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人は見た目じゃないーー(千)

「気に入らないって?」


 わたしはマリちゃんの眼を見て尋ねる。マリちゃんもわたしの目を見て答える。



「ただの勝手な印象」


「勝手な?」


「そ。でも、正直な本音だと思う」



 わたしの残していた最後のサンドイッチがマリちゃんに食べられた。マリちゃんは店員さんを呼んで、コーヒーをもう一杯おかわりした。

 勝手な印象、正直な本音。マリちゃんはオブラートに包むことをあまりしない。まったくしないわけじゃないのがツボだ。自分の言いたくないことは上手に隠してしまうあたりが人間らしい。



 正義のヒーローでも、悟りの神でもない、人間。



 キレイゴトだけじゃなくて、ちゃんと本当のことも言ってくれる。だけど、ホントウだけで出来たロボットじゃない。本当と建前と、ビックリするくらい素敵に混ぜて使うのがマリちゃん。

 わたしの友達のマリちゃん。だから、頼りになる。



「ていうかさ、アタシがどうこう言う問題でもないのよね。ユリさ、アンタは人の意見で自分を変えるような人でもないでしょ?」


「……そうかも」


「アタシがユリの思ったことと逆を言ったって、アンタ自身の意見は変わりはしないんでしょ?」


「……そうかな」


「ただ人の話を利いて自分を整理したかっただけって感じでしょ?」


「……そうだね」


「そしてアンタはどうしようもなくかわいい」


「……そう、…… って、違うよっ!!」



 アハハハと大声で笑うマリちゃん。まったくもう、なんて方向転換なの? これじゃ、百八十度ターンていうより、異次元ワープだと思う。

 会話の異次元ワープ。……。ちょっといつか使ってみたい言葉かも。


「ま、アタシの時間をわざわざ使ったんだから、とりあえずスパッと答えだしちゃいなさい。途中経過なんて全部すっ飛ばして、そんな何回もやった繰り返しはスキップしてちゃって。アンタがアイツの隣にいたいと思うかどうか、イエスかノーかでキッパリ言ってみな!」


「はっ、はいっ!」


「さあ!」


「ノーです!!」


「オッケェ! じゃあこれで話は終わり!!」


 パチン。何よりも心に響くような音。手のひらを打ち合わせたその乾いた短い音。切り替えの、音。

 ウソ予告になってしまいました、すみません。

 個人的な事情により、いったん更新をストップさせていただきます。

 またひょっこり再開させていただくので、そのときはどうぞ見てやってください。

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