こうしてタクトの始めての魔法体験は幕を閉じた

お読みいただきありがとうございます

仕事とゲームで執筆時間がなかなか取れないから困る

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