居候を許可する7(千)
サイアクサイアクサイアク! 本当に、最悪!
これってアタシがいけないの? アタシが一人で見当違いなことを考えて、勝手に緊張したり悩んだりしていただけなの?
それに、わかった、って…… あの時の自分を思い出すだけで恥ずかしい。何がわかったのよ。何がわかったのよ。何がわかったのよ!!
彼が眠るのには少し早い時間、彼女が寝るにはもっと早い時間。既に電気の消された六畳の部屋で、美和は目を開けている。青年がまだ起きているのかは彼女の位置からは見えないが、体をひねって確認することは、絶対にしなかった。
彼の方からは白いシーツが半分までと、後は彼女の背中しか見えないだろう。彼女がどんな顔をしているのか、彼女が何を思っているのかはわからない。
アイツは何て言っていたんだっけ。もうそんなことも思い出せないけど、アタシを勘違いさせるような間際らしいことを言っていたの? それとも、本当にアタシが一人で踊っていただけなの?
……。たぶんアタシが悪いのね。アイツはそういう何の意味も無いことはしないし。そんなところが、……、まぁ、マシとは思わないこともないし……
はぁ。でもこんな気持ちじゃ、明日アイツとどんな顔して話せばいいのかわからない。もし、昨日どうして怒っていた? なんて聞かれたら応えられないし。
そこでうそをついても、そうすればそれ以上は尋ねてこないだろうけど、正直なアイツにうそで応えたくは無い…… うそをつく人が嫌いなアタシが、アタシ自身がうそをつくのは嫌。
少女は目を開けたまま、明日のことを想像する。どんな返事をすれば、この気まずさが、彼女が一方的に感じているのかもしれない気まずさが消えるのか。そのことばかりを考えている。
時間は一秒一秒と流れ、やがて少女は後ろから小さい寝息を聞く。少女はまだ眠れそうには無かった。
……。まったくわからない。アイツがどんな言葉を言ってくるか、どんな言葉を返してくるのかが全然想像できない。今思うと、アタシはアイツの何を知っているんだろう。アイツはアタシの何をわかっているんだろう。
……。
はぁ…… もうやめよう。こんなこと、考えてもどうにもならない。ただ時間と体力を使うだけ。疲れるだけで何もいいことはない。もう眠ろう。
全部ひとまず忘れて、今日はもう眠って、明日のことは明日やればいいんだから。
じっと目をつむってみるが、三分もすると再び目を開いた。小さなため息がひとつ聞こえる。
彼女に眠気がやってくるのはまだ先のようだ。彼女はあと数十分考え続けた。何も浮かばない湖のような、きれいなほどに無収穫だったが。
久しぶりの、居候でした。またしばらく続けていこうと思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。




