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一話

 ある日の午後

 商店街を暴走する居眠り運転のトラック

 撥ねられるコースに居るが突然の出来事で逃げる事も出来ず固まる少女

 たまたま助けれそうな位置に居た俺は駆け寄り少女を突き飛ばした


「自分が避ける算段を忘れるとはマヌケだよな」


 気まぐれで人を助けた結果自分の死ぬ危機に陥るとはと苦笑しつつ最後の抵抗と頭の前で腕を交差し目を瞑る




 ……来ない

 いくらなんでも目測3mの位置から到達して衝撃を感じるまで遅すぎる

 恐る恐る目を開けて周りを確認するとトラックは無く薄暗い地下室のような場所だった


「どうにか生きてるみたいだけどここ何処だよ―――」


 周囲の確認をしようとテキトーに二三歩前に歩いた大体部屋の中央だ

 足元が光り何事かと見てみると所謂魔方陣を踏んで起動したと理解すると同時に意識を失った


 ※※※


「んん……眩しい」


 何か違和感がするものの同じ部屋のようだ光源が強くなったようで周りがよく見える

 とりあえずスマホで時間を確認すると気を失って3時間ほど経っていた

 いやそんなことよりも―――宙に文章が浮いていて内容に驚きを隠せない


<転生に成功しました>

 名 前:タクト キリシマ

 種 族:ヒューマン→ハイウィザード

 性 別:男

 年 齢:25→13

 レベル:29→1

 HP:300/300→100/100

 MP:10/200→10/40000

 筋  力:49→11

 肉体強度:78→19

 敏  捷:46→23

 魔  力:51→2601

 スキル:【解析】【アイテムBOX】

 固有スキル:【異世界言語翻訳】【ゲームアシスト】


 ―――うん、MPとか魔力とか異世界が云々、日本で普通に暮らして経験値貯まるとかツッコミ所多い

【ゲームアシスト】とかなんとなくわからなくもないけどわからないものまである俺帰れるのかな?


【ゲームアシスト】

 メニューバー、【アイテムBOX】の中身の管理、ステータス表示、

【ゲームアシスト】についてのヘルプなどが出来る

 ぶっちゃけMMOとかでよく見るアレ


 恐らく【解析】か説明通りなら【ゲームアシスト】のヘルプが発動したのだろう表示された

 便利だが説明が若干投げやりな気がするがそれはおいておこう

 使えるみたいなので試しに種族に【解析】を使ってみる


 種族:ハイウィザード(第四世代)

 前世代であるウィザードの肉体が弱いという弱点を半魔力構造の肉体を得て克服した種族

 転生に使う触媒は必要ないが転生するにはリスクが高く99.9%失敗(死亡)する


 あっぶねぇー生きてたから良かったものの転生原因であろうあの魔方陣は即死トラップの類だったようだ

 魔力はわからないが弱体化してるはずなのに実感無いなと身体の感触を確かめ部屋をざっと見渡す


 まず足元、魔方陣が描かれていたはずだが黒く焦げ付いており再起動はしそうにもない

 埃が貯まっているので人が居なくなって長いなと思いつつ他に本棚、作業机、扉などがあったのでまずは本棚に目をやる


 本:ゴブリンでもわかる転生

 ゴブわかシリーズ第12巻


 ―――日本にも似たようなシリーズの本があったような気がする

 使うのは二回目になるが【解析】は意識せずとも簡単に発動するようで一安心だ


 中身をパラパラ流し読みする【異世界言語翻訳】って便利だなぁ


「転生神殿の利用に金貨一枚……触媒は自前……冒険者は13歳から……転生種族ら―――ん?」


 13歳の謎は解けたが種族欄には何故か第二世代までしか書かれてない

 第一世代はヒューマン、オーガ、エルフ、ドワーフ、ビースト、リザードマン、ドラグノイドなどで

 第二世代がハイ~らしい―――俺第四世代なんだけど?

 特殊種族に勇者という項目もあったがスペックがチートすぎて笑える

 死んでも直前に行った王座前に蘇生&転移されるそうだ何処の国民的RPGなんです?

 とても残念な光景だけど王座背負ってる奴が居たら勇者って事だな

 第四世代を疑問に思うものの読んでも解決しそうにないので一旦保留、作業台に移る


 引き出しを漁っているとどうやら本命で研究書が纏められていた

 前書きによるとヒューマン至上主義の奴らに追い掛け回される研究だったので隠れてやっていたらしい

 研究内容は第一世代でヒューマンだけ種族特性がないのは何故かというものが一番上にあり

 仮説ではあるもののヒューマンのみ第一世代で他の第一世代は第二世代ではないかという結論だった

 そりゃ追っかけられるよな始原だと言えば聞こえはいいが劣ってるって事なんだから


 二番目は世代樹形とハイヒューマン族のみ第三世代以降がない?や特性、強さの傾向からハイリザードマンの次にドラグノイドになるのではないかなど第四世代まであり仮設とはいえ信憑性は高そうに思えた


 最後は第三世代ウィザードへの転生研究だった

 ハイヒューマンの種族特性は魔法の適性が高めであることから魔法使い(ウィザード)からもじって名づけたそうだ

 魔方陣の説明もされていた簡単に説明すると小学校でやった豆電球を乾電池で点ける実験だ

 電池である転生者が陣に乗ると勝手に魔力が流れ出す仕様で

 導線である触媒に通る魔力が触媒の影響で変質しそれを豆電球である転生者に送り変質させるそうだ

 まぁ小学校の実験ではなくなるが触媒は導線というより抵抗器の方が的確かもしれない

 それでウィザードへの転生の仕方だがショートさせて陣が先に壊れれば成功だそうだ

 結果としてハイウィザードがこの条件だったようだが部屋の状態を見る限り研究書を書いた人物が99.9%を無事引き当てたのだなと察した


 ここを出るにあたり当分の資金の足しにまずは手当たり次第に収納できる物を【アイテムBOX】に詰める

 研究書は入れて死蔵することにする、ここが発見された時俺の痕跡で関連性を疑われ最悪暗殺者を送られるだろう

 お、金貨五枚出てきた金銭価値がわからないが腐っても金であるのでそれなりに期待出来る

 身分証明出来なさそうだから街についたら冒険者が無難だろうか


 部屋の中は片付いたので外に出てみると出口が見える程度の洞窟の中に作った部屋だったようだ

 扉の外側には岩壁がはりついていて閉めるとカモフラージュ出来る事がわかった

 洞窟の外に出てみると森が広がっており空は真っ暗で夜になっていた

 スマホの時間はまだ明るい時間を示していたが同じ時間帯、いや24時間サイクルですらないのかもしれない

 ここを出るにしても夜の森は危険なので一旦部屋に戻り一眠りするとしよう


 ※※※


「起きたら病院だったとかなかった」

 半分夢だったらいいと眠ったのだが現実は甘くなかった

 ベッドがないので床に寝て体が痛いが周囲の探索へ向かうとする近ければ町か村へ行ければ上々である


 ――――持ってて良かった携帯食料(フルーツ味)、現代っ子が森で食料確保とか不可能といってもいい

 さて日の高いうちに出発して夕方になったけど何処に居るかって?元の洞窟である

 いやー森って怖いね何時間も歩いたのに元の位置に戻ってくるとは頭が痛い


 そんなこんなで異世界に遭難して三日目、食料の問題もあるのでなんとかして森を出なくては……

 ―――ガサッ


「そこの君こんな所で何やっ「あなたが神か!?」


 昨日と同じく森を迷ってると不意に声がかかった奇跡である助かったといっていい


「神?落ち着いてください私は冒険者のリリィでこの森の調査に来たの」

「何か異変でも?俺はタクトここから出れたら冒険者になるつもりなんだが今は迷子だ助けて欲しい」


 リリィと名乗った少女は金髪セミロングの碧眼で肌は透き通るように白い身長は今の俺と同じで150cmぐらいだろうか

 胸には二つの果実がたわわに実っている顔は美少女といえる分類だろう

 リリィが苗字を名乗ってないので貴族しか持ってないパターンを疑い名前だけ告げた


「タクトちゃんですかここ初心者が来るような森なんですが慣れないと迷うかもしれませんね」

「ちゃんづけは勘弁してもらいたいなこれでも一応13歳だ呼び捨てでかまわない」

「13歳?もっと子供だとばかり思ってました私は二つ上ですね、しかし冒険者志望と言ってましたが

 なれるのは15歳からですよ一応13歳でも可能ですが保護者とのパーティを組むのが条件です」

「えっこのゴブリンでもわかる~には13歳と書いてあったんでそうだとばかり・・・」


【アイテムBOX】からゴブわかを取り出してわたす


「BOX持ってるんですねあまり人に見せない方がいいですよ?それにしてもゴブリン語なんてよく読めましたねそのシリーズは奇書で有名なの、作られたのがおよそ50年前なのでそれに準じて書かれてるのよね」

「BOXは今後気をつけるよそれにしてもこの本一般的な文字じゃなかったのか……最近まで山奥でばあちゃんと暮らしててな情報に疎いんだ」

「ゴブリンに読めるようにと作られたものの逆に一般人は読めなくなったという本末転倒な本なの―――山奥で住んでた人がどうしてこんなところに?おばあさんは?」

「亡くなってそれを期に出てきた」

「あ、ごめんなさい無神経な質問を……」

「いいよ気にしてない」

「身寄りがないのですねここで知り合ったのも何かの縁ですから保護者として付き合いましょう」

「いいんですか?」

「いいんです私も冒険者になって間もないですから歳が近い仲間が欲しかったのですよ」


 無論異世界人とか言っても信じてくれるのかわからないしテキトーに考えた経歴設定である


「さてまだ調査が終わってないので終わってからでよろしいでしょうか」

「問題ないです……とは言っても食料が殆どないので手短に終わる事に期待する」


 ※※※


「この辺りでしょうか……?」

「この洞窟ここ二日寝るのに使ってたけど何もなかったよ」


 俺たちは元の洞窟まで戻ってきていた


「何か魔物とか見かけなかったんですか?これだけ魔力が濃いならボスが発生していてもおかしくないのですが」

「運が良いのか悪いのか迷子だから良いって事はないか、魔力濃いのか?感知出来なくてわからないんだよね」

「魔力って使う機会がないとわかりませんからね、明かりの魔法具の光る具合である程度判別出来ますよ周りの魔力で動くので

 濃いほど眩しくなるんですよ」

「あー確かに眩しいほど光ってたわ、ところで魔法って魔力感知出来なくても使える様になるのかね?」

「その分だと魔力ダダ漏れなんじゃないですか?丹田にこうグッと押し込むようなイメージで体内に保持出来、流れ出した魔力も回収出来ます

 どんな人でも初級魔法までは使えるはずなので覚えれば使えるはずです」


 言われたとおりイメージしてみるが感覚を教えられてもわかりにくいので試行錯誤する


<放出したMPの回収により種族特性が活性化しました>

 HP:100/100→230/230

 MP:40000/40000

 筋  力:11→221

 肉体強度:19→361

 敏  捷:23→174

 魔  力:2601


 種族説明でステータスに違和感を持っていたがMPがなかったからのようだ


「あれ?魔力が霧散していきますね」

「ボスを誰かが倒したんじゃないか?」

「そうかもしれませんもう濃い反応もないようなのでこの森を出てギルドに報告しましょう」


 しかし異変の正体が俺っぽいこの魔力量ボス並みなのか……


 ※※※


 特に問題なく町が見えてきた本当に初心者が行くような森だったらしいこうもアッサリ出れると凹む

 町は2~3mの石の壁で囲まれている魔物が出るそうだし必要な物なのだろう

 門まで行くと門番が居た


「身分証明出来るものを提示願いたい」


 リリィは板を見せるギルドカードだろうか?


「こっちの子はこの後冒険者ギルドで登録するから後で見せに来ますね」

「了解したようこそタタンの町へ」


 こうして俺のサバイバルと言えるのかよくわからない危機は終わりを告げるのであった

お読みいただきありがとうございます

ここまで書くのに数週間かかった事を考えると次話は何時になるやら

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